ファミレスで忍者殺す

梅緒連寸

「2名様ご案内でーす」

「Aセットのー、ライス大盛りで」

「ケーキ食べたい!ねえケーキいいいいいいいい」

「ご注文の品をお持ちしましたーー」

「これ単品で頼むと損、セットの方が得だし」

「16番テーブルのセットお願いします!」

「このステーキ肉全然切れないんだけどー?」


外の空気とは打って変わって快適に調整された空調が体を包む。賑わうファミリーレストランの奥の席は壁いっぱいのガラス窓から午後の日差しが差し込んでいた。

アウトドア用品メーカーのリュックを背負った女子高生に連れたって、主に10代の女子から人気を集めている動画配信者『スワン』のアクリルキーホルダーを大量にスクールバッグに付けた女子高生がもう1人。2人はぺちゃくちゃと喋りながら受付で案内されたその席に座る。


「なぁみぽち、今日ドリンクバー付けるよね?」

「当たり前だろ」

「ドリンクバー付きならアタシ今日現金足りんかもしれん。そしたらみぽちにちょっと借りてもいい?」

「ハァー?またかよ。ゆぁたむはスワン様に重課金しすぎなんだよ」

「マジごめん、次バイト代入ったら速攻返すから」


ゆぁたむと呼ばれた女子高生は席に着くなりスクールバッグからスマホを取り出す。クリア素材のケースにはまたしてもスワンのステッカーが大量に挟み込まれている。

みぽちもスマホを取り出し、特にお互い気にすることも無くしばしの間それぞれの作業を行う。

ゆぁたむはスワンの動画についたアンチコメントを違反報告する作業、みぽちは贔屓にしているネットショップで数日後に予定されているセールに備えて狙い目の商品をお気に入り登録していた。

時折作業の傍らで言葉を交わしては終わり、また次の話題が始まる。お互い気をつかう必要のない居心地のいい関係だった。

混雑のせいか少し遅れてから忙しない様子の店員がグラスに入った水とメニューセットを持ち運んできた。注文の際はテーブルに設置されたタブレットを使うようにと早口で伝え、そそくさとその場を去る。


「忙しそ。こーいう仕事もAIがなんかやってくれたら楽になったりすんのかな」

「みぽち知らねーの?もう既にAI入ったロボが注文したもん持ってきてくれるんだぜ。ホラ、あそこで動いてるやつ」

ゆぁたむが指差した先には白い筒に似た形状の機械があり、そのままそれはゆっくりと2人の座る席に近付く。

「なんかこっち来たんだけど」

「ゆぁたむが指差したからじゃね」

「ウソー。AIくん、怒った?ゴメンって」


《特別メニューヲ、オモチシマシタ》


子供のような高い機械音声が響く。ガシャ、とロボットの機体に取り付けられた扉が開く。そこにはラミネート加工されたペラペラのメニューが2枚あった。

「おっ、これはファミレス名物間違い探しじゃん、懐かしい。でもこれキッズメニューなんだけど?」

「まあウチら社会的にはまだキッズの範疇だからじゃね?でもわざわざこんなもん別で持ってくるかなあ」

そう言いながらみぽちが自分の分のメニュー表を裏返すと、本来間違い探しのイラストが載っている筈のそこには何もなく、真っ白な裏面には透明なインクでメッセージが記されている。一見すると何も書いていないように見えるが、眼球を左右それぞれ微妙に焦点をずらし特定の眼筋に力を込めることでぼんやりと文字の輪郭が浮かび上がってくる。


 


「……なあ、今年の8月末の土曜ってなんの日か知ってる?」

「うん?知ってるよ、みぽちの誕生日じゃん」


みぽちはその言葉を聞いた瞬間、テーブルにセットされたカトラリーケースからステーキナイフを掴みゆぁたむの眼球めがけて突き入れた。咄嗟に顔面を庇ったゆぁたむの手のひらを貫通して突き刺さったナイフの先端が脳幹にギリギリ到達したお陰で無駄に暴れられる事もなく無力化に成功する。


