通信高校生は恋愛がしたい!

糖分先輩

第1話 「通信高校生は恋愛がしたい!」

 高校1年生冬——


「レポートだるい……」


 山川涼太やまかわりょうたは、体調が悪いなか、自宅でレポートをしていた。


 涼太は中学校の2年生の頃に、きっかけは不明だがこころの体調を崩してしまい、になってしまった。


 一時期テスト対策に本気で取り組み勉強を頑張っていたが、結果がかんばしくなく燃え尽きてしまったことがあったのだが、それが関係しているのだろう。


 それからというのも、体調は改善されず、不登校のまま中学校を卒業してしまった。


 両親のすすめで通信制高校である、磁石じしゃく高等学校入学した涼太だったが、高校生になっても体調を崩しやすいのは変わっていなかった。


(彼女がいれば、癒してくれて元気が出るのかな……)


 涼太は、そんな日々を過ごしていくうちに、誰かに救われたい、癒されたいと思うようになり、恋人を持つことに強い思いを持っていた。



 ◇ ◇ ◇



 同じくその頃。

 犬塚紗耶いぬづかさやは恋愛漫画を読んでいた。


 紗耶は過去を振り返る——


 紗耶は中学1年生の頃、クラスで些細ささいな意見の違いから女子を中心にを受けていた。


 紗耶のクラスには内藤ないとうくんと言う、学年でも一番人気の男子がいて、女子の中のクラスの中心人物である平野ひらのが内藤くんに好意を隠しもせずにいた。


 そんなあるとき、平野や紗耶など女子数人で雑談をしていたのだが、平野が内藤くんのことを「かっこよくて好き!」と言って「紗耶は内藤くんのことどう思うの?」と紗耶に意見を求めてきたのだが、それに紗耶がついタイプではなかったこともあり「自分はそこまでかな」と平野の意見を軽く否定してしまった。


 平野はそれに怒ったのか、紗耶を女子を中心に使いいじめを始めた——


紗耶はそれ以来中学には、いじめが始まってしばらくたってから学校に行くのが億劫おっくうになってしまい、行かなくなってしまった。


その後は、周りの勧め特に姉からの勧めで通信制高校に入学した。


 そんな過去を持つ紗耶は今読んでいる漫画の主人公のように、女子に人気じゃなくていいので、自分を守ったりおもんぱかってくれるような存在にあこがれていた。



 ◇ ◇ ◇



 そんなそれぞれ違った原因を持つが通信制高校に入学していた涼太と紗耶は、偶然にもこう思うのだった。


『『恋愛がしたい!』』






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