第2話 私が冒険に?
#1
顔を上げたキーアンの目が、私の目を捉える。
私は広場につながる小さな橋の前で立ち尽くした。
1か月の間、どこに行っていたの。
おばさん、悲しんでたのよ。
一緒にいる二人は誰?
言うべきこと、聞くべきことが多すぎて、
とっさに言葉が出ない。
思わず名前を呼んでしまったが、そもそも
話すこと自体がしばらくぶりなのだ。
キーアンは少し見ない間に、
顔つきの精悍さが少し増したようだった。
普通のシャツとズボンの上に
皮の胸当てと腰巻をつけ、
腰には鞘に納められた長い剣を携えている。
キーアンが私に何かを言おうと口を開く。
その時、村の女性たちと話していた女の子が
こちらを向いて、目を輝かせながら、
さらさらとポニーテールを揺らして突進してきた。
「ロナ!ロナだよね!??会いたかったー!!」
反応できないままにいきなり抱き着かれ、
目を白黒させる。
黒髪の女の子はパワフルだが背が小さく、
私の鎖骨に女の子の頬骨が当たったようで
ジンジンと痛んだ。
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