ママ友探偵さくら組

Danzig

第1話




布美花:(N)4月になると、新しい季節が始まる、新しい学校、新しい生活、そして、新しい出会い。

布美花:(N)私が、楓(かえで)さんに初めて出会ったのも、こんな、桜の咲く春だった



楓:(N)その年から、私の息子の海斗(かいと)が、家の近所にある「ひまわり幼稚園」に通う事となった。

楓:(N)海斗にとっては、勿論、初めての幼稚園だが、私にとっても、親として、初めての幼稚園

楓:(N)友達は出来るのか、集団生活に馴染(なじ)めるのか、先生は優しいのか・・・

楓:(N)そんな、不安いっぱいの入園式で、私は布美花(ふみか)さんに声をかけられた


布美花:こんにちは


楓:あ、こんにちは


布美花:失礼ですけど、ひょっとして、お子さん、ゆり組ですか?


楓:え、ええ、そうですけど


布美花:よかった、私の娘もゆり組なんです。


楓:そうなんですか


布美花:ええ、私、坂下(さかした)由香(ゆか)の母です。

布美花:よろしくお願いします。


楓:水瀬(みなせ)海斗の母です。

楓:こちらこそ、よろしくお願いします。


布美花:子供が幼稚園なんて、初めてなもので、もう、不安と緊張で、どうしたらいいか・・・


楓:私も初めてなんですよ、分からない事ばかりで、不安ですよね


布美花:そうなんですよ! よかった、私と同じ、新米ママが居てくれて

布美花:これから、娘共々(むすめともども)、仲良くしてやって下さい。


楓:私の方こそ、分からない事ばかりなので、仲良くして頂けると助かります。


布美花:初めて同士、一緒に頑張りましょうね♪


楓:はい、よろしくお願いします。


布美花:(N)それから、私と楓さんは、ママ友になった


楓:(N)お互いが幼稚園デビューという事もあって、私達は、分からない事や悩み事を、よく話し合った

楓:(N)たまに、見送りの帰りに、喫茶店によって、趣味や愚痴を語り合ったりもした


布美花:(N)そして、何事もなく、2年が過ぎていった






布美花:(N)由香は年長となり、クラスは海斗君と同じ、「さくら組」となった

布美花:(N)さくら組の担任の、友美(ゆみ)先生は、今年3年目の若い先生だったが、可愛くて真面目な、園児に人気の先生

布美花:(N)このまま、卒園まで、何もなく、過ぎてくれればいいのだけれど・・・


楓:(N)クラス替えから、数週間たった、ある日、私はいつもの様に、幼稚園に海斗を迎えに行った

楓:(N)各園児が、先生達と、お別れの挨拶をする中、布美花(ふみか)さんは、担任の友美先生に呼ばれて、暫く話をしていた


布美花:(N)その帰り道、私は、楓さんと、歩きながら帰路(きろ)についた

布美花:(N)楓さんは、海斗君の手を引きながら、私は、自転車を引きながら


楓:布美花さん、さっき友美先生と何を話してたの?


布美花:それがね、由香の消しゴムが無くなったって話をされたのよ


楓:無くなったって、どこで?


布美花:教室の中らしいの


楓:由香ちゃんが、無くしちゃったって事?


布美花:無くしちゃったというより、無くなっちゃったって感じ


楓:どういう事?


布美花:由香は、「ひらがな練習」の時には、消しゴムはあったって言うんだけど、「お外遊び」の後で、教室に戻ってきたら、無くなってたらしいのよ


楓:ふーん、カバンの中とかは?


布美花:ポケットとか、カバンの中も見たらしいんだけど、無いんだって。


楓:それって、誰かに取られちゃったって事かな?


