漂流

いくのかと思うと ひどく不安で

このまま どーにかなってしまいそうで

でも目をつぶって静かに

沈んでいくと 海も 空も

宇宙も 地球ほしも 僕を包んで

くれたので安心できて眠くなった


気がつくと 目が覚めると

街中の人ゴミで立ちつくしてて

にぎりしめた手のひらを そっとひらくと

桜の花びらが 一枚ひらりと

こぼれおちた


桜の木の下で

花びらの嵐に溺れて

抗うことも 泳ぐことにも

疲れて ただ 漂って


顔をあげると 海と空の青が

とてもとてもキレイにひろがってました


溺れているあいだに

嵐はすぎてしまったようです


海をただよっていると 海と空と僕の境界線はなくなって

存在というもの自体が曖昧になって

僕はどこまでも流されて

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る