自分の遺書を作成したいので、仲間達の遺書を参考にします

bbキャンセル君

エントリーナンバーJ,U

「なあJ、遺書って書いてる?」

「んー書いてるよ、なんで?」

「そろそろ俺も書いとこうと思ってさ」

寝転んでいる彼女は僕が書いてないことに驚き、笑った。

「それがいいさー。人生なんていつゲームオーバーか分からないからね♪」

起き上がり、部屋に戻っていき、紙束を持って帰ってきた。

「なんだ資料か?」

「何言ってんの?この流れからして見せる流れじゃんか。遺書を」

はあ?

どう考えても資料だろそんなぶ厚いの、誰が全文読むんだよ。

ずいっと渡され

「参考にしてくれ、ざっと数えて70枚ある」

どれだけ言いたい事あるんだよ。とツッコミながら

見ていく。


"この文章を見ている皆様へ

これを見つけた時にはすでに、人生ゲームから脱落していると思います。

それを考慮して遺書を書きました。


私のお葬式は家族葬がいいです。皆鳴いて下さい"

「ちょっと待て、お前家族いないだろ・・・というか誤字ってるぞ。なんだよ鳴いてくださいって・・・人間はセミみたいに鳴かねぇよ」

「痛いところを・・・・まあいいじゃないか、夢を抱いた方が勝ちなんだぞ人生は」

ふーん

続きを見る。

"最近上司がパチンカスだって事が分かりました。幻滅しました。

元から嫌いだったので関係無いですが。

あと私は、よく半裸で寝ます。半裸で寝るのは気持ちいいです。冬はさすがにしませんが"

「お前それ社員旅行ですんなよ?」

「分かってるわ」

次のページを、軽々めくるとそこには・・・・


"うんこ"

一ページ丸ごと使った一言がコレである。

ページをバタンと閉じ、彼女に投げつける形で返す。

「もういいわ」

「なんだ、もういいのか?」

「ああもういいんだ。なんか今凄く低脳な文を見た気がしてな」

「へぇー可哀想に」

「後68ページもあるのかって思うと吐き気がしてきた」

「辛口コメントで泣きそう・・・あっそうだ、Uの所にも行ってみたら?アイツも遺書を書いてるみたいだし」

「ああそうする、・・・・もうビデオでいいだろこんなの」

ふらふらとこの場をたち去る。


「なあU。ちょっと遺書を見せて欲しいんだけど」

理由を話して、承諾を得る。

「コレだ」

「Web?」

「そうそう、サイト式で遺書を書いたんだ」

スクロールして見ていくと、黒と白を基本にしてお葬式感が漂う感じなのに

大人っぽく見えて、中身もスッキリとまとめられていて良い。

見ている側も苦にならない。

「へぇーいいな。斬新で。でもこれどうやって人に継ぐの?」

しばらくの沈黙から察しれるのは、サーバーにも上げてない事だけ。

「USBに入れてある」

「ほう」


案外まともだった。


「なあパソコン持ってない人がいたらどうするの?」

彼から放たれた言葉は


「シね」


だった。


てめぇ・・・、自分の都合が悪くなったら4ね4ね、言う癖をやめろって前から言ってんだろ。


「遺書を書いたら、お前をしばいてやる。覚えておけよ自称webデザイナー」


睨み付け、この場を去った。






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