布美花:うーん、キティちゃんの可愛い消しゴムだったからさ、誰かが取ったって事も、あるかもしれないんだけど

布美花:「お外遊び」は、さくら組全員でしてたらしいから、さくら組の誰かが取ったって事も考えにくいんだって


楓:なるほど・・・なんだか不思議ね

楓:でも、取られたんじゃなければ、また出て来るわよ。

楓:やっぱりカバンの中に入ってたとか


布美花:それならいいんだけどね・・・

布美花:お気に入りの消しゴムだったから、この子もちょっと落ち込んじゃって


楓:そっか・・・


布美花:でも、とりあえず、また新しい消しゴムを買わなきゃね、明日も「ひらがな練習」があるし


楓:そうね


布美花:じゃぁ、私、消しゴム買いに行くから、こっちから帰るわね

布美花:「由香、消しゴム買いに行こうね」

布美花:楓さん、じゃぁ、また明日


楓:うん、分かった。 じゃぁ、さよなら


楓:(N)その時、私は、由香ちゃんの消しゴムが無くなった事を、それほど気にも留めなかった

楓:(N)消しゴムの大きさと同じような、小さな出来事の一つとしか思っていなかった





布美花:(N)しかし、由香の消しゴムが無くなった、その3日後、

布美花:(N)同じさくら組の、結菜(ゆいな)ちゃんの消しゴムが無くなった

布美花:(N)結菜ちゃんの消しゴムも、由香と同じ、キティちゃんの消しゴムだった


楓:(N)私が違和感を感じ始めたのは、この時からだった


布美花:これはもう、無くなったんじゃなくて、誰かに取られたと考えるべきよね


楓:(N)幼稚園のお迎えの帰り道、自転車を引きながら、布美花さんは言った

楓:(N)幼稚園からも、子供が他の子の物を持ち帰っていないか、確認して欲しいという内容の手紙を渡された


楓:でもさ、どうして、キティちゃんの消しゴムなんだろう


布美花:そうよね、あの消しゴムって、特に、値段が高いって訳でもないし、珍しい物でもないし


楓:普通に売ってるもんね


布美花:そうなのよね。 珍しい物じゃないから、コレクターの仕業(しわざ)って訳でもなさそうだし

布美花:使い掛けだから、転売なんて、出来ないだろうしね


楓:うーん、でも、それって大人の考えよね、子供なら単に「欲しい」ってだけで取っちゃうかもしれないし


布美花:そっか・・・


楓:でも、なんだろうね、何か気になっちゃうよね


布美花:気になるって、何が?


楓:何がって、そりゃ、犯人は誰で、その動機(どうき)は何かって事よ


布美花:楓さん、そういうのが好きなの?


楓:そうなの、昔から探偵小説とか大好きで、謎解きとかワクワクするのよ


布美花:そうなんだ・・・

布美花:私はもう、これで終わってくれればなぁって思うわよ、園児(えんじ)同士で、蟠(わだかま)りが出来るのって嫌だもん


楓:まぁ、確かにそうだね




楓:(N)しかし、その5日後、布美花さんの期待に反して、また、消しゴムが無くなった

楓:(N)今度も、同じさくら組の葵(あおい)ちゃんの消しゴムだった

楓:(N)けれど、葵ちゃんの消しゴムは、キティちゃんのではなく、ディズニーキャラクターの消しゴムだった



楓:(N)その次の日、私と布美花さんは、子供を幼稚園に送った後、この事件について話をした


布美花:もう・・・どうなってるんだろうね、また消しゴムが無くなるなんて


楓:うん、キティちゃんじゃなかったって事よね


布美花:いや、そこ?


楓:違うの?


布美花:いやいや、問題なのは、幼稚園で物がなくなったって事でしょ。

布美花:それも、何人もの私物(しぶつ)が盗まれたかもしれないんだから


楓:まぁ、そうなんだけど


布美花:幼稚園でも、園児が取った可能性もあるから、警察には届けないけど、大きな問題だと思ってるって言ってるんだし


楓:いや、それは分かるんだけどさ、

楓:外部の人間が侵入したとは思えないし、園内の誰かって事なら、それ程、大騒ぎする程でもないかなぁって

楓:これが、誘拐事件とかならまだしも


布美花:そりゃ、そうだけどさ


楓:だからさ、犯人は誰で、動機は何なのかって事の方が、興味があるのよ


布美花:だったら、子供が取ったのなら、動機は単に「欲しかった」で終わりでしょ

布美花:ママに「買って欲しい」っていうより、取っちゃったほうが早いと思ったとか


楓:だから、「どうして、欲しいと思ったのか」なのよ


布美花:それは・・・消しゴムが可愛かったから?


楓:でも、それなら1つ取ればいいんじゃない?

楓:由香ちゃんと、結菜(ゆいな)ちゃんの消しゴムは、「キティちゃん」の「同じ」消しゴムだったのよ


布美花:確かに・・・そう考えると不思議よね


楓:でしょ?


布美花:確かに、確かに

布美花:ちょっと、面白いわね


楓:でしょ、でしょ

楓:状況的に一番怪しいのは、担任の友美先生なんだけど、動機がないのよね・・・


布美花:うーん、じゃぁ、きっと犯人は子供よね


楓:どうして?


布美花:だって、大人だったとしたら、幼稚園の先生の誰かって事になるでしょ

布美花:先生が、生徒の使い掛けの消しゴムなんて、欲しがらないだろうし、

布美花:ましてや、幼稚園内で騒ぎになっているのに、わざわざ、3つ目の消しゴムを取ろうなんて思わないわよ


楓:そうよね、私も子供かなぁとは思ってるんだけど・・・何か引っかかるのよねぇ


布美花:うーん・・・

布美花:あ、そうだ!


楓:え? 何?


布美花:被害者は、全員、女の子なんだから、犯人は男の子だったりして

布美花:ほら、好きな子の物が欲しかったとか


楓:幼稚園児が? しかも3人の女の子を? 随分「ませた」男の子よね


布美花:今の時代なら、あるかもしれないじゃない?


