224 進化の系譜 その196

 6層から7層への階段の途中で小休憩を取り、そこでメモを書いていた。5層の難易度見直し。6層もだがそれはあのままでいいんじゃないか? と意見が出た。対策のブツを売る店を置いてはどうか?…ということだが。他にも休憩所を設置するなど意見も出たので戻ったら会議を開いてみようと思った。

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──人外レベル4 その21──


「んじゃそろそろ行こっか?」


〈〈〈応(でゴザル)!〉〉〉


 階段を降り切って通路を歩くと…そこには7層のダンジョンが…あれ?


「外に出た……訳はないか」


 7層はオープン型のエリアだった。疑似的な空が広がり……太陽すら燦々さんさんと輝いてる訳だけど……しかも潮風が……は?


「潮風って……まさか海が?」


 6層からの階段通路から出ると此処ここは高台の上であり、後ろを振り向くと……


「崖の途中か……えっと、千里眼クレアボヤンス


 といいつつ……実はスキルでも魔法でもなくて、水操作で望遠鏡代わりのレンズを作り出すコマンドワードだ。いちいち空気中の水分を凝集して水のレンズを作り出すのが面倒だったので、コマンドワードで自動化してみた。傍から見るとまるで魔法だよね(笑)


※水魔法の応用なだけです(苦笑)←トーコ本人だけ気付いてないけど、魔法創造と同等で天才でも極限られた才能を持つ魔術師でしか扱えないといわれている(現代人の柔軟な頭を持ってないとできないかも知れない……)



〈何か見えたでゴザルか?〉


 ロムが待ちくたびれたのか訊いてくる。


「あ、あーー、ごめん。海だわ……思いっきし海が広がってる!」


 立ってる場所を譲って見せてあげると、初めて見たんだろう……言葉を失って固まっているロム。後ろから他連中が背中を突いて、それに気付いて場所を譲っている。後は同じような反応を示す従者ゴーレムたちだが、何だか微笑ましい……


〈でっかい水たまりでゴザル!〉


〈いや、池だろ?〉


〈マスターがいってたじゃない……あれが海だって〉


〈知識としてはしょっぱいらしいですが……僕たちは味覚ないからわかりませんね……〉


 ロム、カルス、マリィ、レイジがそれぞれ口にしてるけど、まぁ食べ物を食べられないゴーレムだから塩なんて物質でしかないよね。つか、ロムとカルスってやっぱし脳筋な考え方なんだね……


「取り敢えず、7層は海が大部分なのかぁ……海賊でも出るのかな?」


 ゴーレムたちは重いから浮かないし、あたしも空気が無いと動き辛そう……多分、呼吸しなくても死なないだろうけど、まだ生身のつもりだから……ねぇ?


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 トーコも比重が生身の人間より重くなってるので沈みます(苦笑)

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