「スワン様活動3周年記念の43日前だよ、ボケ」


スワン様ガチ勢のゆぁたむならそう答えるに決まっていた。誕生日のような事前に調べがつく事を真っ先に答えた時点でこの女はゆぁたむになりすました偽物だと判断したのだった。


***


忍者の死因は他の忍者による殺害が8割を占める。

残りの2割に病死とか自殺とか原因不明の死が詰め込まれている訳だけど、大昔は訓練中に死んだり栄養失調で死んだり毒味をやり過ぎたりする忍者がもっと多かったから割合も違ったらしい。どんだけブラックな環境だったんだろうと思う。

現代の忍者は普通に学校にも行けるし忍務も昔ほど多くない。でもたまに舞い込んでくる命令は絶対であれこれ考える前に体が勝手に最善の行動を取ろうと動く。忍務を拝命した直後の、この自分の頭がガンガンに冴え渡っていく感覚が好きだ。

ゆぁたむを、いや、目の前の女を即座に殺した私の判断は正しかったようだ。目の前で机に突っ伏している女の容貌がみるみるうちに変わっていく。ここまで精度の高い変わり身の術が出来ているという事はおそらく本物のゆぁたむは始末されているのだろう。髪を掴んで頭を上げさせ、女がさっきまで触っていたスマホの顔認証を通そうとする。傷口から流れる血が顔を濡らして邪魔をしたがおしぼりで拭ってなんとか認証を通すことができた。その直後スマホが異常な熱さを放ち始める。ユーザーの生体反応が止まれば超急速放電により物理的なデータ破壊を行う仕組みのようだったが、私は1秒間で300文字のスワイプ入力を可能にする忍技を習得していたので壊れるよりも早く必要な情報を取得することが出来た。メッセージや連絡先などの履歴を確認するとどうやらコイツの仲間の忍者はあと3人いるらしい。どこに所属しているのか、雇い主は誰か、私を殺す目標の裏にある目的までを確認する時間は無かったが支障はない。窓の外の植え込みにスマホを放り投げた。数秒経ってボンと控えめな破裂音が鳴ったけれど往来の喧騒の中では通行人の誰ひとり気付きはしなかった。

店内はランチタイムの賑わいの中にあり、ゆぁたむになりすました女がたった今死体になった事など誰も気付いちゃいない。一般人なら女子高生が机に伏して眠ってるようにしか見えないだろう。ただし残りの3人は私たちに注意を払っていたはずだ。耳を澄まして呼吸や心拍数の変化を見せたものがいないか数秒間探ってみたが誰も変わった様子はない。動揺した気配も感じ取れなかったから最低でも忍者学歴高卒ぐらいの経験を持っているんじゃないだろうか。


「お客様、ご注文の品をお持ちしました」


不意にかけられた声にびくりと体が揺らいでしまった。何だかんだ言っても私はゆぁたむが忍びどもに利用された事に動揺していたらしい。超不覚だ。そして私はまだ、なんの注文もしていない。

顔を横に向けるよりも先に刀が振り下ろされた。一振り目はテーブルの下に潜り込んでかわし、向かいの座席に這い上がって二振り目を迎える。ギョン、と鳥肌が立つ金属音がした。防刃加工を施した私のリュックで刀を受けたからだ。リュックは特殊加工された素材で作られており、襲いかかった獲物に刃こぼれをさせると同時に引きちぎれた超科学繊維が絡まるようになっている。その為刀はすぐに引き戻すことが出来ない。一瞬戸惑った店員(の格好をした忍者)の隙を見逃さずリュックの隠しポケットに収納していた十字剣を投げた。剣先は店員に直撃せず顔面を掠めた態度だったが、それをかわした刹那に足元に潜り込み、リュックの別ポケットから取り出した吹き矢を喉元に打ち込んだ。近接戦闘用に調合された毒は自然由来の猛毒を何百倍にも濃縮させており、即座に神経障害を引き起こさせてからの殺害を可能にした。

