第16話 永遠とも思える拘束

それほど、激しくないが極太の擬似ペニスが震え出した。

咄嗟の事で、私も伊織からも妙な喘ぎ声が漏れた。

だが、同時にその振動は心地よく目の前の伊織と唇を重ねる。

ラバー越しの伊織の唇の感触がなんとも言えない。


伊織もまた同じ思いだったのだろう。

激しく私と唇を重ねてきた。


少し前に録画を開始する音が聞こえたが、もうそんな事はどうでもいい。

目の前の伊織とせめて唇だけでも交わりたい。

性欲を満たすように、極太の擬似ペニスからの振動を増幅させるようにして、腰を振り激しく唇を重ねた。


その結果、私も伊織も逝った。

ほとんど、声は出せなかった。

だが、これが双子なのだろう。

お互い絶頂に達した事は直感で確信できた。



荒々しい呼吸を続ける私たちに更なる刺激が加わる。

極太の擬似ペニスが激しく動き出したのだ。


こうなると、先ほどの様に唇を重ね、快感を共有している余裕もない。

勢いよく訪れる快感に体を震わせる。

言葉を失った私たちを代弁するように、ラップが『ギシギシ』と激しく音を立てて、すぐに逝ってしまった。


完全な酸素不足により、意識が遠のいていった。



それから私も伊織も全身ラバーでの生活が始まった。


達彦と健太、私と伊織。

支配する側とされる側。


私たちは時々駆り出されていく… 。

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