Re:From Hell
@udemushi
プロローグ
この世の陰鬱、陰惨、汚濁を煮詰めたような街の、その掃き溜めのような場所で、私達は出会った。
出会ってしまった。
女が一人で生きていくには、世界は女に苛烈過ぎる。
先ず、法が女に厳し過ぎる。次に男の欲が女に厳しく、次に女の性が女に厳しく、そして何より、世にどっかりと横たわる、常識などというものが女に厳しい。
まるで女に生まれたことが、一つの罪であるかのように。
そんな、女にとっての地獄で、女が一人で生き抜くためには、『女』を最大限活かすか
でなければ、女を捨てるか、しかない。
私は後者。女を捨てた。
父が病死し、家名が意味を失い、住居を失い、路地裏へ追いやられ、慰み者にされたその時に。情緒も浪漫もない、痛みと恐怖しかない中で、初めてを失ったその時に。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます