過去の秘密 -封鎖された理科室の呪い-
O.K
第1話:理科室の封印された部屋
大学の理科室には、厳重に封鎖された部屋があった。その部屋の存在自体が、学生たちにとって禁じられた領域であり、誰もが遠ざけるべき場所だと認識されていた。しかし、その部屋が一体何を隠しているのかは、真相を知る者はいなかった。
長年にわたり、様々な噂が飛び交っていた。ある者は、その部屋がかつて科学の実験場だったと噂し、別の者は、そこに危険な化学物質が保管されていると囁いていた。だが、一番怖いとされる噂は、かつてそこで行われた秘密裏の実験が失敗し、恐ろしい生物が誕生したというものだった。
ある日、大学の新入生である若い男性、タクマがこの部屋に興味を抱くようになった。彼は冒険心旺盛で、人々の恐れる場所に立ち向かうことに喜びを感じていた。その興味心は日々募るばかりで、やがて彼は知り合いのコンピューターエンジニア、ユウキに協力を依頼する。
ユウキは初めは戸惑いながらも、友人の願いを叶えるために封鎖された部屋の扉の解錠方法を探し始めた。長い探索の末、遺失した鍵の場所を突き止め、タクマと共にその部屋に侵入することができた。
部屋の内部は朽ち果てた装置や謎めいた機械が放置されていた。さらに、薄汚れた壁には奇妙な記号や絵が描かれており、タクマたちはこの場所が何かの秘密の祭壇であるのではないかと錯覚した。
しかし、真実は彼らの予想を遥かに超えるものだった。部屋の奥深くに隠されていた巨大な容器の中には、腐敗した生物の遺骸が浮かんでいた。それは人間とは思えないような異形の存在で、どれほどの年月が経過してもその姿は不気味さを増していくばかりだった。
「これは…何なんだ…?」ユウキが小声で呟くと、部屋全体に異様な気配が充満し始めた。まるでその生物の怨念が部屋に漂っているかのようだった。
その時、容器の中の生物が突如として動き出し、衰弱しながらも容器から抜け出そうとしているように見えた。恐怖に支配されたタクマとユウキは、足元がすくむ思いで後ずさりするが、扉は突如として鳴り始め、何者かが外から部屋に入ろうとしているようだった。
「逃げよう!ここから出よう!」ユウキが叫びながら部屋を飛び出す。タクマも彼に続き、急いで部屋の扉を閉めようとしたが、その瞬間、容器の中の生物が突如として容器を破り、自らの力で扉を開けると、その異形の存在が二人の前に姿を現した。
恐ろしいほどの邪悪なエネルギーが部屋を支配し、二人は動けないままになってしまった。そして、それは突如として彼らに襲い掛かり、そのまま二人を呑み込んでしまったのだ。
以降、タクマとユウキの消息は全く途絶え、理科室の厳重に封鎖された部屋は再び誰もが避けるべき禁忌の場所となった。しかし、時折、深夜になると、その部屋から奇妙な音や異様な気配が漂ってくるという噂が、学生たちの間で広がっていった。それは、まるで部屋の中に何かが封じられているかのように…。
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