倒れ込みそうになった店員の腕を掴み、ゆぁたむが伏せている席に引き倒した。捨てられたマネキンのようにぎこちなく硬直したまま2人が折り重なる。

すでに店内は鉄火場と化した。たまたま居合わせたにすぎない一般市民には申し訳なかったが、こちらから早く仕掛けてしまう方が被害が及ぶ可能性も少ない。私は席を離れ、残りの忍びを誘き寄せる為にあえてゆっくりと店内を歩いた。


「ケーキ食べたい!ケーキ!」


先ほどから奇声を上げながらバタバタと手足を振り回して走り回り暴れている小学生ぐらいの男の子が突然足元に滑り込み、駄々をこねる低い体勢のままで私のアキレス腱を切断しようと小型のナイフを振りかぶった。すんでのところでかわしたが足元がふらついて不安定な体勢になった瞬間即座に男の子は弾かれたように立ち上がり、私の耳元に口を寄せる。

「ケェキィィイイィィィイイイイイイァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアア」

超高音波となって飛び出した声はあまりにも高く鋭すぎて店内にいた成人のほとんどは聞き取ることが出来なかった。ただ1人、ほぼゼロ距離に等しい状態で攻撃を喰らった私以外は。

鼓膜が破れ脳の幾つかが傷つき鼻と耳から生暖かい血が溢れてくる。破壊された均衡感覚に眩暈を覚え反射的にえづき鼻血と胃酸を床に散らしてしまった。男の子はその隙を逃さず猛然とした勢いで私に向かう。命の危険を顧みないよく訓練された忍者っ子だ。

咄嗟に私は鼻血の混じったゲロと胃液の水たまりに手を突っ込み、そのまま素早く横に払った。飛び立った鼻血ゲロ胃酸は男の子の目を直撃する。ぐう、と苦しむ声を上げながらも猪突猛進に進み続けた男の子の当て身投げを受け止め、首の後ろに吹き矢の針を直接刺し込んだ。今度は即効性の毒ではなく睡眠薬を塗り込んだもので、期待した通り男の子はすぐに手足をだらりと垂れ下げ全身から力が抜けてしまった。

無理やり失神させたせいかグウグウと太い鼾を立て始めた男の子を傍に抱え、空いていた席に寝かせた。別に情けをかけた訳ではない。ある程度年齢が若い忍びはなるべく生け捕りにする事は忍者学園で習うような当然の常識だ。再教育して自陣に加える事が一般的な戦略となっている。一応この子が子供の姿のまま成長を止めた大人の忍者である可能性もありはするが、今はそこまで確認している余裕はない。

耳から吹き出た血はもう乾き始めている。幸いというべきか出血そのものはすでに止まっているらしい。鼻の中は鉄の匂いに満ちている。多少の貧血に近い感覚は覚えるもののまだ戦える、はず、なのに、気分が、どんどん、悪くなっている。

言い表しがたい怖気と悪寒に包まれ、いっそ吐き出したいのにもう胃の中に残っているものはない。さっきの戦いのダメージを鑑みてもなんだか様子がおかしいと感じた。

傷んだ耳を澄んだ歌声が撫でる。店内BGMにスキータ・デイヴィスの『エンド・オブ・ザ・ワールド』が流れている。カーペンターズがカバーした方が有名だけど、この原曲はお母さんが車を運転する時、よくカーオーディオで流されていたからよく覚えてる。

カバー版も悪くないけど、好きな人に振られた、悲しい死にたいっていう気持ちが表れている原曲の方が親しみが持てる。カレンの歌声はなんだか本当にこの世が終末を迎える時の歌みたいだ。

聴いているうちにどんどん懐かしく切ない気持ちが胸を締め付けてくる。子供の頃に戻りたい。お母さんがいる家に帰りたい。この曲を聴いていると小さな頃の思い出がどんどん蘇ってくる。夏が来る前の風の匂い。秋が深まった時の土の匂い。

この曲……。


この曲、本当にこんな感じだったっけ?


