131 A ランクパーティー 天剣のきらめき 1
ホームのベットで眼を覚ましたキル。
キルは昨日の晩サイクロンサイクロプスの魔石を使って⭐︎5のジョブスクロールを作ることに成功していた。
そして剣士、魔術師、槍使い、盾使いの星が5になり経験値が貯まれば聖級に進化できる状態だ。
そのせいか朝から討伐経験を積みたくてソワソワしているキルで有る。
クッキーの作った朝食を食べているとホームに訪問者が現れる。グラ達であった。
「リーダー、グラさん達のパーティーが見えてますけど〜」ルキアが食堂まで呼びにやって来た。キルは怪訝な顔でルキアを見た。
「昨日の事で何かあったんでしょうかね?」
横で食事を摂っていたエリスがキルに聞く。
「そんなはずないけどなあ?」
キルはそう言うと朝食のスープをぐいと飲み込んで席を立ち玄関ホールに向かった。
奥から出てくるキルを見たグラは声をかける。
「朝早くから押しかけてすまないね。キル君。」
「イエ、それは構いませんが、、、」口の中の食物を飲み込んでキルは答える。
「スクロールを買いに来たんだよ。うちのメンバーが⭐︎4のジョブスクロールが欲しいと言うのでね。」
グラの後ろで3人の冒険者が笑顔を作っていた。
Aランクパーティー 天剣のきらめきの4人がスクロールを買いに来たのだ。
朝からスクロールが売れるとは幸先がいいのか?なんて考えながらキルは確認した。
「⭐︎4のジョブスクロールは8000万カーネルですよ。」
「それは昨日聞いて知っているよ。それで金のことなんだが銀行に来てもらって払うというのはまずいかな?」
「ああ、大金ですからね。大丈夫ですよ。一緒に行けば良いわけですよね。今日は休みで予定も決めてませんし。」
キルは営業スマイルで答える。
「⭐︎4の魔術師と盾使いと剣士で良かったですか?」
「それで良い。3つで2億4000万だな。」グラが確認。
「それで良いですよ。」ストレージ内スクロール作製でその場で作り3つのスクロールをストレージから取り出す。ブラッドオーガの魔石を使って作ったもので有る。
それぞれのスクロールを間違わない様に3人に渡した。
「スクロールに手を当てて少し魔力を流すと発動しますからやってみてください。」
キルの求めに従って3人がスクロールを発動させて光が身体に入って行き3人が驚いた様に自分の身体を確かめた。
「凄い力が漲ってくるぞ!」
「魔力が溢れてくるわ!」
「拙者、何でも出来そうな気がしますぞ!」
それを見ながら羨ましそうにグラが言った。
「そいつは良かったな。俺の分を買うためにこれからガシガシ働いてくれよ。」
「勿論だとも。」ロムが答える。
3人ともこれまでの冒険者生活で討伐経験値は充分に溜まっていた様でスクロールを使うとすぐに進化が起こった様で有る。
3人のステータスは桁違いに上がったはずで有る。
特級冒険者4人のパーティー、、、、これは最強のパーティーなのではないかと思うキルであった。
「グラさんが思っている以上にパーティーの戦力は上がっていると思いますよ。なにしろ全員特級になった訳ですから。」
キルが言うとグラはビクリと驚いた様な顔をしてそれから顎を手でさすりながらパーティーの戦力を想像している様だった。
「うん、凄いことになってるかもしれないな。早く試してみたいものだよ。
それではお金を払いに銀行に行かないとね。」
キルがグラ達について行こうとするとクリスがキルに駆け寄って来て耳打ちする。
「キルさん今日もよろしけてばワイバーンの狩りに行きませんか?」
「ああ〜! クリス、抜け駆けずる〜い。自分も一緒に行くっすよ!」
ケーナがそう言うとユミカが自分もという顔でケーナに引っ付く。
「3人連れてワイバーン狩りをすれば良いかな?」
その問いに3人が顔を見合わせた後に頷いた。
その様子をグラのパーティーの4人が微笑ましいものを見る様にしていた。
そして8人で銀行に向かった。
歩きながらもサラはクリスが気になっていた。
そう、クリスのもうすぐ特級になると言う一言が気になっているのだ。
見た目13〜14歳位でまだ冒険者1年目と言う彼女がもう特級になれるだなんて彼女にしてみれば到底信じられないことだった。
色白の肌に派手な赤髪、芯の強そうな赤い眼が男達の目を惹きつける美人冒険者サラはクリスという女の子の気品のある美しさと歳に似合わぬナイスボディーも気になるものがある。
若さっていいわね、、、なんて羨ましくなるサラで有る。
「あなた、この後ワイバーン狩りに行くと言ってたわね。」
サラはクリスに話しかけた。
突然話しかけられて驚くクリスだったが美しい先輩冒険者に敬意をいだきながら答える。「はい。そのつもりです。」
「ワイバーンと言えば多くの冒険者は狩ろうなんて思わない魔物じゃなくて?
本当に狩りに行くの?群れを狙うのは危なすぎるし、はぐれた単体のワイバーンを見つけるのは難しいでしょう?どうするつもりなの?」
クリスは笑顔で答える。
「私達は飛べるので、空中戦ができますから群れが相手でもそれほど危険ということはないんですよ。」
群れを相手に危険は少ないと言う少女の言葉にサラだけでなくグラもロムもホドも驚いて彼女を見るのだった。
その視線に驚いてクリスは口を手で隠し顔を赤らめる。
「え! 何か変な事を言いましたか?」
「それと俺達は全員遠距離攻撃ができるので空中戦でもこちらが優位にたてるんですよ。だから攻撃を受ける事なくワイバーンを倒す事だって珍しく無いんですよ。」
キルがクリスに助け舟を出す。
それを聞いてスキルスクロールのせいかと思いつくグラ達だった。
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