第4話
5時間目の授業が始まるという事で、僕と村上さんはあの後別れた……あんなに濃い昼休みを過ごしたのは生まれて初めてだ…
5時間目、6時間目の授業を受け、終礼を終え今はもう放課後だ…クラスの皆は部活に行ったり、今から皆でカラオケやボウリングに行こうという話で盛り上がっていたり、アルバイトがあるからと、足早に教室を出て行ったりする者がいたりと、人それぞれだ……
ちなみに泉は僕達の教室まで迎えに来た赤坂先輩と一緒に部活に行ってしまった……クラスの皆から弄られて、泉と赤坂先輩は恥ずかしがりながらも、どこか幸せそうだった…….
その光景を見て僕はまた心が痛むものの、まだマシになった気がする…村上夏樹という新しい友達が出来た事により、心に余裕が生まれたのだろうか?
「よ〜凪斗! あれから調子はどうだ?」
「おー実か… まぁ…ぼちぼちだよ….」
終礼を終え、教室から出て行こうとした所で、友達の実に話しかけられた…….
「おっ 何か凪斗… 顔色朝より良くなってきたんじゃないか?」
「そうか? っていうか朝、どんだけ酷かったんだよ?」
「え〜そりゃ結構酷かったぞ? 凪斗の顔青白くなっちゃってて、心配したぞ」
実も良い奴だ……僕の事をこうして心配してくれている…こういう友達を持って僕は幸せ者だな…
「実…….心配かけさせてごめん…… でも大丈夫だ….失恋の傷はまだ残ってるけど、耐えて見せる」
「そうか…でもあんまり無理はするんじゃないぞ 辛かったら、いくらでも話は聞くからな? 何なら今日にでも部活終わった後ででも良いなら電話とかで話聞くぜ?」
……こういう奴がモテるんだろうな〜
「あぁ….辛かったら頼りにさせて貰うよ」
「おう!! いつでも来いや! 困っている友達を放っておく訳には行かないからな〜 んじゃ、俺は部活に行ってくる!!」
実は、そう言ってニコッ!!と笑うと元気に部活に行った…
実はサッカー部に所属している… サッカーの全国大会に出る為に日々チームで練習を頑張っている…
今度試合があれば、応援に行かないとな……
…っと僕も学校が終わったならそろそろ帰らなければならない……
僕は部活には所属していない….それに今日は図書委員の仕事も無いので、学校の授業が終われば、すぐに帰る事が出来る。
「帰ってゲームでもしよ….」
そう独り言を呟いた後、教室から出て行き、靴箱に向かう…….
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「こちら相談部でぇぇぇぇすぅぅぅ!! ただいま、相談部に入りたい人、募集中でぇぇぇぇすぅぅぅ!! 1年生の皆様、相談部に興味無いですかぁぁぁぁぁぁ!!」
靴箱に向かうと、玄関の前で1人長身でメガネをかけて、「相談部!! 1年生入りたい人募集中!!」という大きな旗を持った男子生徒が大声を出していた……
僕はこれからも部活に入る気は無いので、さっさと靴を履き替えて、その男子生徒の前をスルーしようと思ったのだが…….
「「…………あ………」」
幸か不幸か、靴を取り出そうとした所でその男子生徒と目があってしまった……
すると男子生徒は僕の目の前にパッとやってきて……
「ねぇねえねぇ!! 君!!今、僕と目があったよね!! 僕、相談部に所属してるんだけど、君も相談部に興味無いかい!?」
「いや…僕は部活にはきょ…」
「あるよね!? 相談部に興味無い訳無いよね!? あるよね!? ねぇねえねぇねえねぇねえねぇ!!」
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い……何だこの人 僕と目があっただけなのに、こんなに距離詰めてきて…
「いや…僕….ちょっと部活には興味無いっていうか…….」
そう言って僕がやんわり断ろうとすると……
「え?! 断るの!? 何で!? こんなに勧めてるのに?? 何で何で何で何で何で何で!!!?」
対応がメンヘラか!! 僕は思わずそう心の中でツッコんでしまう…
「ちょっと!!また、やってるの!? それ!!」
どう断ろうかと僕が悩んでいた所で、聞いた事のある女子生徒の声が聞こえてくる。
「もう!! その勧誘の仕方は止めときなってアレだけ言ったのに!! またやってるんだから!!」
「村上さん…….?」
「え!?……….塩宮君……?」
長身メガネ男子生徒(ちょっとメンヘラ気質?)を怒っていた女子生徒は何と今日友達になったばかりの村上夏樹さんだった…….
「え!? 何だ君達!! 知り合いだったのかい!!!?」
長身メガネ男子生徒は驚いた様子だ……
僕も村上さんは、この長身メガネ男子生徒とどう言う関係なのか気になる……
村上さんは申し訳なさそうな顔をして、僕に話しかけてくる…….
「塩宮君……ごめんね このバカ兄貴が迷惑かけちゃったみたいで…….」
「え!? 兄貴!?」
僕は大きな声を出してしまう…….すると長身メガネ男子生徒が自己紹介をしていく……
「あ、そういや名前を言ってなかったね!! これは失礼!! 僕の名前は村上優也!! そこにいる可愛い可愛い女の子は僕の正真正銘の妹さ!!」
「え…….えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!?」
僕は驚きで大きな声をまた出してしまった……
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