286 進化の系譜 その258
敵国「フロハイラン」の擁するドラゴンに急襲されたツ・バレイ城。余りにも早い到達で城は滅多打ちにされ……各種防護施設も破壊されて当初の予定通りに稼働はできなかった……
トーコたちが侵略部隊を返り討ちにした後に城へ舞い戻った時には、既に城が存在せず……瓦礫が残されているのみであった(無論、勝利の雄叫びを上げているドラゴンは、逆上した
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──人外レベル5 その21──
トーコ以下、必要最低限の人員を最前線に残して城へと帰還したのだが……
「女王陛下、興奮を静めて下さい。我らが近寄れません……」
という宰相の声で、トーコは何とか昂った心を静めようと努める。
「……敵、は?」
〈ドラゴンならそこよ〉
ぶっきらぼうにいい捨てるトーコ。視線の先を見れば、沸騰したらしい肉や焼け焦げた骨などが散乱していた。普通に解体すればいい値が付くだろう竜種の素材は……
〈これまた……せいぜい、半値が付く魔石くらいじゃないか?……売れそうなのは〉
レイジが視るだけでズタボロの残り物を鑑定した結果を呟く。
〈仕方ないでしょ……あんだけ苦労して創り上げた城をボッコボコにされてたんだもん!〉
いや……フェニックスの恰好でそれいっちゃう?……と、マリィが吹き出しそうになってるし!(苦笑)
〈それはそうと……いつまでフェニックスの恰好でいるでゴザルか?〉
ロムの、余りにも真っ当な問いに、仕方ない……と、トーコは瓦礫の陰に入り、人化の術を起動して着替えてくるのだった……
※メイドさんたちはシェルターにまだ残っているか、国外に逃亡したので
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「お待たせーー」
〈んーー?〉
マリィが前後左右からトーコの恰好を見て……ダメ出しをしている(苦笑)
「しょ、しょうがないでしょ!……一人で着付けなんてしたことないんだし……」
それはそうだろう。女王ともなればお付きのメイドに着飾ることは勿論、風呂も食事も誰かしら傍に居て世話を焼くのだ……尤も、ゴーレムのメイドは創ってないので、王都から来たアンドロイドメイドが全てをこなしてる訳だが(苦笑)
〈では、そろそろ瓦礫の下に埋もれてるシェルターを何とかしますか……〉
という訳で、役割分担を話し合っている各部署の長に指令を伝達することになったのであった!
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トーコ「力仕事は各騎士団と衛兵団ね」
各長 「……は!」
トーコ「瓦礫の撤去と運搬もやって。分解と建材への再構築はこっちでやるから」
各長 「……は。魔力は保つのでしょうか?」
トーコ「大丈夫。少し休めばすぐ回復するから」
各長 「了解しました……行くぞ!」
他大勢「「「応!」」」
という訳で、瓦礫置き場と建材置き場をロムたちが整地して空け、その間に魔力カートリッジを余分に創造するトーコだった……
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