楓:男の子ねぇ・・・男の子・・・男・・






楓:男の子・・・


布美花:どうしたの?


楓:今、ふと思った事があったんだけど


布美花:何を?


楓:いやいやいや、やっぱり、さすがに無いかなぁ


布美花:だから、何よ


楓:いや、いいよ、バカみたいな話だし


布美花:気になるじゃない、教えてよ


楓:うーん・・・


布美花:何?、何?


楓:・・・ロリコン?


布美花:え?


楓:いや、大人でも、ロリコンなら、何人もの女の子の物を取るって事も、あり得るかなって・・・


布美花:それなら、幼稚園にいる男の先生って、園長先生と、斎藤先生と、竹内先生の3人よね、その内の誰かって事?


楓:そうなんだけど、園長先生と竹内先生って、今の時期、近隣(きんりん)の小学校を回っていて、留守がちじゃない、

楓:昨日もいなかったし・・だから・・・


布美花:斎藤先生?


楓:・・うん・・・



布美花:(N)私と楓さんの間に、妙な空気が流れた・・・



楓:(N)沈黙は、数秒だったのか、もっと長かったのかは分からない、

楓:(N)そして、それを壊したのは、布美花さんだった



布美花:ま、まさか! それは流石(さすが)に考え過ぎよ


楓:そ、そうよね、流石にね


楓:だから、言ったじゃない、無いかなぁって


布美花:そうよ、ないない!

布美花:もう、楓さんって、小説の読み過ぎなんだって


楓:そうかもね、

楓:流石に、私も自分でどうかしてると思ったわ


布美花:ははは

布美花:じゃぁ、私、もう行くわ、お迎えまでに、洗濯もの干しちゃいたいから


楓:うん、私も行かなきゃ


布美花:うん、じゃぁね


楓:(N)私は、布美花さんと別れて家に向かった




楓:(N)そして、何もない数日が過ぎて行った


布美花:(N)しかし、最後の事件から2週間が経った木曜日、

布美花:(N)今度は「さくら組」のとなり、「バラ組」の園児、琴音(ことね)ちゃんのエンピツが無くなった


布美花:(N)私達がそれを知らされたのは、次の日の朝、子供を幼稚園に送った時だった


楓:(N)今度の事件は、「さくら組」でもなく、消しゴムでもなく、キャラクターものでも無かった

楓:(N)他の事件と共通していたのは、年長クラスの「女の子」の私物(しぶつ)という事だけだった



布美花:ねぇ・・


楓:うん・・・


布美花:どう思う・・・


楓:うん・・・


布美花:やっぱりさぁ・・・


楓:うん・・・


布美花:斎藤先生?


楓:いや、でも、まだハッキリとは・・・


布美花:でもさぁ、どう考えても


楓:うん、斎藤先生が怪しいよね・・・


布美花:それにさぁ、由香も含めて、被害者の女の子達って・・


楓:そうなのよ、みんな、よく似た感じの顔立ちなのよね


布美花:斎藤先生って、あぁいうのがタイプなのかな・・・


楓:うーん・・・


布美花:なんかさ、斎藤先生に、変な目で由香を見られてたのかと思うと、なんかこう・・気持ち悪いのよね

布美花:虫唾(むしず)が走るというか、腹が立つというか・・・


楓:うん・・・


布美花:楓さん、どうしたの?

布美花:さっきから、あんまり喋らないけど・・・


楓:幼稚園は、まだ斎藤先生の事に気づいてないんだよね?


布美花:そうだけど・・・

布美花:でも、もう斎藤先生で、確定っぽくない?


楓:うーん・・・でも、本当に斎藤先生なのかな?


布美花:何言ってるの、もともと楓さんが、斎藤先生が怪しいって言い出したんじゃない


楓:そうなんだけどさ、何か「これ!」っていう証拠というか「決め手」が無いのよね

楓:何か大事な事を見落としているような気がして、仕方ないのよ


布美花:それなら、斎藤先生の事を幼稚園に言えば、幼稚園が斎藤先生を調べてくれるんじゃない?


楓:そうなんだろうけど・・・でも、もしそれで、違ってたら?


布美花:違ってたらって・・・


楓:私達が幼稚園に「斎藤先生が怪しい」って言って、もし、違ってたら

楓:海斗(かいと)も由香ちゃんも、なんか幼稚園に居づらくなっちゃうじゃない、


布美花:それは、確かにそうだけど


楓:もう少しで卒園(そつえん)じゃない。 今更、他の幼稚園に変わるって訳にもいかないし


布美花:そっか


楓:やっぱり、「決め手」がいるのよね・・・


布美花:楓さん・・・




楓:(N)そして、その日の夜


自宅で旦那さんと話す楓


楓:ねぇ、いいでしょ? ね、お願い! この通り! お願いだから・・・


頷く影


楓:ホント? いいの? いいのね? やったぁ!







