情報集めはレスバから


「そう、犯人は現場にもどる。レスバ以外の方法はないわ!」

「なんでそうなる?!」


「まぁまぁ。ミヤマの話をまとめると、イルミネイションの旗を飾ってるサイコパスとネットで出会った。――ってことで良いのよね?」


「あぁ、そうなるのかな?」


「で、ヤバすぎて通報しても~ってことでしょ?」

「わかってるじゃん。なんでそこからレスバになるんだよ」


「ふっふーん。SNSを急に断つと、人間は禁断症状を起こすわ。かならずアカウントを作り直して、ネットの世界に舞い戻っているはず」


「それな」


「そうなると、ヤツは以前より過激な言動をしているはず。きっと探し出せるわ」


「でもなぁ……ガ◯ジは殺処分すべき~みたいな割とヤベーヤツだったから、あんま関わりたくないんだけど……」


「私の思った以上にやべーやつじゃん」

「だろ? できればさっさと警察に確保してもらいたいんだけど……」


「ミヤマの千里眼でたどり着けたこのサイトだけだと、証拠としてはちょっと弱いんだよな。ちょっとパソコン使えるやつだったら、こんなのすぐ作れる」


「そう、だからレスバなのよ!」


「えー?」


「ミヤマがそのサイコパスおじさんにレスバを仕掛けて、千里眼で証拠を集めれば……きっと警察を動かせるくらいの強い証拠が手に入るはずよ!」


「……薫お前、ちょっと楽しんでるだろ?」

「ソンナコトナイヨー」


「でも、俺も薫の言うことは一理あると思うぜ」


「黒井まで……またレスバするにしても、ダミーはどうするんだよ」


「うーん、なんか適当な悪人の家に設定するか? そう言えばこないだ、車をブッ壊して保険金を不正請求してるので話題になってた中古車販売の……」


「それ以上いけない」


「まぁまぁミヤマ、考えても見ろよ。サイコパスおっさんも、一般家庭はともかく、さすがに会社の社長は相手できないだろ? もし何とか出来たとしても、世の中がちょっとキレイになるんだから、良いじゃないか!」


「人の心とか、お持ちでない?」

「ミヤマにだけは、言われたくないかな。」


「まー……うん。もし社長の家に凸って、そのまま捕まってくれりゃぁ、こっちとしても楽だし、それで行くか」


「よし! もし発覚したら、全部ミヤマの指示でやったことにするわ」

「てめぇ!!」


「うんうん! きっとうまくいくわ!」


「しかしまぁ、情報集めがレスバって……まぁ、やってみるか」

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