グッと重い頭を上げる。音楽はスピーカーではなく、天井に埋め込まれた業務用エアコンの中から流れていた。懐に忍ばせていたクナイを投げる。送風ファンを突き抜け、奥に潜む歌声の主に命中したらしい。

グェ、と水鳥のような声を最後に歌は止んだ。ポタポタと控えめに血が降ってくる。磁器タイルの床に赤い水玉模様がいくつも生まれる。

どうやら脳内で勝手に補正が掛かるような幻術を仕掛けられていたらしい。歌を使ってくるタイプは初めてだったから迂闊に引っ掛かってしまった。柄にもなく昔のことを思い出してセンチメンタルになってしまった、金輪際同じ手を使う奴が現れないで欲しい。

ともかくこれで3人倒した。人数の情報が敵のスマホにしか入っていなかったから不確かだけど、レストランの中にはもう他の忍者が潜んでいるような気配はない。私があれだけ暴れた後でもお客たちは何にも気付かず食事や会話を楽しんでいる。忍び同士の戦いの速度は民間人の目ではそうそう追いきれないそうだけど、果たして本当にそれが理由なのか、みんな自分に関係のない世界で起こる事に興味がないのか。

ゆぁたむの偽物、店員、エアコンの奥にいる奴。みんなぶっ殺した。この後は何をすればいいんだろう。普通なら後始末に別の忍者部隊の応援が来るはずだけど、それも私が1人でやらなくちゃいけないのだろうか。困ってウロウロと店内を歩き回る。肩で息をしながら歩いている薄汚れた格好の女子高生が近くを通るとみんなが怪訝な顔をする。あんたたちはいつも、自分の気分が害されるか損をすると思った時にようやく私たちに目を向けるんだよな。


《モウチョット モウチョット》


《ガンバーレ ガンバーレ》


店内のどこからか、さっきの白紙メニューを持ってきたAIロボットの声がする。

もうちょっとって言われても。具体的に何を頑張ればいいんだよ。

店にいた忍者はもう全員倒したんだけど………。










すべて。


ああ。そうか。



私はドリンクバーに向かった。何種類もの豊富な飲み物が揃っていて魅力的だ。

カルピスウォーターを氷無しでグラスにたっぷり注ぎ、喉を鳴らしながら一息に飲み干した。ちょっと薄いけれど甘い味が口いっぱいに広がる。

空いたグラスを返却口に返す。ドリンクバーの隣、追加用のカトラリーが種類別に仕分けられている場所に手を伸ばし、ステーキ用のナイフを掴んだ。柄を両手で握り直し、刃先を自分に向ける。

フッと息を吐き、そのまま喉元に突き立てた。


















***

目を開く。

私は最初に座った窓際の席にいた。

ランチタイムに来たはずなのに外はもう真っ赤な夕焼けだ。他の席には誰も座っていない。電気も点いていないので店内は暗く、窓際の席だけが傾く陽の光にかろうじて照らされている。さっきまでの事が夢オチではない事は目の前にいる女が証明していた。

ゆぁたむになりすました女が、微笑みを浮かべながらコーヒーを啜っている。


「お見事。突然の忍務にも対応する速度、近接戦闘での立ち回り、自決が必要な局面における行動の速さ。見事な忍びだ」

「…‥別にそんなん学校で習う基礎のレベルだろ」

「なんでも基礎が強いのさ。初心忘るべからずだ」


女に戦意はない事は感じ取れた。

私の身の回りにも武器になりそうなものは残っていない。こいつのせいでゆぁたむが死んだのだと思うと今すぐに素手でも飛び掛かりたいが、状況がまだ読みきれていないために堪えた。