楓:(N)私はその週の土曜日、海斗(かいと)を旦那(だんな)に預けて、一人で街に出かけていた


楓:えーっと、確かこの辺りの筈(はず)だけど・・・


布美花:楓さん♪


楓:え? 布美花さん・・どうしたの? こんな所で・・・


布美花:楓さんこそ、こんな所で何をしてるの?


楓:何してるのって・・・えーと、それは・・・


布美花:斎藤先生の証拠探しでしょ?

布美花:斎藤先生の住まいって、確かこの辺りだもんね


楓:え? どうして?


布美花:それくらい、楓さんを見てれば分かるわよ


楓:そっか・・・バレてたのか

楓:じゃぁ、布美花さんは、どうしてここに?


布美花:私も一緒よ

布美花:旦那が出張中だから、由香を実家に預けて来た


楓:えーーー


布美花:楓さんは、素人(しろうと)なんだから、一人じゃ無理だって

布美花:だから、私が手伝ってあげるのよ


楓:でも、布美花さんだって素人でしょ?


布美花:そりゃそうよ、だから、楓さんと、二人でバディを組むんじゃない。 一人より二人の方が上手く行くって。

布美花:それに、私も素人だけど、あの探偵アニメは欠かさず見てるんだから、役には立つと思うわよ


楓:まぁ、アニメはともかく、そりゃ、一人よりは、布美花さんが居てくれれば心強いけど・・・


布美花:でしょ?

布美花:じゃぁ、二人でバディ結成ね、『ママ友探偵「さくら組」』!


楓:え? そういうノリ?


布美花:いいじゃない、楽しくて


楓:まぁ、嫌じゃないけど


布美花:でしょ、さぁ、行きましょ



楓:(N)こうして、私と布美花さんで、探偵コンビを結成して、斎藤先生が犯人という「決め手」を探し始めた


布美花:でもさぁ、証拠って言ったって、何を探せばいいんだろう?


楓:うーん、物的(ぶってき)な証拠があれば一番いいんだけど、斎藤先生の家に忍び込む訳にはいかないし

楓:せめて、先生がロリコンっていう事が分かる何かがあれば・・・


布美花:そうねぇ・・・何があるんだろう・・・、


楓:あ! あれ、斎藤先生じゃない?


布美花:(N)楓さんが、指さす交差点の向こうに、斎藤先生がいた


布美花:本当だ、斎藤先生、どこ行くんだろう


楓:とにかく、尾行してみましょうよ


布美花:そうね、何か分かるかもしれないし、

布美花:なんか、探偵っぽくて、ワクワクするわね。


楓:もう・・・そんなんじゃないって


布美花:分かってるって、さぁ、行きましょう



布美花:(N)そして、私達は、斎藤先生を尾行する事にした


布美花:(N)斎藤先生のその日の行動は、美容院に行って髪を切り、コンビニで立ち読みをした後に、喫茶店に入った





楓:(N)私達も、同じ喫茶店に入る事にした。

楓:(N)斎藤先生とは少し離れた席に座り、斎藤先生を見張る



布美花:でもさ、考えてみれば、ロリコンの証拠なんて、尾行して分かるものなのかなぁ・・


楓:そんな事言ったって、今は、尾行しか方法がないじゃない


布美花:確かにそうだけど・・・


楓:ねぇ、ねぇ

楓:斎藤先生って、誰かと待ち合わせをしているみたいじゃない?


布美花:そう言われてみれば、時間を気にしているみたいね


楓:誰と待ち合わせしてるんだろう・・・


布美花:ひょっとして、ロリコン仲間かもよ


楓:それは流石に・・・



楓:(N)10分程経った頃だろうか


布美花:あ、誰か来たみたいよ


楓:ホントだ・・・男の人・・・



布美花:(N)斎藤先生が待ち合わせていたのは、斎藤先生と同い年(おないどし)くらいの男性だった


布美花:やっぱり


楓:やっぱりって、まだ分からないじゃない


布美花:でも、ほら


楓:(N)斎藤先生と、連れの男性は、二人で、男性の持って来た雑誌を見ながら、何やら話をしていた


楓:ここからじゃ、何の雑誌か分からないね


布美花:あれは絶対、女の子が載ってる雑誌だって、アイドルとかアニメとか


楓:そうかなぁ


布美花:だってさ、男の人が、雑誌見ながら話す事って他に何かある?


楓:うーん


布美花:あ、帰るみたいよ


楓:(N)斎藤先生は、男性から雑誌を受け取ると、二人分の料金を払って外へ出た

楓:(N)私達も、その直ぐ後に喫茶店を後にした


布美花:あぁ、二人、別れちゃったわね

布美花:私は、あの男の人の方を追うから、楓さんは、斎藤先生を追って


楓:え?


