114 進化の系譜 その94

 冒険者ギルドを出たら白金貨狙いのチンピラに襲われ……両替に商人ギルドに行くと贋金か偽貴族かと疑われ……。いや、最終的にお金も自分も無事だったからいいんだけどっ!

 貨幣だけど、白金貨とんでもねぇっ!……4枚で1億円ですよ。いちおっくえーん!

 異世界にも貨幣そのもの以外でも日本でいう通貨はあったよ……イエン(I¥)っていうんだけど……

 日本円を、そのままイエンと置き換えるだけという……異円イエンなのかな?(安直)

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──面倒だから円で押し通すか……orz──


(うむむ……口座も現金もものすげぇ増えた……)


 具体的には1億円ちょい……億万長者だ!……と、わざわざ叫ぶと命がヤヴァイので黙ってるけど。何故ならば……白金貨4枚(=1億円)貰った直後に冒険者ギルドを出たらチンピラに襲われたし……人間の命、むっちゃ軽いよね……


 まぁ、そんじょそこらのチンピラだと返り討ちだけども! それは兎も角……当分の生活費も確保できたし、トーコ=バレイことトーコ……あ、あたしの名前ね?……は、まずは自治領というか持山の改善を開始するのだ!


 関係ないけど、貨幣の呼びは銅貨とか銀貨だけど、その価値としての通貨単位は


「I¥(イエン……異世界円だから異円かも?)」


 と読むんだけど、日本円と同価値だそうで……あたしの中では面倒だから日本円、若しくは円と略すよ。この世界の人とのやり取りでは「I¥」で表すかも知れないけど……ね。


※物価とか違うので、地球と異世界とでは同じ商品でも同じ値段とは限らない

 作るのにほぼ家内制手工業みたいなもんなので、衣類なんかは高いし量産が効く物はそこそことなる

 産地の傍では安い食料(海辺の魚とか)でも、遠い地では高額になるとか……



「まずは……」


 外壁を創ろう。この山は地図を貰ったんだけど、割とふもとまで所有地とされてるみたい。街道の名残のような馬車道は……元々はグラスランドの町の所有だったんだけど今はあたしの所有だ。……つまり、私道みたいな扱いということで、行き来する者が居たら使用料を設定して徴収していいことになってる。尤も、今は柵すらも無いので自由に行き来し放題だし……仮に使用料を設定しても徴収のしようがない。


 そんな訳で、まずは領地の境界に壁を作ろうと思う……あ、山を迂回するように通っている街道はグラスランドの町……ではなく、国有って聞いている。国の名前って何だろう?(そーいや聞いてないなぁ……)



「ロッ君。護衛で付いてきてくれる?」


ま゛っ


「ロックホースも馬車回してくれるかな?」


ぶるるっ!


 命令というかお願いに近いんだけど、ロックホースは荷馬車から幌馬車にジョブチェンジ……ゲフンゲフン、幌馬車を自主的に引っ張り出してロッ君に手助けして貰いながら自らを幌馬車と合体……いや、荷馬車と同様に色々と接続した。ちなみに、口頭での命令を聞いて自らの意思で動くので手綱たづなはほぼ飾りだ。今回の役割としてロッ君は護衛なので、幌馬車の横で徒歩移動をしている。移動中、何かあればすぐ迎撃に出る為に馬車には乗らないって訳だね。


「お水も持ったし、出発!」


 食料としての水を、水筒代わりの革袋に。何かあった時の為に水操作スキル用の水満載の水瓶を荷台に積んで木小屋ログハウスを離れるトーコとロッ君&ロックホース。


ごとごとごと・・・


 足音はしないロッ君と、同じく殆ど足音を立てないロックホース。音を立ててるのは荷馬車……もとい、幌馬車のみという……。そして、やや踏み固められた馬車道を進んだトーコたちは麓の境界線があるであろう部分(見えないけど)に到着する……


「この辺でいいかな……と、土壁アースウォール!」


 と呟く。


ずずずずず・・・・


 左右に凡そ100m、厚さ50cm、高さ5m程の硬質な土壁が数秒で構築される。


「……うん、大して消耗は無いね。じゃあ……」


 と、まずは右へと馬車が通り易いようにと踏み固めただけの道を構築しながら、50m先の土壁が途切れた境界線へと向かう。道があれば巡回警備する時にも楽だよね!


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 以降は50mづつ継ぎ足し(左右に50mづつの100mが限界だったらしい)つつ、境界線の土壁を構築しました! お山の境界線をぐるりと土壁で囲った後、残った魔力の半分をぶち込んで地面を貫通させて固めたとさ……。え?……あぁ……崖の下とか届かない部分は今回は省略した。後日、降りてって改めて土壁を構築した。まぁ、ロッ君の腕に座って降りて貰えば楽だし!(今回は魔力が余り残ってなかったので省略したけど)

※後日判明するけど、北側は地図通りに土壁を構築したけど南側はまだ先までが所有地だったていう……

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