「で?この店で起きた事はいつから幻術だったわけ?」

「死体の数の真実など君が知る必要はないだろう」

「……ゆぁたむにはいつから成り済ましてたんだよ」


女は微笑みを絶やさない。本当に殺してやりたかったが、忍びとしてはまだ得体の知れない敵の情報を集めるべきだと思いとどまった。


「君はいい忍びだけど、友達の事については随分落ち込んでいるんだね。感情制御スコアでは赤点を出していただろう?」

「うるせーよ」


次に言葉を口にしようとした女の顔は突然蝋細工のようにどろりと溶けた。グジュグジュと濡れた音を立て、肉と骨が混ざりまくっているかと思いきや、なんとあっという間にスワン様の姿がそこに現れる。馬鹿馬鹿しくなるほど整った貌と紫のリップ、名の通り白鳥の羽を盛大にあしらった豪華な衣装。この安っぽいチェーン店にはとてもそぐわない風貌だった。

思わず口は開けっぱなしになり、目を見開いたまま固まってしまった。我に帰って瞬きをした瞬間、そこにあったものは、もう戻るはずのない友達。

ゆぁたむの顔に切り替わっている。

またあの女が代わり身の術を使って私を揺さぶろうとしているのかと激昂しかかった瞬間。


「でもみぽちのそんなところ、好きだよ」


その声を聞いた途端、認めたくなかったが、突然全てに合点がいった。


つまりあなたは。


ゆぁたむであり、スワン様であり、忍務を私に課した者であり。


「みぽちは軽くメンヘラ入ってる寂しがり屋だからさあ、あたしがいなくなったって実感したらダメになるんじゃないかと思ったんだけど、いらん心配だったわ笑」

「うるせえ。誰がメンヘラだよ」

「でも、感情を制御しきれない君だからこそ、新しい忍者を生み出す先駆けとなるのかもしれないね」 


女は優美な仕草でコーヒーを飲みながら次々と姿を変えていく。店員、太った子供、客の中にいたオバサン、そしてカップを置いた瞬間、またスワン様の姿に戻った。

みぽちがあまりにも強火担当だったから言い出しづらかったけど、私も結構ファンだったのだ。…‥でも結局2人とも同一人物だったってことじゃ無いか。


「人を殺す為の道具や戦術は日々進化し続ける。

我々は世に追従しなくてはならない。その為には多くの犠牲を払ってでも本物を生み出す必要があるんだ。時代の奔流にあってもあらゆる困難を乗り越える力を持つ忍び。正真正銘の本物を」 

「結局何が言いてーんだよ」

「みぽちさ〜、ちゃんと話きいて?」


立て続けに変わる声音にどうしても心を揺さぶられる。思わず顔を上げた。

目の前の女、ゆぁたむは自然な動作で私の肩に手を置き、よく見慣れた笑顔を浮かべた。


「初心忘るべからずは世阿弥の言葉だけど、この初心とは自分が進む道を切り開いていく事を指している」

「……ゆぁたむの顔で賢ぶったこと言うなよ。気味が悪い」

「ふふ……さあ、最後の試練だ。みぽち、果たして君は生き延びれるかな」


ぽん、とゆぁたむの首がシャンメリーのコルクのように吹き飛んだ。くるくると回転するそれが床に落ちて、小さく跳ねる。瞬間、ゆぁたむの首は真っ赤になって何倍にも膨れ上がる。自爆の術だ。周囲の空気が一瞬で熱される。壁に掲げられた有名絵画のレプリカを覆うガラスフレームにヒビが入り、蜘蛛の巣の模様が走る。慈愛に溢れた顔つきの天使たちが真っ黒に焦げていく。

私は水遁の術を発動させる為の印を超高速で結びながら、床に持ち物をぶちまけているゆぁたむのスクールバッグに取り付けられたアクリルキーホルダーがドロドロに溶けていくのを見ていた。

とにかく身体中が熱い、自分の手や足も知らず知らずのうちに溶けて無くなっているのかもしれない。そうなっているとしても、今はできる事を全力でやるしかない。


ファミレスで忍者を殺した。

私は絶対に生き延びてみせる。

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