布美花:ほら、ぐずぐずしてると、斎藤先生行っちゃうわよ


楓:う、うん、わかった


楓:(N)私は、布美花さんと別れて、引き続き斎藤先生を尾行した。






楓:(N)私は、斎藤先生を尾行したが、斎藤先生は喫茶店を出た後、そのまま自宅に帰り、それ以降、外に出る事は無かった

楓:(N)私は、何度も部屋を訪ねようかとは思ったが、その勇気が持てないまま、時間だけが過ぎて行った

楓:(N)気付かないまま、午後4時30分を過ぎた頃、布美花さんから電話がかかって来た


楓:もしもし


布美花:楓さん? もう時間になっちゃったから、悪いけど、私、もう帰らなきゃなの


楓:あ、ホントだ、もうこんな時間・・・私も帰らなきゃ


布美花:じゃぁ、また後で電話するね


楓:うん、わかった


楓:(N)少し名残惜(なごりお)しい感じはしたが、主婦である私は、夕飯を作る為に、家に帰らなければならなかった

楓:(N)手早く夕飯の買い物を済ませ、大急ぎで家に帰って、夕飯の支度(したく)をする




楓:(N)そして、その夕飯の支度をしている時、布美花さんから電話がかかって来た


布美花:楓さん、そっちはどうだった?


楓:それがね、斎藤先生は、あれから真っすぐ家に帰って、それからは、部屋から出て来なかったのよ


布美花:そっか・・・そっちは収穫なしだったのね


楓:「そっちは」って、布美花さんの方は、何か収穫があったの?


布美花:ええ、そりゃね


楓:そうなんだ、で、何がわかったの?


布美花:私の方は、あれから、あの男性に声を掛けて、斎藤先生の事を聞いてみたのよ


楓:えー! よくそんな事が出来たわね


布美花:そりゃ、探偵ですから


楓:・・・まぁ、それはいいとして

楓:それで?


布美花:それでね、偶然、斎藤先生と一緒に居るところを見かけたって事にして、斎藤先生に内緒でプレゼントがしたいから、いろいろ教えて欲しいってお願いしたのよ


楓:そうなんだ、よくそんな事思い付くね・・・で、それでどうだったの?


布美花:うん・・それがね・・・斎藤先生、来月結婚するんだって


楓:え!、ホントに?


布美花:そうなのよ、斎藤先生は、その男の人に、結婚式の二次会の幹事を頼んでたらしいのよ。

布美花:で、喫茶店では、雑誌を見せて、2次会の場所の説明をしてたんだって


楓:そうだったんだ・・・


布美花:うん・・・

布美花:それでね、ここからが肝心なんだけど


楓:うん


布美花:その男性に、斎藤先生の女性の好みとかも聞いてみたのよ


楓:そんな事も聞いたの? ・・・それで


布美花:それがね、斎藤先生は、「年上のお姉さんタイプ」が好きなんだって


楓:そう・・・なんだ・・


布美花:うん、結婚する人も、そういうタイプなんだって


楓:それだと、ロリコンとは程遠いよね


布美花:そうなのよね


楓:そっか・・なんだか、振り出しに戻っちゃったね


布美花:そうね・・

布美花:でも、まぁ、幼稚園に言わなくてよかったじゃない


楓:うん・・・


楓:(N)私は心のどこかでホッとしていたが、それ以上に、真犯人が誰なのかという事が気になって仕方がなかった

楓:(N)私達が思い違いをしていた何かを、もう一度、最初から整理して、考えてみないといけないなぁ


布美花:あ、そうだ、そういえば、今日、友美先生も見かけたわよ


楓:え? 友美先生って、担任の友美先生?


布美花:そう、ファミレスで、男の人と会ってたのよ


楓:へー、友美先生にも彼氏がいたんだね


布美花:それがさ、恋人って雰囲気じゃなかったのよ

布美花:友美先生も難しそうな顔してたし、何だったんだろうね


楓:それって、今日の帰りに見たんだよね?


布美花:そうよ、岬町(みさきちょう)のファミレス


楓:あれ? 友美先生って、たしか、山の手だったよね? どうして、わざわざ、そんな所で・・・


布美花:そんなの、男の方が、その辺りに住んでるからじゃないの?


楓:まぁ、そうか・・・


布美花:楓さん、


楓:え? 何?


布美花:今、斎藤先生の疑いが晴れちゃったからって、「今度は誰が怪しいだろう」とか考えてるんでしょ!


楓:え・・・それは・・・


布美花:もう、楓さん、考えすぎだって


楓:そっか


布美花:そうよ、事件は一旦、振り出しに戻ったんだから、もう一度、最初から考えようよ


楓:そうだね


布美花:明日の日曜日はどうするの?


