第36話 ど、どすべり
ーside アクシアー
「アクシア!今のは?」
「うー……」
家族に青龍様と時空の狭間について話しているところを見られた俺。迂闊だったよー。
「時空の狭間に……つまり天界の近くに行ったことがあるのか?」
「うん」
「何と言うことだ」
パパは天を仰ぐ。
驚かせてしまったようだ、ごぺんなさい。
「なーんちゃって……えへ」
俺は一旦可愛く照れてみる。一旦ね。
………。
……………。
どしらけてしまった。あたりには沈黙した雰囲気が流れている。
「無理か」
「流石に無理だぞ、お主」
「無理ですねえ、滑ってます」
「……ぐはっ」
白虎さんにトドメを刺される。事実は人を気づつける事もあるんだぞ。
それはそれとして、パパがさっきからなーんにも喋らない。どうやら、まだ混乱をしているみたいだ。
みんなパパの様子を伺っている。
お、やっとこっちをみた。
「神の愛子とは此処とは別の世界で生まれ育たものが転生して生まれてきたもののことを言う言い伝えがある。まさかアクシアが本当に神の子とは」
な、なんだってーー!そんな言い伝えがあったなんて知らなかった。
「あなた」
「うむ、分かっている。我々の知らない様々な知識、神獣を従えている事から想像はついていた」
パパとママは薄々気づいていたみたいだ。
やっぱりこれだけやらかしちゃうとね、知らんぷりも出来ないね。
「思いっきし知らんぷりしようとしてただろお主」
「悪びれもせず、堂々と速攻でなーんちゃってとか言ってましたもんねえ、あの滑り具合1000年経っても忘れる気がしません」
「そんな長きにわたって俺の真っ黒歴史覚えてるの嫌すぎなんだけど……」
ぐぅ……一時の判断ミスが一生擦られ続けるネタになってしまった……。
まあ、そー言う時もあると思います。
「うー……パパ、ママ兄さん達ごめんね…今まで黙ってて」
ここは誠心誠意謝りましょう。最初からこうしていれば色んな意味で傷口が広がらなかった。
素直って大切。人生二周目だけど勉強になるー。
「全然大丈夫よ。アクシアはアクシアだもの。あなたが何者であってもあたし達の大事な子供だわ」
「そうだぞ、別にお前が神の子だからといってこれから何かが変わる事もない。今まで通り自由に生きてればいいんだぞ」
そう言って2人はしゃがんで俺を抱きしめてくれる。
な、なんていい両親なんだぞ!?
「う、う、ふぇーーん」
思わず、感動して涙が出てしまった。
よしよし、とみんなに慰めて貰いながら、その日の遊びは終了したのだった。
ちなみに、フリスビーは後日新しく作ってプラスチックの性能テストを兼ねながら楽しく遊んだ。
また別の日にはケロベロスさんが時空の間にあったフリスビーを届けに来て、家の中が大騒ぎになってしまったのだった。ありがたやー。
何はともあれ、ボールやアクセサリー、フリスビーなどの製品がしっかりと性能テストをクリアしたため、我が家はプラスチック事業は好調にスタートしたのだった。
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