アンノウンブレイク 〜底辺逆転理論〜

アズサ

第1話 中学の思い出

(チャイム) 先生「皆さん席についてくださーい。休み時間終わりましたよ」

生徒「はーい!」「うっす」「まじかよ、次世界史じゃん」「うわー、俺世界史覚えられないんだよな~」「浪川先生、今日は昨日の続きの『第3次世界対戦』ですよね。」

浪川「そうです。今日は昨日皆さんに抜き打ちテストで出した所の続きです。それでは皆さんパネル内の世界史の教科書187ページを開いてください…」


西暦2XXX、世界では極東の国「ルピス」が資源争奪を目的とし、隣国「シルベット」を攻め始めた。一方的に攻撃を受けたシルベットを救おうとする国、20世紀時にルピスからの援助を受けルピス側につくことで恩を返そうとする国、そして裏で両国に資源を売って自国の資産を上げている国。それ他にもいろんな理由をこじつけて各国が戦争に参加したことで世界に激震が走った。この戦争は10年にも及び、全世界の人口は21世紀時の総人口60億の半分、30億人前後となってしまった。この10年間に終止符を打ったのはシルベット側に付いていた「ベストレア」という国だった。ベストレアは激しい戦争をこれ以上続けないために独自で原子爆弾「X15-3」を作った。ベストレアは犠牲者を増やさずに爆弾の威力を見てもらうためにルピス本国に落とさずにルピス近隣の無人島に落とした。結果としては無人島は消滅した。初めから島がなかったように島は消えた。その爆弾を保有しているベストレアを相手にしてられないと

ルピスは白旗を振った。その後大統領、最高指導者、首相などの各国のリーダーによって世界平和統一条約が締結された。そして締結されたあとはどの国も血を流すことなく今日まで至った。各国が戦争の悲惨さを思い知ったからであろう。

問題はその爆弾だった。条約締結から3か月後、爆弾が落とされた無人島から近いルピスの街で奇妙な事を言い出す男性が現れた。

「手から炎を出せるようになった」

ベストレアの研究員は責任を持って彼の肉体について調査した。

彼は右手を上げ、一言「ファイア」と言った。

すると彼の右手から炎が現れ始めた。

そう、この出来事がきっかけでこの世に「魔法」という概念が確立されていった。

研究員を送ったベストレアの調査結果によるとベストレアが作った核爆弾「X15-3」には当時発見されなかった脳の間脳と中脳の間にある小さな脳「魔法が使えるようになる脳」という脳を刺激する放射線が出てしまったという。研究員達はこの脳の事を「魔脳」と名ずけ、これが魔法が使えるように脳に作用したと言われている。ふざけた話だがこのことが世界中に広げられると1人、2人、3人と徐々に魔法が使える人が増え、最終的に世界中の人間の大半は魔法を扱えるようになった。



[そういや、そんな歴史だったな…]

浪川「はい、今回の授業はここまで!授業というか復習になってしまいましたね。この出来事がきっかけで現在の魔法主義社会が創られ始めました。皆さんの身近にも魔法は使われてますね。じゃあ…小岩君、一つ言ってくれますか」

小岩「魔法士による電気の供給ですか?」

[魔法に頼り切ってる人しかいないこんな世界なんて…]

浪川「正解です。現在のエネルギー不足の対処に魔法士の方々が仕事として働いてくれてますね。次に黒刃さん」

黒刃「はい、野菜の成長増進に使われていると思います」

浪川「はい、合ってますよ。農薬や肥料を使わずに美味しく、新鮮な野菜の大量生産のために植物関係の魔法士の方々が農林水産省に重宝されていますね。じゃあ最後に」

[頼む、そんな質問俺に投げかけないでくれ…]

「新谷君」

[嘘だろ…]

浪川「今まで挙げられた解答以外にありま」

キーンコーンカーンコーン

浪川「あっ、チャイムが鳴ってしまいましたね。途中でしたがここで終わります。日直さん、号令」

日直「気をつけ、礼」

「「「ありがとうございました」」」

[ひっ、ひえー。助かった]