楓:今日一日、家事をサボっちゃったから、さすがに明日は、家の事をやらなきゃね


布美花:そうだね、じゃぁ、また月曜日ね


楓:うん、それじゃぁ


楓:(N)そう言って、私は電話を切った

楓:(N)そして、私は何とも言えない、もやもやした気持ちを抱えながら、夜を過ごす事となった






楓:(N)私はもう一度、今回の事件を整理して考えてみる

楓:(N)今、見えているものは、被害者の年齢が5歳くらいの女の子ばかりだという事

楓:(N)他に何かあるだろうか・・

楓:(N)あ、そういえば・・・いや、でも流石にそんな事は・・



布美花:(N)斎藤先生の尾行から数日たった水曜日の朝、いつもの様に、由香を幼稚園に送りに行く

布美花:(N)幼稚園へ向かう途中で、私はよく、琴音(ことね)ちゃんのママと一緒になる

布美花:(N)琴音ちゃんのママは、シングルマザーで、いつも忙しそうにしている

布美花:(N)そういえば、琴音ちゃんも、盗難の被害者だったわね



楓:(N)私は、最近、毎日、盗難事件について考えながら、海斗(かいと)を幼稚園へ送っている

楓:(N)しかし、幾ら考えても、解決の糸口が見えない・・ただ一つの非現実的な可能性を除けばなんだけど・・


布美花:(N)私と琴音ちゃんのママは、いつもの交差点を曲がった

布美花:(N)すると、向こうの方に、海斗君を連れた、楓さんが見えた、


布美花:楓さーん!


楓:(N)名前を呼ばれて振り返ると、布美花さんが私に向かって手を振っていた


楓:あぁ、布美花さん


楓:(N)私が、布美花さんに向けて、手を振ろうとしたその時




布美花:きゃぁ!


楓:(N)布美花さん達の、後ろから来た黒い車が、突然、布美花さん達の横で止まり、二人の男が降りて来た

楓:(N)男達は、布美花さんと、琴音ちゃんのママを突き飛ばし、琴音ちゃんだけを車に乗せて、連れ去ってしまった

楓:(N)そして、琴音ちゃんを乗せた車は、勢いよく、私の前を通り過ぎて行った


楓:え? まさか・・


楓:(N)私は、急いで、布美花さん達のところに駆け寄った


楓:布美花さん、大丈夫? 琴音ちゃんのママも


布美花:私は大丈夫だけど、琴音ちゃんが


楓:ええ、とにかく警察に連絡しましょう


布美花:そうね


布美花:(N)私は警察に電話をし、事の次第を説明した

布美花:(N)琴音ちゃんのママに、犯人についての、心当たりを聞いてみたが、オロオロするばかりで、話が聞ける状態ではなかった

布美花:(N)私達は、琴音ちゃんのママを幼稚園に連れて行き、警察を待つ事にした。



楓:(N)幼稚園につくと、園長先生に事情を話し、私達は警察が来るまで、一旦、職員室で待つ事となった。





楓:(N)この時、私の頭の中で渦巻(うずま)いていた、ある種の疑念は、既に確信へと変わっていた

楓:(N)そして、みんなが困惑し、落ち着けずにいる、その職員室の中で、私は友美先生の元へと歩み寄った


楓:友美先生、今回の琴音ちゃんの誘拐事件、何か心当たりはありませんか?


布美花:楓さん、どうしたの、突然、

布美花:それに、友美先生がって、どういう事?


楓:園児の私物を盗んでいたのは、友美先生なのよ。

楓:そうですよね? 先生


布美花:そんな・・でも、どうして?


楓:ある人物を探していたのよ。


布美花:ある人物って?


楓:多分だけど、どこかの大金持ちの、落とし子か、何かの事情で必要になった、跡取りとか、遺産相続の権利を持つ孫(まご)とか


布美花:え?


楓:でも、その人物について分かっていたのは、5歳の女の子という事と、顔の特徴、住んでいる地域・・・

楓:それくらいだったんじゃないかな


楓:ねぇ、先生。 だから、顔の特徴が似た子の私物を盗んで、指紋を調べていたんじゃないんですか?


布美花:(N)友美先生の表情が凍り付くのが分かる


布美花:でも、もしそうだとして、どうして友美先生が盗んだって分かるのよ。 他の先生だって


楓:何かを虱潰(しらみつぶ)しにする時って、まず、身近な所からやるでしょ?

楓:だから、「さくら組」の園児から盗まれたのなら、友美先生が一番怪しいのよ


布美花:それは分かるけど、でも、それって、単なる状況証拠でしかないんじゃない?


楓:布美花さんの言う通り、これは、あくまでも私の推理だし、勿論、状況証拠でしかないよ


布美花:そうだよね、だったら


楓:でも、調べたら、出てくると思うよ、琴音ちゃんの筆箱とかから、友美先生の指紋が、

楓:そして、おそらく、バラ組の他の園児の私物からは、友美先生の指紋は出て来ない


布美花:あ!


