魔術師の弟子(BL) R
Danzig
第1話
魔術師マヌエル
弟子、モルト
モルト:(N)僕の名前はモルト
モルト:(N)魔術師を目指しています。
モルト:(N)二ヶ月前、憧れの魔術師、マヌエル様の弟子になれました。
モルト:(N)今はマヌエル様のお屋敷で、魔術の勉強をしながら暮らしています。
マヌエル:モルト、お前が俺の所に来てから、もうそろそろ、二ヶ月が経つな
マヌエル:今日から、お前にも魔法を教えていこうか
モルト:マヌエル様!
モルト:ようやく僕に、魔法を教えて下さるんですね。
モルト:やったー
マヌエル:はは、子供みたいだな
モルト:だって、マヌエル様
モルト:折角、憧れのマヌエル様の弟子になれたのに、
モルト:僕にちっとも魔法を教えてくれなかったじゃないですか
マヌエル:俺が弟子を取る事なんて滅多にないし
マヌエル:どの魔術師だって、普通は二ヶ月じゃ、魔法は教えないぞ
モルト:じゃぁ、どうして僕に魔法を?
マヌエル:お前は、魔術師としての見込みがありそうだからだ
マヌエル:魔法陣の描き方も、スペルの暗記も、お前は覚えるのが早かったしな
モルト:本当ですか!
マヌエル:ああ
マヌエル:このまま、俺の所で修行すれば、いい魔術師になれると思うぞ
モルト:嬉しいです!。
マヌエル:じゃぁ、早速、簡単な魔法の練習をしようか
モルト:はい、よろしくお願いします。
マヌエル:じゃぁ、あそこにある的に、火属性の魔法を当てる練習だ
マヌエル:まずは、俺がお手本を見せてやるからな
モルト:はい、よろしくお願いします。
マヌエル:いいか、よく見てろよ
マヌエル:いくぞ
マヌエル:「ファイア・ボルト」
勢いよく発射された火の玉が的を破壊する
モルト:すごい・・・
マヌエル:感心してないで
マヌエル:次は、お前の番だ、やってみろ
モルト:はい
マヌエル:じゃぁ、構えて
モルト:こうですか
マヌエル:まぁ、そんな感じだ
マヌエル:よし、じゃぁ、打て!
モルト:はい、「ファイヤー・ボルト!」
モルト:・・・・あれ? 出ません・・・
マヌエル:・・・ダメだな・・・
モルト:すみません・・・
マヌエル:どこが悪いかわかるか?
モルト:いえ・・・分かりません
マヌエル:いいか、モルト
マヌエル:呪文の詠唱(えいしょう)は正確でないとダメだ
マヌエル:呪文は「ファイア・ボルト」
マヌエル:お前が唱えたのは「ファイヤー・ボルト」だ
マヌエル:少し違っただけでも、魔法は発動(はつどう)しない
モルト:分かりました
マヌエル:じゃぁ、もう一度、やってみろ
モルト:はい
モルト:では、行きます
モルト:「ファイア・ボルト」
少しの火の玉が飛ぶ
マヌエル:お!
モルト:小さいけど・・・飛んだ!
マヌエル:やっぱり、お前は筋がいいな
モルト:ありがとうございます!
マヌエル:最初から、ファイア・ボルトを飛ばすなんて、驚きだよ
モルト:でも、マヌエル様よりは全然小さくて・・・
マヌエル:はは、そりゃ、そうだ
マヌエル:俺とお前とでは、魔力の量が違うわ
マヌエル:魔法の威力には、魔力の量が関係してくるからな
モルト:そうなんですか・・・
マヌエル:これからは、魔力の量を増やす訓練もしないとな
モルト:魔力の量を増やす訓練って、どうやるんですか?
マヌエル:いろいろあるが・・・
マヌエル:まぁ、少しづつ教えてやる
モルト:そうですか・・・
マヌエル:どうした?
モルト:早く、マヌエル様みたいな魔法が打てるといいなぁ・・って
マヌエル:ふむ・・・
マヌエル:まぁ、手っ取り早く魔力を上げる方法はあるけどな
モルト:本当ですか?
マヌエル:ああ、一回に増える量は少しだけどな
モルト:どんな方法ですか?
マヌエル:俺の魔力を分けるんだ
モルト:そんな事が出来るんですか?
マヌエル:ああ
マヌエル:俺の魔力を分けて欲しいか?
モルト:はい、それは勿論
マヌエル:ほう・・・
マヌエルは、モルトの顎を人差し指でクイっと上げる
モルト:な・・・
モルト:マヌエル様・・・なにを・・・
マヌエル:モルト
マヌエル:俺の魔力が欲しいなら
マヌエル:俺の目を見て
マヌエル:「魔力を分けて下さい」と言え
モルト:ま、マヌエル様の魔力を・・・分けて・・・ください
マヌエル:よし、素直な、いい子だな
マヌエル:じゃぁ、俺の魔力を分けてやる
マヌエル:受け取れ
そう言って、マヌエルはモルトの唇を奪い、舌を入れる
モルト:んんん・・・
マヌエル:んん(リップ音)
モルトは、水の中から、ようやく上がってきたかのような呼吸をする
モルト:ぱぁ・・はぁ・・はぁ・・・
マヌエル:どうだ? モルト
マヌエル:俺の魔力の味は
モルト:はい・・・
モルト:なんだか・・・体が・・・火照(ほて)って
マヌエル:モルト
マヌエル:俺の魔力を分けてやったんだぞ
マヌエル:「有難うございます」は?
