no14...優しいカグラ
ストリングタラテクト二匹との戦闘を終えたて鍾乳洞を進むと、道幅はどんどん狭くなっていった。
「もー! 蜘蛛とネズミばっかり!」
『仕方なかろう』
最初に苦戦した二匹のタラテクトは、広い場所だったから大変だったけど、道幅が狭くなった場所では雑魚だった。なんせ蜘蛛糸で逃げ道を塞いでフレアブレットをするだけで倒せた。楽勝!
たまにフレアラットが襲ってくるけど、ライトニングボルトで一撃。ここまで戦いながら40分ほど歩いたけど、私のステータスはかなり強化された。
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名 前:ベネッサ・ユーリーン
種 族:人間(テイマー★) レベル:72
固 有:王家の血筋
スキル:ちょっと鑑定Lv2 モブテイムLv1 光魔法Lv3 配信魔法Lv2 超級神剣術 神剣献上 雷神魔法Lv1 煉獄魔法Lv4 蜘蛛糸Lv7 操糸Lv6 悪食Lv2
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光魔法は3になり、さらに広い場所まで見えるようになった。それと煉獄魔法が4になって、蜘蛛糸や操糸はかなりレベルが上がり、悪食も二回GETした。
空間機動と高速移動はレアなのか、一度も手に入らなかった。
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悪食 〈パッシブスキル〉
なんでも食べれる。レベルが上がると食べれる種類が増える
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虫とか食べても精神的な抵抗感が無くなるとか、そういう効果なんだろうか? あんまり食べたくないけど……。
「あーもうダメだぁ。喉乾いた……」
『あと少しだ』
「もう無理、歩き疲れた。ここで死ぬ……」
『地底湖はすぐそこなんだが』
「どこ?!」
『あの角を曲がった先だ』
「よしっ!」
カグラに騙されること5回。
『後少しだ』『もう見えているが?』と、駄々をこねる私に嘘をついて誘導してくれている優しいカグラ。剣じゃなかったら惚れちゃうところだよ。もう。
〉こいつ、どこに向かってるんだ?
〉目的があって進んでるように見えるな
〉もうこの辺のモンスターじゃ歯が立たんな
〉これ処刑どうするんだ?
〉そのうち餓死するだろ
〉え? それまで見てなきゃいけないのか?
「ちょっとー! 地底湖、無いじゃないの!」
『何せ数百年前かもしれぬ記憶だからな』
「そうやって言えば許されると思ってからに」
やっと転生したのに、そんな簡単に死んでたまるもんですか。カグラに騙まされながら進むと、鍾乳洞は私がやっと通れる程度まで道が狭くなり、モンスターもほとんど見なくなった。
ちなみに、少し焼けてしまったドレスの一部は蜘蛛糸で補修して、恥ずかしくないくらいまでには直した。
「操糸のレベルが上がったから、イメージするだけで服を直せるのは便利すぎるね」
『袖と脚も隠した方が防御力は上がるが』
「わかってないなー。可愛いが最強なんだよ?」
『わからぬ』
この世界に来た時に着ていた洋服は、どうやら捕らえられた時に着ていたドレスのようだ。これから処刑される者が着るような服ではない。泥で汚れてしまっているけど、適度にフリフリのついた藍色のドレスはとても可愛い。
〉あのダンジョンの最下層に、奇跡の泉があるって噂、知ってるか?
〉奇跡の泉?
〉なんでも願いが叶うとか
〉あー、御伽話にあったな
〉その奇跡の泉を探しているのか?
〉あれ? うちの地元だと違う呼び名だった気がするな
ふーん、カグラの言う地底湖って、この世界の御伽話にもなるくらい有名な泉なんだ。奇跡の泉かー。なら私をここから出して欲しいよ。
『どうした 喋らなくなったな』
「喉節約」
『ふむ 我を楽しませるしか貴様の取り柄はないと言うのに』
カグラには悪いけど、本当に冗談じゃないほど喉が痛い。唾を飲み込むのも辛い。鍾乳洞の湿度が高いからなんとか耐えられてるけど、これ以上の戦闘は無理。
モンスターに会いませんよにと祈りながら、一段と狭くなった通路を抜けると、ついに地底湖に辿り着いた。
――配信累計時間:4時間15分
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徐々に強くなっていく涼音
しかし、喉が渇いてお腹が空いて辛そう・・・
泉までもう少しだよ!がんばれ!
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