彼と彼女のやり直し
コアラvsラッコ
第1話 愛しい人
私、
名前は
一年の頃から同じクラスで、進級しても同じクラスになれた同級生。
運動部には所属していおらず。
クラスでも目立ったポジションではない。
読書好きで物静かなタイプで、人によっては陰キャと見る人もいる。
実際、口数少なく積極的にコミュニケーションを取る方ではないので親しい友人も少ない。
でも、その少ない交友関係の中に共通の友人が居たことが私達が知り合う切っ掛けになった。
その友人、もとい親友と言っても過言ない存在である
初めは、スイがレイ君の事を好きなのかと思っていたので、少し遠慮がちに接していたけど、そんな私にもレイ君はスイと同じように、優しく接してくれた。しかも同年代とは思えない落ち着いた雰囲気で。
自分で言うのも何だが、割と見た目が良いのと、発育の良い胸の影響で、男子から声を掛けられる事が多く、下心が見え見えな態度にはうんざりしていた。だからこそ、レイ君がそういった目で自分を見てこない事も好印象に繋がったのだと思う。
そしてスイを介して接している内に三人で遊ぶ事も多くなって、その度にレイ君の事を目で追いかけるようになっていって……。
そして今、私は悩んでいた。
レイ君への好きという気持が膨らむと同時に、スイに対しての罪悪感と、もどかしさが募る。
二人は付き合っていないと言うけれど、傍から見ても幼馴染以上の感情を互いに抱いているのはバレバレだったから。
だから私は自分の気持ちの整理をつける意味合いも込めてスイに尋ねた。
「レイ君に告白しないの?」と。
だから、この事が切っ掛けでスイが動いてレイ君と付き合った時は、この気持ちを胸にしまって諦めようと考えていた。
でも、返ってきた言葉は思っていたものと違っていて、スイは少し寂しそうな表情を浮かべて言った。
「レイとはお互いそういう関係にはならないって約束しているから」
表情から察するにスイは、その約束には納得していないのかもしれない。でも、その約束が二人を今も結び付けているようにも感じた。
だからかもしれない、何となく腹が立った。
もしかしたら嫉妬だったのかもしれない。
スイは余りにもレイ君が隣に居ることが当たり前になりすぎてるんじゃないかって、勝手に憤って、だから少しキツイ言葉でスイに告げた。
「じゃあ私がレイ君に告白しても良いんだね?」
私のそんな挑発するような言葉にも、スイはやっぱり寂しそうに笑って応えてくれた。
「ランならレイとお似合いだと思うよ」って。
本当なら嬉しい筈の言葉なのに、なんだかモヤモヤする気持ちが収まらなくて、悔しくて、でもやっぱりレイ君への気持は抑えられなくて。
「分かった。じゃあ私がレイ君に告白する。だからもしレイ君が私を受け入れてくれて恋人になったら少しは遠慮してよ」
どうしても攻撃的な口調が治まらない。
そんな私にやっぱりスイは微笑むだけで一言も反論する事は無かった。
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