モルト:はい
モルト:マヌエル様・・・有難う・・ござい・・はう・・
モルト:そこ・・は・・・
マヌエル:魔力が口から入ったら、腹の辺りをよくマサージしないとな
マヌエル:魔力が体に沁み込んで行かないんだよ・・
モルト:そんな・・・そこは腹じゃ・・なくて・・ううう
マヌエル:どうした?
マヌエル:そんな声を出して
マヌエル:それにここをこんなにして
モルト:でも・・そんな・・・先っぽ・・・ばかり・・・
マヌエル:ほう、ここがいいんじゃないのか?
モルト:そ・・そんなに・・
マヌエル:おや?
マヌエル:いや・・なのか?
モルト:そう・・・じゃ・・な・・くぅぅ
マヌエル:ほう・・
モルト:マ・・マヌエル・・様・・・
マヌエル:ん?
マヌエル:どうした?
マヌエル:緊張してるのか?
モルト:それ・・は・・
マヌエル:この辺りが固くなっているぞ?
マヌエル:緊張で固くなってるのか? それとも・・
モルト:そこ・・は・・・うぅ
マヌエル:これがいいのか?
モルト:はい・・・
モルト:マヌエル様・・・僕・・・もう・・
マヌエル:我慢できないのか?
モルト:いじわる・・・しない・・で・・・
マヌエル:お前が素直じゃないからな
マヌエル:で、どうして欲しいんだ?
モルト:マヌエル様・・・僕に・・はぁぁぁくぅぅ
マヌエルが突然モルトから離れる
マヌエル:はい、おしまし。
モルト:え?
マヌエル:魔力が少し増えたでだろ
マヌエル:さぁ、練習の続きだ
モルト:そんな・・・マヌエル・・様
マヌエル:さぁ、さっき教えたみたいに構えるんだ
モルト:・・・はい・・
マヌエル:ほら、ちゃんと構えろ
モルト:はい・・・
マヌエルが少し意地悪な口調で問いかける
マヌエル:どうした?
マヌエル:そんな前かがみじゃ、魔力の循環がうまくいかないぞw
モルト:そんな事いっても・・・
マヌエル:まともに立てないんじゃぁ、魔法の練習はこれで終わりだな
モルト:そんなぁ・・
マヌエル:その代わり
マヌエル:後でたっぷり、お仕置きをしてやる
モルト:・・・はい
モルト:(N)僕がマヌエル様の弟子になって、半年が経ちました
モルト:(N)僕は、あれから少しづつマヌエル様に魔力を分けて頂き
モルト:(N)大分、魔力が上がってきて、使える魔法の種類も増えてきました。
モルト:今日は一年に一回の「魔術師の集会」が行われる日
モルト:マヌエル様もお出かけの準備をしています。
マヌエル:じゃぁモルト、今日は少し遅くなるが、留守を頼むぞ
モルト:はい、分かりました
モルト:マヌエル様、今日の集会は、ごゆっくり、楽しんでらしてくださいね
マヌエル:集会って言ったって、そんなに、楽しいもんじゃねぇよ
マヌエル:まぁ、存在確認と情報交換くらいだな
モルト:そうなんですか?
マヌエル:あぁ、そんなもんだ
マヌエル:行かないと、行かないで、後で面倒な事になるからな
マヌエル:仕方なく、いくんだよ
モルト:そうですか・・・
マヌエル:お前も一人前の魔術師になったら、分かるさ
マヌエル:じゃぁ、行ってくるわ
モルト:行ってらっしゃいませ、マヌエル様
集会に出かけていくマヌエル
それを見送るモルト
モルト:あぁーあ、マヌエル様は、あんな風に言ってたけど、
モルト:魔術師の集会って、どんな感じなんだろう
モルト:僕も早く、一人前の魔術師になりたいなぁ・・
モルト:さて、そんな事より
モルト:僕は、マヌエル様のいない間に、家中の掃除をしなきゃな
掃除をするモルト
モルト:♪♪♪(鼻歌)
モルト:よし、次は、マヌエル様の部屋だな
モルト:♪♪♪(鼻歌)
モルト:うわっ!
モルト:しまった・・・机の上の本、落としちゃった
モルト:早く、元に戻しておかないと・・・
モルト:おや、この本・・・
モルト:(N)そして、魔術師の集会の日から、二ヶ月程経ったある日
モルト:(N)僕はこの日も、いつもの様に、マヌエル様から魔力を分けて頂くのですが・・・
マヌエル:さぁ、モルト
マヌエル:今日も俺の魔力が欲しいなら
マヌエル:「魔力を分けて下さい」と言え
モルト:ふふふ、マヌエル様♪
マヌエル:ん? 何だ?
