すべてを見通す「千里眼」でレスバした相手が闇の政府でした。~超能力でレスバ無双して顔真っ赤にさせて遊んでたら、何かすごいのが出てきたんですけど? 多分、俺死ぬわ。~

ねくろん@カクヨム

スキル「千里眼」

 俺、「御山みやま御舟みふね」はごく一般的な高校生。

 そんで……超能力者だ。


 超能力って言っても、そんな大したことはない。


 眼の前のやつを「オラオラオラ!!」ってぶん殴ってくれる筋肉モリモリマッチョマンの変態が背後に立ってるわけでもないし、念じた瞬間、人間を潰れたトマトに出来るようなやつでもない。


 俺の超能力は「千里眼」。


 この力がどういうものかというと、ネット、電話、手紙、何かしらの接点を持った相手の周囲を見ることが出来る力だ。


 例えばそうだな。

 スマホで通話してる相手が、今どこにいるのか?

 それがすぐに分かる。


 電話で話していると、その人の周囲の風景が俺の右目の中に映るのだ。

 友だちとの待ち合わせには、メチャクチャ便利な力、それが千里眼だ。

 

 あぁ、他の使い道もある。

 というか、最近はもっぱらこっちの使い方がメインなのだが。

 この力はあることに使うと、ヒジョーに役に立つ。


 そう――レスバである!!!


 通話みたいな直接的なものでなくても「接点」は発生する。


 俺はSNSなんかのレスにいいねを押すと、それだけでも「接点」と判定されるようで、相手の周囲が見えてしまうのだ。


 俺はこの力を使い、フェミニスト(笑)、アーティスト(笑)、軍事専門家(笑)、活動家(笑)……。


 自称フェミニストの白馬の騎士気取りが、チン凸希望の50台無職男性だったり、活動家様が、現地でボランティアとか言ってるくせに、涼しい室内でせっせと画像検索にいそしんで、活動を捏造してるのをさらしたり……。


 そういったといった有象無象の連中と、ネットで日々聖戦レスバを繰り広げ、相手の顔を真っ赤にすることが、俺の人生の喜びのすべてだった。



 そう、あの時までは――


「おい、何だこりゃ……?」

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