第9話 最強巫女マーシャ

僕は少し頭の中を整理した。風鈴はしゃべる。風鈴は、リナとミクに”味方です”といったようだ。そうすると風鈴とリナ、ミクの電磁波はつながっているはずだ。これは異世界人特有の能力だ。風鈴を追跡できる。僕は自分の異能に目覚めてまだ1日もたっていないのにすごくさえてきた。”使える”『ヒカル、それだよ。その感覚だよ。』『シガ、また、勝手に頭の中に入るのは、よしてくれ。』『ヒカル、いい加減慣れろよ。』『シガ、頭の中に入られるのは、苦手だ。突然ワーッと驚かされた感じだ。』『まーあ、いいさ、そのうちに慣れるさ。』『そうだな。』ミクが「悪いけど、巫女のマーシャに会ってくれない?マーシャが呼んでるの。マーシャは口が悪いけど気にしないでね。」僕とシガは、顔を見合わせた。そしてシガは変身した。「これでいいかな。ヒカル。」「いいと思うよ。」シガはあのイケメンの人間の姿だ。「ミク、問題ない。連れて行ってくれ。」僕らは社の奥の間に入って行った。和風のふすまを開けるとそこは、えっ?洋風のフローリング。リビングにソファー。天井のキラキラのシャンデリアがやたらデカい。「ここは?」本当に神社の社の中なのか?そして”いたー”すごいオーラをまとったマーシャがそこにいた。銀色の輝く長い髪。ブルーの大きな瞳。そして薄紫の着物をまとい、一番大きなソファーに左足にギブスをして座って僕たちを待っていた。「こんにちは。ヒカルです。」挨拶は大事だ。先手必勝だ。マーシャは、ミクが言っていたように気が強く、口も悪そうだ。こわいな。だが、意外と若いな。それにとてもきれいな人だ。30代だろうか?勝手にお年寄りと決めつけていた。『こらー、誰が年よりだと。』突然、マーシャの声が頭の中に飛び込んできた。「わあー、ごめんなさい。」3人ともびっくりしてシガが「ヒカル、どうした?」リナが「ヒカル君大丈夫?」ミクは「ヒカル、急に大声出すなよな。」「わるい、ちょっと声が聞こえて。」3人はハモって「声?」ミクがマーシャの方を見た。マーシャ、ヒカルは異世界人って自覚して、まだ丸1日もたっていないんだから、おどかしちゃだめだよ。」「これは、悪かったね。君が、とてもナチュラルに多種多様の異世界の電磁波をまとわせていたから、つい、頭の中での異世界人同士のスタンダードな会話をしただけだ。しかし驚かせてしまったようで、わるかった。すまない、ヒカル。」僕は、まっすぐにマーシャの目を見て「大丈夫です。僕こそ大きな声を上げて申し訳なかったです。僕は、ヒカルです。あなたが巫女のマーシャさんですか?」「はい。そうだ。マーシャと呼んでくれ。そしてヒカルの隣、君は夏の異世界人だね。」「はい。そうです。防衛隊所属のシガです。」「防衛隊所属?司令官のテックは元気かい?」「はい。マーシャは、僕の司令官をご存知なんですか?」「あー知っているよ。だって彼は、司令官のテックは私の弟だからな。」シガがとても驚いた様子で。「テック司令官のお姉様とあらば、命令には、逆らえません。」マーシャは、嬉しそうに「そうか。そうか。」とソファの肘置きをたたいた。僕はマーシャに「マーシャ、本題です。風鈴はなぜ盗まれたんですか?そしてそれは、今どこに?何か心当たりはありませんか?」「あるよ。」僕は頭の中で犯人がわかってるんだったら、早く教えてよつぶやいた。「ヒカル、言いたいことがあれば、ちゃんと言いなさい。1人でブツブツ言うやつは女にモテないぞ。僕は即「大丈夫です。」ときっぱり。「そうか、ヒカルは変わらないな。」えっ?聞き返そうとした時、シガが「マーシャ、犯人は、夏の異世界人ですか?」「その通りだ。なぜわかった?」シガの顔がキリッとした。「ミクをさらって地上に連れて行き、そこでマーシャに見つかりミクを奪還される。その後、犯人はあなたに大けがをさせて、リナとミクにマーシャのケガを治せるのは”あの風鈴で時間を止める”のが一番だ。盗めば、マーシャの足は治るぞ。と吹き込んだ。そして今に至るって感じですかね。」「シガ、君は頭が良い。その通りだ。そしてその犯人を私は知っている。私の同級生だ。学生時代は首席で卒業した秀才だった。しかし彼は、頭が良すぎる上に欲深い、それに地上人のような思考も持ち合わせていた。たぶん、両親の影響もあるのだろう。2人とも地上人の研究者だったからな。両親について小さい時から、地上に何度も行っていた。そしてちょうど君たちぐらいの歳には”夏の異世界も地上も僕が支配する”と真剣に言っていた。それにこの神社に夏の異世界への入口があることを知っているのは彼だけだ。」僕は「マーシャ、それはどういうことですか?」「そういうことだ。彼、ステイは私の元恋人だ。」「えっー」僕らは4人、ハモってしまった。

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