詩・僕らは静寂に沈んでいく
※ネガティブなので、苦手な方は注意です
※この詩はフィクションです
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【僕らは静寂に沈んでいく】
最初から最後まで
独りだったんだ
この手は、雨音を奏でることを止めた。
『物語はまだまだ続く』
どこまで辿り着けるだろ、と
目を閉じ、無邪気に乱れ撃った
楽しくて、愛しくて
独りでも構いやしなかったのにな
『物語はまだまだ続く。
主人公は成長を遂げ、大輪の花となるだろう』
「…………………」
わかってる
どうしようもなく、歪んだ雫
どうしようもなく、拙い流れ
それでも
誰かに届けたかったんだ
独りだった、けれど
どの瞬間にも
傍らには物語があったから
『主人公は成長を遂げ、大輪の花となるだろう。
雨音も、雨雫も、無駄ではなかったんだと、』
救いたかった
独りでいる誰かのこと
だから僕は
独りで、進んで
独りでも、進んで
目蓋を開いたときには
どこにも辿り着いていなかった
「…………………」
自己満足
自己防衛
自己嫌悪
僕が、救いたかったのは?
「…………………」
笑顔にできないなら
楽しくなんかない?
「…………………」
愛されないなら
愛しくなんかない?
「…………………」
落ちていく。
「……無駄じゃなかったんだと、思いたかった」
手を伸ばして引っ掻いた
爪の中に、結末の欠片
一緒に沈んでいくのだろ
僕自身の、心の重さで
「思いたかったな」
僕らは静寂に沈んでいく
独りのままで沈んでいく
この手は、雨音を奏でることをやめた。
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