楓:さて、どうして、隣のクラスの先生の指紋が、琴音ちゃんの私物にだけ付いているのか、先生は説明できますか?


布美花:(N)楓さんの問い詰めに、友美先生は、その場に座り込んでしまった


楓:さぁ、友美先生、答えて下さい。 琴音ちゃんを誘拐した犯人は、誰で、今、どこにいるんですか?


布美花:(N)友美先生は、観念したのか、正直に話し始めた

布美花:(N)しかし、友美先生は、犯人については、殆(ほとん)ど知らなかった






楓:(N)友美先生は、街で声を掛けてきた男と、園児の私物を1つ1万円で取引をしていた。

楓:(N)男の目的は教えてもらえず、連絡も男から一方的に、非通知で掛かってくるだけだったようだ

楓:(N)そして、土曜日に、布美花さんが見たという、友美先生と会っていた男が、その男だという事だった


布美花:よくも、まぁ、そんな取引をしたものね。

布美花:どう見たって、怪しいじゃない

布美花:ホント、最近の若い子は・・


楓:そんな事より、琴音ちゃんを探さなきゃ


布美花:そりゃそうだけど、どうやって探すのよ

布美花:それに、そういう事は、警察に任せるべきでしょ


楓:犯人は、多分、まだ、岬町(みさきちょう)の近くのどこかに居ると思うのよ

楓:でも、琴音ちゃんを誘拐した後だと、場所を変えちゃう可能性が高いのよ、

楓:友美先生から場所が知られる危険があるから


布美花:いや、そうかもしれないけどさ


楓:布美花さんは、警察がここに来たら、経緯(いきさつ)を説明して。

楓:私は、ちょっと、琴音ちゃんを探してくる


布美花:ちょっと、楓さん





楓:(N)私はタクシーを拾い、急いで、布美花さんが、友美先生を見かけた、岬町方面へと向かった

楓:(N)岬町の直ぐ近くには、貨物(かもつ)の倉庫街がある。

楓:(N)犯行に使った車は、おそらく盗難車だろうけど、車を隠す事を考えれば、人気のない倉庫街が一番怪しい

楓:(N)私はタクシーの運転手さんに、その倉庫街へと向かってもらった


楓:この辺りなんだろうけど・・


楓:(N)私は倉庫街を探して回った

楓:(N)そして、いくつも並ぶ倉庫の中に、シャッターが半分開いている倉庫を見つけた


楓:あれは・・


楓:(N)その倉庫に近づいて、建物の中を覗(のぞ)いてみると、中に黒い車が止めてあるのが見えた


楓:あの車・・・確か、あんな感じの車だったと思うけど・・


楓:(N)車に詳しくない私は、あの車が犯行に使われた車かどうか、確信が持てなかった、しかも、車のナンバーも覚えていない

楓:(N)困っていた所に、布美花さんから電話がかかって来た


楓:もしもし


布美花:あ、楓さん?

布美花:今、警察の人と話をしててね、琴音ちゃんを連れ去った車の車種と、ナンバープレートの番号を聞かれてるんだけど

布美花:私、分からなくて・・楓さん、知らない?


楓:私も、車種とかは分からないのよ、ナンバーも覚えてないの


布美花:そっか・・で、楓さんは、今どこにいるの? 何か分かった事でもあるの?


楓:それがね、思った通り・・・あっ!


布美花:あれ? 楓さん、どうしたの? 楓さん! 楓さん!


楓:(N)私は急に後ろから口を塞がれた。 強い力で羽交い絞(はがいじ)めにされ、建物の中に連れて行かれた。

楓:(N)私が連れて行かれた先には、琴音ちゃんが、目隠しをされ、ロープで縛られていた


楓:琴音ちゃん!


楓:(N)琴音ちゃんを見るや否や、私はロープで縛られ、目と耳を塞がれてしまった・・





楓:(N)あれから、どれくらい時間が経っただろうか・・・私は目と耳を塞がれている為か、時間の感覚が無くなっていた

楓:(N)誘拐犯(ゆうかいはん)たちは、私を殺す算段でもしているのだろうか・・

楓:(N)誘拐犯にとって、琴音ちゃんを、生かしておく価値はあるだろうけど、

楓:(N)私を生かしておく理由など殆どない。 殺されるなら、私からかなぁ・・

楓:(N)私は、いつ殺されてもおかしくないような、こんな状況の中で、自分でも不思議なほど冷静だった



楓:(N)それから少しして、誰かが、私の体を掴んだ

楓:(N)あぁ、殺されるんだ・・・私は漠然とそう思った、その時


布美花:楓さん!


