フェミニズムとの離別

 女らしくと強いられたくない

 女子力高いと褒められたくない

 歩く女性器と思われたくない

 女だからと低く見るな

 違う生き物として見るな


 隠されていた枕詞は

 「僕だって男なのに」


 胸の中に嫉妬の巣を見つけてしまった僕は

 「女を馬鹿にするな」ともう叫べない

 僕はその主体ではない

 女の怒りは女の手に


 僕は僕だけの孤独な怒りで

 向こう岸を眺め遣る


 男と女の間の断絶

 その谷が険しく深いほど

 僕らは窮屈な箱に押し込められる

 動かせない手足は変形し

 青空を見ようと首を折る


 どうか谷を狭めてください

 細い吊り橋では足りない

 地続きの大地をください

 岩壁から人工の陸を延ばして

 それでも残った細い溝は

 僕の身体で埋めましょう

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