no6...探検開始
「それで、ここはどこなの? 出口は?」
『何も知らないで入ってきたのか とんだ阿呆だな』
「アホって言うな! 処刑されて落とされたのよ!」
私は薄暗い洞窟の中、神剣カグラを手に持ち狭い通路を進んだ。どうやら私の落ちた場所は、隠し部屋みたいな感じの横道だったらしい。壁にはカースアイがびっしり……。
「気が付いたら処刑寸前で、ここに落ちてくる直前までの記憶しかないのよ」
『なるほど記憶喪失か 難儀だな』
「まぁ特に困ってないけど……」
カグラが喋る剣でよかった。こんな所にひとりぼっちだったら、それだけで気が狂いそうだ。
『ここはどこか? だったな。 ここはガイア帝国の地下 始まりのダンジョンと呼ばれる場所だ』
「え? 始まりのダンジョン?」
『そうだ 我はマサラと共にここで修行をしていた』
ここは絶死のダンジョンじゃなかったの? いや、私もこの世界に来たばかりだから、国の名前とか何も知らないけど……。
――“ベネッサ様、また稽古をサボって、そんな事ではレティーナ王国を支えられませんよ”
「……痛っ」
記憶の奥を探ろうとしたら、小さな頭痛と共に脳内に見たことのないワンシーンが流れた。幼い私がどこかの部屋で初老の女性から叱責を受けていた。――
「なにいまの……この体の記憶?」
『記憶が戻ったのか?』
「少しだけ……でも、この国の名前はレティーナって言ってた。ガイア帝国ってのは何かしら」
『さぁな 我もマサラから聞いたに過ぎん』
もう少しカグラから情報を引き出してこの世界がどんな世界なのか知りたいけど、それよりも今はここから脱出する事だ。
いくら謎が解けても食料問題は解決しない。
そう、私はお腹が空いていた。
ぎゅるるるる……。
『腹が減ったのか 人とは不便な生き物だな』
「いいわねぇ。あんたはお腹空かなくて」
〉カースアイ見てたら気持ち悪くなってきた
〉しかしなんで睨まれて死なねぇんだ?
〉宮廷鍛治師のじいさんが来たぞ
〉おぉ。あのフォルム……。う、美しい……。
〉おい! 爺さんが失神したぞ!
なにやら地上が騒がしい。神剣カグラ・マサラの事が話題になっているみたいだ。
昔読んだラノベを見習って、私は通路のカースアイに対してずっと《ちょっと鑑定》を使いながら歩いた。
スキルは使えば使うほどレベルが上がるというのは、もはやファンタジーのお約束だ。幸い頭痛も起きないしやれる事はやっておく。どうせMPが余ってても使い道は無いし。ちなみに、カースアイを鑑定しても参考になる情報は無かった。むしろ疑問が増えた。
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名 前:カースアイ
スキル:死の魔眼lv10
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死の魔眼 〈アクティブスキル〉:その眼で見られた者は死ぬ
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私、めちゃ見られてますけど死んでない。これもカグラを装備している効果なのかなと思ったけど、カグラは『我にそのような効果ない』としか答えてくれず。
そんな事を話しながらしばらく歩くと、カースアイが敷き詰められた狭い通路が終わりを迎えた。正確には狭い通路から広い部屋に出た。
私の周りがぼんやり光っているだけなので、部屋の広さはわからないけど、この部屋の壁にはカースアイがいない。
「カースアイ無くなったね」
『そのようだな 気を付けろ』
――配信累計時間:1時間20分
―――あとがき――――――――――――――
通路歩いてるだけで終わってしまってごめんなさい。
序盤なのでサクサク重視で文字数は少なめにしています。
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