101 ルキアとモレノ 1

ルキアとモレノ、、、今回紹介されたふたりである。


やはりこの春冒険者を始めた13歳だ。なかなか狩りが上手く出来ず冒険者に見切りをつけようとしているという。ケイトさんが紹介してくれるのはなぜか今まで女の子だけだ。何故だろう?


もう3度目になるが(ケーナとクリスの時を入れれば4度)初めは現状チェックで草原で小型の魔物狩りだ。やはり魔物を見つけるのが出来ないし、見つけた魔物に逃げられてしまう。


ルキアのジョブは盾使い、モレノは農民だった。ルキアは盾を持ちモレノは槍をもっている。キルは2人に今まで同様に借金でスクロールを買ってもらい出世払いにしてもらう。


ルキアにはシールドバッシュと ヘイトテイカーと索敵、フライ、モレノには 流星槍とショットランスと索敵、フライと⭐︎1の槍使いのジョブスクロールを使ってもらう。


2人は見違えるようにコッコキー、ケンケン、一角ウサギを狩り始めた。2人の指導をケーナに任せてキル達5人はモーモウ狩りを始める。2人はいきなり狩りが簡単になり満面の笑顔だ。


普通はスキルが生えるまで2〜3年かかるもので、その間スキル無しで狩りをしなくてはならずこれはスキルがある人に比べて格段に難易度が高い。スキル1つ覚えれば格段に狩りが楽になるのだ。


それも初めは強化系のアーツが生える事が多く索敵や、遠距離攻撃のような有効性の高いスキルはなかなか生える人が少ないのだ。


もうこの時点で2人はベテラン冒険者に肩を並べる狩りの実力がついていると言って良かった。


青眼銀髪のルキアはヘイトテイカーで魔物を呼びシールドバッシュで攻撃を受け相手にダメージを与えていた。

茶眼金髪のモレノは流星槍で遠くの魔物を突き刺している。


2人は索敵を覚えた事でサクサク魔物を見つけては狩りを続けていた。

今まで苦労して探し出し、狩ろうとして逃げられていた魔物をこんなにもサクサク狩れると楽しくなってしまうものだ。


2人は調子に乗って楽しそうに狩りを続けている。

ウルフの群れが近づいてきそうになるとケーナが3連爆射を使って撃退した。

ケーナに任せておけばこの草原では安心だ。


1日を終えてキル達5人はモーモウを300匹(内キル80)、ケーナはウルフを25匹、ルキアとモレノは小さな魔物をそれぞれ30匹と37匹狩る事ができた。


盾使いはやや狩れる数が少ないようだ。槍使いの方が狩りはしやすいらしい。誰もが思う通りである。


初日の感想はルキア、モレノ共に高評価だった。全体の獲物の買取額は626.7万カーネルだったため一人当たりの分前は78万カーネルだった。


スクロール代の借金は2日もあれば返済完了になる計算だ。2人の借金は、モレノが82万カーネル、ルキアが32万カーネルだから。ただルキアはもう少し良さそうな盾に買い替えた方が良さそうだ。


ルキアの盾ではそう長くは使えなさそうだしシールドバッシュの威力も出にくい。

もう少し大きな獲物を狙う時には使えなさそうなのだ。


それでキル達はバッカスさんの鍛冶屋に行ってルキアの盾を調達した。

「この子盾使いなんですけれど使いやすそうな盾が欲しいんですが、シールドバッシュを使えるので威力が出そうな盾が欲しいんですけれどありませんか?」とキル。


「その歳でシールドバッシュが使えるとは将来有望だなあ!見た目だけ若い訳じゃあないんだろう?」とバッカス。


「この子は13歳だそうですよ。」

答えるキル。

恥ずかしそうにするルキア。


「あ、兄ちゃんスクロール職人だったっけな!そのせいか?」


「そういうことです。」とキル。


「盾使いはシールドバッシュを使えるまで経験値が稼ぎ辛いからな、そいつを身につけて正解だぞ。ねーちゃん。」


恥ずかしそうに頷くルキアだった。バッカスのオッサンパワーにオサレ気味だ。


「これなんかどうだ。盾を振るうのに重すぎやしないか?やってみろ。」


盾を渡された重さを確かめ振るってみるルキア。

「良い感じですね。そんなに重くないし、ここのところでバッシュッとやったら効きそうですね。」


「その盾で良いかい?」とキル。確かに頑丈そうで強力な魔物の攻撃でも防げそうだ。


「はい。これにします。」とルキア。


「コレは結構良いものなんだぜ、30万カーネルだ。」とバッカス。


ルキアは今日稼いだ中から30万カーネルを出してその盾を買った。


明日からその盾で活躍してくれるだろう。

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