「いやー、さっきはひどかったよな。まさかお前にあんな質問当ててくるとかさ。新谷」

新谷「お、大井君」

大井遥輝 おおいはるきこのクラス1年C組内でのカースト上位、弱いものイジメが大好きなやつ。いわゆる不良だ。不良だからピアスは付けてるし、金髪や茶髪…ではなく何故か一般生徒と同じ黒髪。男のくせに漢っぽい顔つきではなく中性的な顔立ちで周りの女性はイチコロ。そういうところが余計に腹が立つ。しかも彼の能力は

大井「まぁ、しょうがないもんな。お前は先生に言ってないことがあるからな。それに違い【最初の魔法士 トレンタ】の子孫である俺は火の魔法士だからな!」

最初の魔法士 トレンタ。ルピスに現れた放射線を当たって、一番最初に魔法に目覚めた人。火の魔法士であり、積極的にベストレアと協力して僕の大っきらいなこの社会を築き上げた張本人。そうトレンタは彼の先祖である。

大井「火の能力ってのは便利なもんだぜ!火力電所や工場、食品会社。火に関係する企業は俺のような火の魔法士に釘付けだ。喉から手が出る程欲しいんだと……よ!。」

新谷「うっ!」お腹にパンチを食らった僕は床に膝をつけてしまった。

大井「悪ぃな、新谷。お前の腹に虫が止まってたから潰してやったよ。まぁ、お前も虫だけどな」

「「「「「「はははははは」」」」」」

そして大井君の厄介なところは彼だけでなく

「大井、やめてやれよ。人から虫って言われんのがいっちゃん心にくるからな。」

「確かに〜。だけどあんたは腹が出てるから痛くないと思うんだけどね〜」

そう、大井君は能力やその容姿だけでなく持ち前のカリスマ性で自分だけのグループを作っていて

僕は彼らの事を「大井組」と勝手に呼んでいる。

大井組は大井のただの取り巻きじゃない。

一人一人、名のある魔法士の生まれの男女6人で構成されているグループだ。

大井「お前も災難だな。今まで頑張って魔法が使えないことを隠してきたのに今年導入された《これ》でバレるんだからな」

そういって大井君が僕の胸ポケットから取りだしたのは生徒手帳だ。何の変哲もない生徒手帳だけど開けてみると

大井「ほら、この《MBAカード》。」

MBAカード。魔脳解析カードの略で今年導入された身分証明書の一つであるカード。

このカードは自分の魔脳を解析してもらい、自分の使える魔法の記載が義務付けられている。

これは魔法による犯罪や緊急時に一般人に魔法の使用の協力のために作られたと言われる。

しかしこのカードのせいで僕のように1人、必ず1個は持っている「魔法」が使えないことがバレてしまうきっかけになってしまったのだ。

このカードが配布された日、僕は大井君にこれを見られてしまい虐めを受ける要因となってしまったのだ。

大井「にしても新谷は頑丈だよな。前思いっきり炎を当ててもピンピンしてたもんな。まぁ、今日はこれぐらいで勘弁してやるよ、明日気をつけろよ」

「きゃ〜、大井君かっこいい!」

「大井に感謝しろよ〜、【無法士】インコンペテンサー

僕のように魔法が使えない人が公になったことで魔法が使えない魔法士から無能の魔法士、そこから【無法士】インコンペテンサーという言葉が生まれてしまった。


新谷「無法……士……」






^

今回初めてカクヨムで書きはじめることにしました、アズサです。

在り来りな設定だと思いますが読んでいただいた皆様、何話か後に急展開に急展開を重ねるストーリーになるので「つまらない」、「飽きた」という言葉が思ってしまうかもしれませんが、そういった気持ちを抑えて読み進めて欲しいです!

話の更新なんですが完成次第どんどん投稿する所存です✨

お仕事の都合上や勝手ながら試験の勉強の方も進めていくので更新が遅くなるかもしれませんが皆様の期待に応えるため頑張って行きたいと思います。

話の展開や都合上によっては変更があるかもしれませんがその点も目を瞑ってくれれば嬉しいです


これからもよろしくお願いします

_|\○_オネガイシャァァァァァス!!


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