第25話  香澄 ①

 ニコニコ


 すごい見られてる…


 香澄と隣の席になってから3日が経った。


 この3日間なぜか香澄が私にすごく話しかけてくる。


 無視をするのは良くないと思って相槌はしてたけど、会話なんてほとんど続いてなかった。


 私と話してもつまらないはずなのに香澄はすごく楽しそうだ。


 さっきも適当に相槌を返していたらいつのまにかタメ口で話すことになっていたらしくタメ口で話しかけてくるようになった。


 私は流石にこのままだと正体がバレるんじゃないかって不安で、心臓がおかしな事になりそうだから香澄を徹底的に避ける事に決めた。


「ねえ、美波さっきの授ぎょ「ごめん、トイレ行ってくるね」


「あっ美波!お昼「あっそういえば生徒会の仕事あったの忘れてた!行かなきゃ!」

 

 なんとか理由を考えて避けてきたけどそろそろ避ける理由もなくなってきた。


 はぁ〜、5限目まで後20分もあるじゃん。


 暇すぎる…


 折角だし本当に生徒会室行こうかな〜何か手伝う事あるかもだし。



 

 コンコン


「失礼しま〜す…お、お邪魔しました」


「ちょ、ちょと待って!違うから!」


「…何が違うんですか?」


「いや、さっきのはただ、ただ話をしてただけだから!ねっ!会長!」


「ん?ああ、そうだな」


 動揺してるな〜副会長。


 会長はよくわかってないみたいだし。


 そりゃ告白しようとした時にちょうど人が来たらそうなるよね。


 しかも、会長には伝わってないみたいだし。


 なんでだろ、私にはバッチリ聞こえたのに。


 『私は会長のことが好きです』って。


 っは!まさか私の『失礼しま〜す』にかき消されたとか!?


 …なんてことだ、この私が、百合命のこの私が、まさか告白の邪魔をしてしまうなんて。


 はぁ〜。まぁやってしまったことは仕方がないし副会長にはもう一回頑張ってもらおう。


 にしても、副会長好きな人いたんだ。


 親友としては瑠花ちゃんの恋を応援したいけどこればっかりは仕方ないよなぁ…


「そういえば白鳥さんは生徒会室になにか用でもあったんですか?」


「あ!そうだった!何か手伝うことあるかな〜と思って来たんですけどもう5限始まりそうなので教室戻りますね!」


「え、あちょっと待って!」


「なんですか?」


「さっきのは本当に何でもないから変な誤解しないでね」


「あ〜はい。大丈夫ですよ!誰にも言いませんから!それじゃあお邪魔しました〜」


 時間はまだ余裕だけどあの2人の邪魔しちゃ悪いしね〜。


 ンフフ


 それにしても副会長可愛かったなぁ〜











 


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