あいさつ

 お盆休みで、大島くんが帰省してきた。

大島くんは、東京の会社だからか、10連休と長かったが、わたしは4連休、2日出て、2日休み、で仕事というような感じだったから、近場でドライブデートをするくらいだった。


「明日、プーちゃんちへ行っても いい?」

「うちへ?」

「うん、あいさつに行ってもいい?」

「あいさつ?親に?」

「うん」


海の日に6年ぶりに再会してから、まだ1ヶ月も経っていない。


大島くんは、スーツを着て家に来た。

両親に礼儀正しくあいさつをして、うちの親は彼を気に入ってくれた。



 そこからは、川を船で流れて行くように、早かった。

12月に、わたしを彼の親に紹介してもらい、

年明け1月に彼の両親が、わたしの実家にあいさつにきた。

3月に結納をして、5月にはブライダルフェアに行ったりして10月の大安の日に式場を予約した。

7月には、ドレス選びや、お料理、引き出物を決めたり、招待状の発送、席順を決めたり。

遠距離だったから、電話で決められることは決めたし、彼が長野に帰ってきたり、わたしが東京へ行ったり、目まぐるしく、とても忙しかった。

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