12 初級スクロール職人 1
「今日は昨日よりクリーンの魔法をかけて欲しいと言う人が多かったんですよ」晩飯のカッタイパンを齧りながらキルが話し出した。
「フーーーン」気のない返事のゼペック爺さん。
「27人もいたのでそれだけで13500カーネルも儲かってしまいました」
「フーーーン。そりゃあだいぶ儲かったのう」
「半分渡さなくて良いのですか?」
「良いぞ。それはお主の稼ぎじゃもののう」
「明日は街の清掃業務の依頼を受けてきたのでクリーンの魔法を使うつもりです」
「よいかんがえじゃな」惣菜をつまみながらゼペック爺さんが答える。
「そうじゃのう、明日キルさんの練習用にスクロール用の蝋皮紙とゴブリンの魔石を買っておいで。商業ギルドか生産者ギルドで売ってるからのう。この後チョットスクロールを作ってみるかい?」ゼペック爺さんがスクロールを作るのを教えてくれるようだ。
「ハイ!作りたいです」キルが嬉しそうな声で答えた。
食事が終わりゼペック爺さんはスクロール作りを見せてくれる。
スクロール用の紙を机の上で広げたゼペック爺さんは、その紙の上に魔石の粉を薄く一様に敷いた。
そしてその上の手の平を当て魔力を込める。魔法の紋様が光となって現れ魔石の粉が光と共に紙に紋様の通りにとけながら染み込んで行った。完成したスクロールには紋様が書き込まれていた。
「コレがステータスの魔法スクロールじゃ。使ってみるぞい。おぬしのステータスを見てみようか」ニヤリとするゼペック。
「このスクロールを持って魔力を流してみよ」
「あ、ハイ」スクロールを受け取り開いた状態で魔力を流すキル。スクロールが光に包まれ光が文字に変わってゆく。光が消えると紙に文字が刻まれて残っていた。
文字を覗き込む2人。
ステータス
キル 人族 14歳 討伐経験値 22 討伐レベル2 ( 2/10)
職業(ジョブ) なし
HP 79/ 79: ( 100+10 )× (14/20) +2+0
MP 79/79: (100+10 )×(14/20) +2+0
EP 79/79: (100+10 )×(14/20) +2+0
回復能力(HP、MP、EP) 休憩 10 /1時間
睡眠 20/1時間
攻撃力 72: 100×(14/20) +2+0
防御力 72: 100×(14/20) +2+0
腕力 72: 100×(14/20) +2+0
知力 72: 100×(14/20) +2+0
器用さ 72: 100×(14/20) +2+0
素早さ 72: 100×(14/20) +2+0
走力 72: 100×(14/20) +2+0
耐性 物理 レベル1
毒 レベル1
ギフト スクロール職人⭐︎7
スクロールにはこう書かれていた。
「⭐︎7じゃと? すごい才能じゃな。おぬしスクロール職人を極められるぞや。頑張れ。そんじゃあステータスのスクロールを作ってみい。ワシがやったようにのう。ステータスの紋様を思い浮かべて魔力を流してみい」
キルはゼペックのやったように手の平をかざし紋様を思い浮かべて魔力を流す。
不思議にもスキルの紋様が頭に自然に浮かんできた。
スクロールの紋様が光で形作られ魔石の粉がわずかに光る。しかしすぐに光は失われ魔石が黒く変わっただけだった。作れなかったらしい。
「失敗じゃな。紙と魔石は捨てて新しくセットしてもう一回じゃ」
キルは言われた通りにもう一度チャレンジする。
紙の上に魔石を敷き直し手の平をかざす。魔力を流すと光の紋様が浮かび魔石が光る。そして光が消えた時紋様が書き込まれスクロールが完成していた。
「使ってみるのじゃ、ちゃんと発動するかたしかめねばならん」
キルはスクロールを発動させる。
スクロールに文字が書かれている。
ステータス
キル 人族 14歳 討伐経験値 22 討伐レベル2 ( 2/10)
職業(ジョブ)
初級スクロール職人 レベル 1 (1/10 スクロール制作経験値1)
HP 79/79 ( 100+10 )× (14/20) +2+0
MP 69/89 (100+10 )×(14/20) +2+10
EP 69/89 (100+10 )×(14/20) +2+10
回復能力(HP、MP、EP) 休憩 10 /1時間
睡眠 20/1時間
攻撃力 72: 100×(14/20) +2+0
防御力 72: 100×(14/20) +2+0
腕力 72: 100×(14/20) +2+0
知力 82: 100×(14/20) +2+10
器用さ 92: 100×(14/20) +2+20
素早さ 72: 100×(14/20) +2+0
走力 72: 100×(14/20) +2+0
耐性 物理 レベル1
毒 レベル1
ギフト(才能) スクロール職人⭐︎7
「ほうー、初級スクロール職人になってるのう。成功じゃな」ニヤリとするゼペックだった。
「スキルスクロール2つで3000カーネルおくれ」右手を出すゼペック爺さんが悪徳商人の顔をしていた。
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