遅刻
学校について教室の後ろドアを開けたと同時に僕は、手に持っていた鞄を落として固まった。遅刻した者の多くが教室にいるほぼ全員からの視線が集まるから、じゃない。
——睦月——
扉に一番近い席の子に「大丈夫…?」と訊かれ「あ、う、うん…安心して、つ、い…」と全く逆の言葉を吃りながら返す。
理由はひとつしかない。真っ先に視界に入った睦月の姿があまりにも変わっていたから。両頬にガーゼ、いつもは巻いていない首に包帯、髪は不自然に乱れていた。衝撃的すぎて授業に全く集中できなかった。遅刻してきて最初の休み時間、放課後に残れないか、と睦月から声をかけられた。僕は何もないと答え、放課後に『公安』と名づけた移動教室に集まることにした。
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