14 初級スクロール職人 3

ストーンショットの威力を見て使って見たいと思うキル。


「中に入って作ってみるのじゃ。紋様を思い浮かべてのう。」


「はい!」喜んで中に入って早速作ってみるキル。


紙の上に手の平をかざしさっきの紋様を思い浮かべながら魔力を流す。魔力切れだ。光は起きなかった。


「もう一本これを飲むかい?魔法回復薬、1本2000カーネルじゃぞ。」悪徳商人顔のゼペック爺さん。


「えーーーと、さっき1本飲んでスクロールが1500だからここまで3500カーネルって事ですよね。それを飲むと5500カーネル?」


「そう言う事じゃ。 後払いでも良いぞ。特別にのう。」ゼペック爺さん悪い顔全開だ。


「昨日かなり稼いだので大丈夫です。5500カーネル払います。」そういうとキルは薬を飲む。


そして再チャレンジだ。光を発してストーンショットのスクロールが完成した。成功だ。後4回ぶんの魔力があるはずと思い作り続ける。


ストーンショットの魔法スクロール5個を作ることに成功した。


今キルはステータスのスクロール6個とストーンショットのスクロール5個をもっている。お金も15000カーネルくらいはまだ有る。晩御飯用のお金は充分に残っている。


魔力をほぼ使い尽くしたのでもう1本魔力回復薬を使うのはよして今日のスクロール作りはコレで終わりにした。


晩御飯の買い出しの前にステータスのスクロールを使って見た。どんな変化があったのだろうか?




ステータス


 キル  人族  14歳    討伐経験値 22 討伐レベル2 ( 2/10)


 職業(ジョブ) 初級スクロール職人 レベル 2(2/10 スクロール作成経験値 12)


    HP 79/79 :( 100+10 )× (14/20) +2+0


    MP 1/89 : (100+10 )×(14/20) +2+10


    EP 1/89 :(100+10 )×(14/20) +2+10


    回復能力(HP、MP、EP) 休憩  10 /1時間

                 睡眠  20/1時間


     攻撃力  72: 100×(14/20) +2+0

     防御力  72: 100×(14/20) +2+0

     腕力   72: 100×(14/20) +2+0

     知力   82: 100×(14/20) +2+10

     器用さ  92: 100×(14/20) +2+20

     素早さ  72: 100×(14/20) +2+0

     走力   72: 100×(14/20) +2+0


    耐性  物理 レベル1

        毒  レベル1


 ギフト(才能)  スクロール職人⭐︎7


 どうやらスクロールを作るとスクロール作成経験値が増えるようだ。それに伴ってスクロール職人のレベルが1から2に上がった。この調子でスクロールをたくさん作っていくとレベルが上がるらしい。取り敢えずたくさん作れば良いのだろうか?と思うキルであった。あまり強さには関係ないようだが職人としてのレベルが上がるということか?あまり考えても仕方ないだろう。ただ魔法スクロールを紙代と魔石代で作れるということは討伐時にも役に立ちそうだと思うキルであった。


晩飯の買い出しに出かけるキル。パン屋でパンを買い惣菜を見繕う。後はいつものように焼肉を買って引き返す。向こうから冒険者の集団が歩いてくる中にケラとバンの姿が見えた。明るく楽しそうに笑いながら知らない冒険者と話をしていた。


どうやら楽しくやっているようだ。順調で何よりだと思うキル。


バンがキルに気がついて手を上げる。キルも手を上げて返した。


「どうしてるんだいキル。順調にいってるのかい?」とバン。ケラも寄ってきた。


「うん。冒険者ギルドで掃除や力仕事をやりながら食い繋いでるんだ。スクロール職人にも弟子入りしたんだよ。今は晩飯の買い出しさ。」


ケラとバンの先輩冒険者が興味を持って話しかけてきた。「スクロール職人に弟子入りしたって、スクロールって高くて手が出ないんだよなあ!安く売ってくれんかね?」


「こらこら、冷やかしはいかんよ。それにバンの友達みたいじゃないか。」ほかの冒険者が注意する。


「今度キルがスクロール作ったら売りにこいよ。」とバン。ケラも「ぜったいこいよ。お前の作ったの試しに使って見たいしな。」


先輩冒険者も言った。

「今度大地の守り手のホームに来いよ。誰か買いたいってやついるかもしれないぜ。バンの友達は歓迎するぜ。」


俺は入れてくれなかったくせにと思うキルだった。

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