第11話 疲れるやつ
「自分のことばかり」というのは「自分が他人からどう見られているか」「嫌われていないか」「他人の目にみっともなく映っていないか」などという幼児・小学生時分から育成して来た、自らの心の基盤であることは云うまでもないが、俺の場合はとにかくそれが過ぎるようなのだ。これが他人の目には好意の強要と映り、幾許もなく「疲れるやつ」となり、仕舞いには「他人の眼ばかりを気にしている臆病者め」とでもされて、弾かれるに至るわけである。しかしそうなったらそうなったで俺は畢竟萎縮し、いじけて、挙句自棄にもなってしまう。すなわち自らを(これを敢て換言すれば「他人との関わり」を)放棄してしまいがちになる。もがけばもがくほど深みにはまってしまうという蟻地獄、つまりは自らの内における悪循環の中に落ちてしまったのだった…。
さて、ここらあたりでようやく冒頭の、異名が180度変わってしまった由来に、このころ起きた2つの出来事の述懐へと戻れるようだ。すなわちボタンの掛け違いを必死になって仕出かしていた時分のエピソードへと。これを以下に章を変えて執筆し行こう。
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