恋は呪い

青泉

エピローグ アガパンサス(愛の始まり)


20XX年


恋愛によって死に至るニュースがこの世界に流れ始めてもう何年経つだろう。


「ホントの恋を見つけ出し、皆さんでこの世界を変えましょう!!」


偉い人がそんなこと毎日SNSやニュースで言ってた頃だ。


もう恋愛は懲り懲りだと思ってた矢先にこんな非現実的な事を言われても正直実感が湧かないのが今の自分だ。


最後の恋愛をしたのは……

あぁ、あの時だな。確か…… あの熱い夏の夜だ。

なんだったかな。昨日の事も曖昧に覚えてるのにさ。覚えてるわけもない。


でも、確実に覚えてる言葉。

それは……。


「もう少し女らしく出来ないわけ?」


この言葉は傷のように残ってるし覚えてる。


女らしさ?なにそれ?

貴方にとって私は飾り物かな?って思った。

いや、貴方は思ってたでしょうね。

会う度、服装・髪型・香水の確認や、ピアスまでも。

もううんざりだった。


こんな事が恋愛と言えるのかは一目瞭然。

みんな揃えて言った。

「別れて正解。」


そんな最悪な恋愛をしたせいか、恋愛に関してどうでも良くなったのに。

今、世界では【恋の呪い】という現象が起きてるそうだ。


この時の自分は全く関係ないと思ったがこの【恋の呪い】に関して関わるようになったあの時、絶望という言葉を知るのはとあるネットニュースを見たあの日だった。

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