秘密組織・異世界冒険探偵団(鏡の世界と時の剣舞)

エリナ

第1話 日常

町の一角にある小さな家の中で、小学校を卒業したばかりの中学一年生、親友のカイとミナが、今日の冒険の計画を立てていた。


「ミナ、今日はどこに行こうか?」

二人が座っていたのは、ミナの明るい色の部屋。

壁には様々なアニメのキャラや、賞状やメダル、冒険を思わせる絵が飾ってある。


「おじいちゃんの家に行って、あのドジョウを探検しようよ!」

ミナは、大きな目をキラキラさせてカイを見つめた。


ドジョウとは、おじいさんの家にある大きな倉庫のことだ。

おじいさんは、それを「土蔵(どぞう)」と言っている。

二人は、ミナが言い間違えただけだということを知っているが、二人はドジョウという言葉を使い続けている。


「前に行ったときに見つけた古い地図があるでしょ?

 あれが示している宝を見つけに行こう!」

カイは驚き、ミナが地図を見つけた時のことを思い出す。


カイは眉をひそめながら考えた。

ミナの好奇心に引きずられて、何度か面倒なことになったことがある。

だけど、ミナの笑顔には、いつも抗うことができなかった。


「うーん、でもおじいさんからは、ドジョウに入らないように言われているんだよな。」

カイは顔をしかめた。

その倉庫には、何か不気味で、危険なものがあるような気がしていた。


ミナは笑顔で言った。

「だからこそ面白いんじゃない! それに、この地図を見て!」

ミナは引き出しから一枚の古びた地図を取り出した。

地図には断片的にではあるが見慣れない場所と、そこに隠されたと思われる何かの場所が示されていた。


カイは地図を見つめ、一瞬固まった。

「えっ!これは、この前、見つけた地図?

 おじいさんに全部没収されたんじゃなかったの?!」


「えへへ。」

ミナはニヤリと笑う。


「これは・・・でも、これどこだろうね。

 やっぱり、おじいさんは、何か隠してるだろうね。」


「気になるでしょぉ。

 それに、ほら、冒険が待っているんだから!」


「わかった!でも何かあったたら、すぐに退散するよ。」


ミナは喜んでカイに頷き返した。


「もちろん!さあ、行こう!」


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