楓:(N)目隠しを外されて、最初に目に入った人物は、布美花さんだった


楓:布美花さん・・・

楓:あぁぁぁ布美花さん、怖かったあぁ


楓:(N)あれだけ冷静だったのが、まるで嘘だったかのように、私の目からは、涙がボロボロ流れて止まらなかった



布美花:(N)楓さんの電話が途中で途切れた事で、私は楓さんのいた場所に、誘拐犯もいる事を確信した

布美花:(N)私は、楓さんの最後の「思った通り」という言葉から、「岬町近くの倉庫街」という答えを導き出し、警察と共に倉庫街へと向かった。

布美花:(N)そして、そこで、今まさに、逃走しようとしていた誘拐犯らを見つけて逮捕し、事件は解決した。


布美花:(N)ちなみに、誘拐犯は、楓さんを殺す気は、全くなく、倉庫に置き去りにして逃げるつもりだったようだ







楓:事件が解決したという事で、今回の事件について、改めて考えて見ましょう。


布美花:楓さん! もう、無事だったから良かったようなものの、本当に心配したんだからね


楓:いや、ホント、ごめんなさい


布美花:ったく、


楓:でも、私の活躍があったから、犯人を捕まえられたんじゃない

楓:警察から、表彰状を貰ってもいいくらいだと思うけどなぁ


布美花:(N)でも、そんな、楓さんの期待に反して、楓さんは、警察から「危険な行為」をしたとして、こっぴどく怒られてしまいました



楓:(N)まぁ、それはいいとして・・・

楓:(N)その後、警察の人が今回の事件の真相を、私達に教えてくれた。



布美花:(N)日本でも、5本の指に入る資産を持つと言われる「高見(たかみ)財閥」の、一人息子の、誠一郎(せいいちろう)さんと、琴音ちゃんのママとの間に、琴音ちゃんが産まれた。

布美花:(N)この時、まだ二人は結婚をしていなかった為、誠一郎さんの父親で、高見財閥の総帥(そうすい)、高見義之(たかみ よしゆき)氏が、この二人の結婚を認めずに、二人を強引に別れさせた。



楓:ひどい話だと思うけど、財閥とか、お金持ちの人達の世界では、よくある話なんだろうか



布美花:(N)義之(よしゆき)氏は、誠一郎さんに、自分の気に入った女性と結婚させようとするが、誠一郎さんは、これを拒み続けた。

布美花:(N)そして、誠一郎さんは、結婚をしないまま、2カ月前、交通事故で亡くなってしまったのだという。



楓:結局、これで、義之氏の、血を引く人間は、琴音ちゃんだけになっちゃった訳ね



布美花:(N)義之氏は、慌てて琴音ちゃんを探そうとするが、手掛かりがなく調査は難航(なんこう)する。

布美花:(N)というのも、誠一郎さんは、義之氏に、琴音ちゃん達の事を、一切教えていなかったからだ。



楓:そりゃ、言わないでしょうね、義之氏も聞こうとは、しなかったでしょうし



布美花:(N)しかし、誠一郎さんは、別れさせれられてから、数年間、琴音ちゃんのママとは、連絡をとっていたようで、

布美花:(N)小さな女の子が描いたと思われる絵と、顔写真の入った封筒を大切に持っていた

布美花:(N)封筒には、差出人の住所は書いておらず、名前も偽名だったようだ



楓:住所もなく、名前が偽名でも、状況的に、それは、琴音ちゃんのママしか考えられないね



布美花:(N)その手紙を遺品整理の時に見つけた、高見家の使用人が、義之氏には教えずに、こっそりと持ち出し、

布美花:(N)それを知人に渡し、身代金を目的に、今回の犯行を計画したとの事だった



楓:なるほど、それで、写真からは顔、絵からは指紋、封筒の配達記録から、大体の住所を知ったという訳ね



布美花:ちなみに、警察によると、誘拐犯は、他の幼稚園でも、消しゴムやエンピツの盗難事件を起こしていたんですって


楓:まぁ、大まかな住所からじゃ、幼稚園は特定しきれないもんね・・・



布美花:(N)こうして、由香の消しゴムが無くなったという、些細(ささい)な出来事から始まった、今回の騒動は

布美花:(N)一連の盗難事件に、そして、最後は誘拐事件にまで発展し、犯人の逮捕という結末で幕を閉じた。





楓:(N)この騒動の後の「ひまわり幼稚園」は、ただただ、平凡な日常が続いた。

楓:(N)そして、『ママ友探偵「さくら組」』の出番が、再び訪れる事もなく、

楓:(N)次の年の3月、海斗(かいと)達は「ひまわり幼稚園」を卒園する事となった



楓:(N)そして、海斗達の卒園と同時に、私と布美花さんの、『ママ友探偵「さくら組」』も、静かに解散をした




布美花:でも、いつでも復活するけどね、「さくら組」


楓:そんな事件が起きたらね


完了

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