モルト:ふふふ「バーニング・ハート」
体が急に火照りだすマヌエル
マヌエル:はう・・はぁ、はぁ、
マヌエル:お前・・なにを・・
モルト:こうするんですよね?
マヌエル:お前・・それは・・・
モルト:マヌエル様がいつも僕にかけていた魔法・・・
モルト:これ、身体が火照るんですよね
マヌエル:いつの・・・ま・・に・・くぅ
モルト:こんな魔法を、掛けられてたなんて
モルト:ずっと気づきませんでした
モルト:マヌエル様は、呪文の詠唱なしで使っていたんですから・・・
マヌエル:どう・・して・・はぁ・・
モルト:そ・れ・は、
モルト:僕が、愛しいマヌエル様の弟子だからですよ
マヌエル:はう・・・
モルト:今日は、僕がたっぷりと、ご奉仕させていただきますね、マヌエル様♪
マヌエル:そんな・・・俺は・・攻められるの・・・慣れて・・な・くぅ
モルト:マヌエル様でも、苦手なものがあったんですね
マヌエル:モルト・・・
モルト:でも、僕はマヌエル様のように、焦らしたり、しませんから・・・
モルト:直ぐに、あげますよ
マヌエル:まて・・・俺は・・
モルト:だぁーめ♪
モルト:「トイ・パペット」
マヌエル:痛っ・・・・くぅ・・・
モルト:大丈夫、直ぐに良くなりますよ
マヌエル:そんな・・・くぅ
モルト:「ルーブリケント」
マヌエル:あ・・・あ・・・
マヌエル:こ、こんな事・・・どうして・・知って・・
モルト:マヌエル様が集会に行かれた時に、
モルト:マヌエル様の部屋のお掃除をさせて頂きまして
モルト:その時に見つけちゃったんです
マヌエル:そんな・・・あ・・・
モルト:そんな事より、マヌエル様?
マヌエル:な・・・なに・・・うぅ・・
モルト:マヌエル様がこの魔法使う時って、詠唱(えいしょう)無しですよね?
モルト:僕には詠唱は正確にとか言っておきながら・・・
マヌエル:そ・・・それは・・・はぁ・・はぁ・・
モルト:マヌエル様の部屋を探しても、無詠唱について書かれている本は、ありませんでした
モルト:ひょっとして、隠してらっしゃるんですか?
マヌエル:はぁ・・・はぁ・・
モルト:言わないと・・・
マヌエル:はう・・・・俺・・も・・・もう・・・
モルト:ダメですよ、マヌエル様
モルト:教えてくれるまで、止まりません
マヌエル:ダメ・・・ダメ・・なん・・だ・・・
マヌエル:教え・・・られな・・・
モルト:おや、そうですか
モルト:それなら
マヌエル:はぁぁぁぁぁぁぁぁぁくぅぅぅ
マヌエル:そ・・そこ・・・は・・
モルト:教えて下さいませんか?
マヌエル:うぅぅぅくぅぅ
モルト:マヌエルさまぁ
マヌエル:ダメ・・・ダメなん・・だ・
マヌエル:教えたら・・・
モルト:ふふふ
モルト:ほう、教えたら、何ですか?
マヌエル:教えてしまえば・・・・
マヌエル:お前が・・・行って・・・・
マヌエル:俺の・・・・元から・・・いなく・・・なって・・しま・・はぅ
モルト:え?
マヌエル:モルト・・・行っては・・・いけな・・くぅぅ・
モルト:「オール・イレース!」
マヌエル:はぁ・・・はぁ・・・
モルト:マヌエル様・・・僕・・・
マヌエル:モルト・・・
モルト:マヌエル様、僕、何処へも行きません
モルト:居なくなったりしません
モルト:ずっと、マヌエル様のお側(そば)にいます。
マヌエル:モルト・・・
モルト:ごめんなさい
マヌエル:・・・いいんだ、もう
モルト:マヌエル様
マヌエル:モルト、愛してる
モルト:僕もマヌエル様の事を、愛しています!
モルト:一生、お側に居させてください
マヌエル:モルト、いいこ子だ
マヌエル:ずっと、俺の側に居てくれ
モルト:はい、マヌエル様
マヌエル:さて、次は俺の番だな
モルト:え?
マヌエル:ふふふ「バーニング・ハート」
モルト:あ・・・
マヌエル:さて、たっぷり、お仕置きをしないとな
モルト:そんな・・・
マヌエル:まずは
モルト:はぁぁぁぁくぅぅぅぅ
マヌエル:さぁ、どんなお仕置きがいいかなぁ
モルト:マヌ・・エル様・・・ごめん・・な・・さ・・はぁぁぁぁ
マヌエル:さぁ、モルト
マヌエル:今夜は長くなりそうだな♪
完
魔術師の弟子(BL) R Danzig @Danzig999
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