第3話 ありすさんからのメッセージ
今日も八月の晴天。とのかく暑い。まぁ慣れた時期だからそれほど余裕が無い訳じゃない。警備のバイトと言っても交通誘導で今作業している現場は通行止めの工事をしているけど、工事しているのが通行止めの看板から10mくらいの場所、誰の目から見ても工事で通れないと言うのは分かる。それにう回路は簡単だし、隣の道を使えば良い。警備のバイトと言えばそんなものだ。
わたしの~♪
携帯電話の着メロが鳴る。
仕事の準備を終えた俺は中折れ式の携帯を開き、メールの内容を確認する。
アリスさんからだ。
お仕事頑張って!!(^^)!
短い文章だけどこれがうれしい。
ありがとう。頑張ります。
工事開始の時間の九時が来る。さぁ仕事の始まりだ。通行止めの看板を出して通行動止めを開始する。
・・・暇だ。
ALICEで作る予定の曲、バラードをどう言う風にするか考えよう。
基本的にはバラード調。
基本的にはとか調とか弱気になっている。
バラードを作るのに調とか基本的にはとかはいらない。
こっそり鼻歌では歌ってみる。
だめだ、リズムになっていない。
でも自分の中で何かできそうな気がする。
おっと車が来る。
現場が車から見えると楽だ。
頭を下げて、赤い旗を振る。そして白い旗で隣の道を指した。
車はう回路に向かって走り出した。
わたしの~♪
メールの着信だ。車はいない、現場の目は無い。
携帯を取り出して、内容を確認する。
アリスさんからの着信だった。だけど文体が違う。
ALICEを助けてください。あなたには多くを背負わせますが、あたなの元に行くのALICEのした選択です。どうかかなえてあげてください。詳しくはあなた宛てへ送ったノートパソコンに書かれています。これはたぶん、あなたに送れる最後のメールです。どうかALICE救ってやってください。
僕はあわてて返信をする。
アリスさん詳しい話を聞かせてください。
アリスさんからの返信は無かった。
と言うよりも送信相手がいませんとメールアドレスが停止されている。
一体アリスさんに何があったのか?
現場は九時に始まったばかり、早く仕事が終わらないかな?
仕事をできる精神状態じゃないけど、早退するわけにはいかない。
それからはアリスさんの事で頭がいっぱいだった。
メールアドレスを停止したり、いきなりノートパソコンを送って来る様な人じゃ無い。
それに住所も教えていないのに、物を送り付ける事ができる訳もない。
謎が不安を呼び、不安が心配を呼び寄せる。
いたづらと思いたいけど、いたづらにしては手が込んでいる。
早く帰りたいとそれを強く願うのだった。
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます