短句集 焦眉の風
藤宮史(ふじみや ふひと)
第1話 今が陽のあたらぬ春
短句集「
この「焦眉の風」を
人生は苦しいものである。孤独である。そして、時には家族から、友達から、学校から、職場から孤立を
*
私は、十四歳頃から
十二、三歳頃より軽度の不安神経症の症状があった。私は、私の身近にいた
十四歳のとき、人間は死ぬ、いつか死ぬ、私も死んでいなくなる、と
十五、六歳のとき、私は歯が悪かった。常に歯痛に苦しんで、歯科医に日参し、鎮痛剤が手放せなかった。また、この頃は胃腑も悪く、胃腸薬の大瓶が、ひと月もしないで
高校を卒業し、大学受験に失敗すると、
二十五歳の私は、前歯が抜け、髪がぼうぼうに長く、三畳ひと間の安アパートに
それでも、その時々が〈今が
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