298 進化の系譜 その270
整理した情報の報告をしようと思ったら、捕虜の粗相でやる気がダウゥーーンな従者ゴーレムたち。気を取り直して情報の共有をするべく、従者ゴーレムたちと宰相、各部署の長を集めるのだった……
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──人外レベル5 その33──
「集まったわね?」
そこそこ広いテントの食堂を用いて発表の場とした。室内の四隅には遮音の魔道具を置き、外部に漏れないように処置済みだ。また、テント食堂を使ったのは
「昼までに済ませるから巻きで進めるよ?……そこ、コソコソ話さない!」
……という訳で、複写した書類を全員に渡るまで待つ。
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「渡ったね?……しっかし」
ぐちぐちと愚痴を零し始めるトーコ。ロムは自分なりに整理したつもりだがより整頓された文章を読んでまだまだだなと思う。マリィは……ま、それは置いておこう(苦笑) 以下、抜粋した凡その内容である。
【フロハイランの目的と内容(抜粋)】
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◎現状:人口が年々微増している → 唯でさえ不足している食料・物資が現状では慢性的に不足
◎解決:他国から略奪して補填すりゃいいじゃねぇか!
◎愚考:隣国の「グラン=ド=グラスランド」から略奪計画を立てた……が、我が国から直接手を出せば全面戦争に成りかけない……。ならば、新興国である「ツ・バレイ」を占領し、そちらから侵略すりゃいいじゃないか!
◎実践:地下を掘り進んで潜り込もうとしたら隣接しているダンジョンにぶち当たった。だがそこから内部に潜り込め、ダンジョンを経てツ・バレイに潜り込めたらしいが……。どうやら第1陣は侵略に失敗したようだ!
第2陣は地上部隊を展開して徹底的にぶっ潰すことにした。だが、3千の地上部隊に10の地竜、虎の子のドラゴンすらも……逃げ帰って来たのは能無しの指揮官以下僅かだと!?……ふざけるなっ!
第3陣……とはいったものの、ロクな戦力が無い。ツ・バレイの女王は第1陣の時に殺したと報告があったと聞く……ならば、重臣共も全員を抹殺して占領下に置くしか!
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訊き出せたのはこれくらいか。にしても……
「フロハイランってのはロクでもない国だね……」
〈〈〈本当に……〉〉〉
「「「ですな……」」」
重い、重い溜息(ゴーレムは息をしてないので振りだけ)が、室内を流れるのだった……
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国民も似たような性質なのか。それとも、上層部だけがこんな悪魔なのか……それは潜入して偵察してみないとわからない……
※グラスランド領主に訊けばわかるかも?……と気付くのに、数日を要したけど(苦笑)
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