黄金双球機神ダイコーガン

@TELLUS-YP

第1話 限りなく二つ、限りなく脆い玉

 時は西暦2050年。世界的な食料危機が起こり、国際間の緊張が高まり、戦争が起ころうとしたその時である。


 世界各地の地底より、機械と生き物が合体したような兵器の勢力「ニクボーグ」が突如として出現。世界は大混乱に包まれた。


 ある1人の老人はこの未曾有の危機を予測していたが、誰も信じる事は無く、ついにニクボーグの魔の手が挙がってしまったが、老人は密かに決戦兵器たるスーパーロボットをつくりあげていた。


 金玉寺叩鳴(きんぎょくじ こうめい)。

彼の人生のおよそ半分が、スーパーロボット、

「ダイコーガン」に費やされてきた。


「後は乗り手の問題か──ワシには無理だが、どうしたものか──」


「じいさん!」

 若くやかましい声が彼を呼ぶ。


「なんじゃおまえか」

 冷たく返す金玉寺。昔から彼のラボに忍び込んでは怒られて育った少年は特に気にせず、ダイコーガンに目をやる。


「本当にロボット作ってたんだな」

「誰も今起きている事を信じてくれんかったがな」

「ダイコーガン…だっけ。じいさんが乗るの?」

「なわけなかろう。お前が乗れ」

「いいの!?おっしゃー!」

「ただし無理はせんようにな。危なかったら戻ってこい」


 瀬群田仁(せぐんだ じん)。

金玉寺にダイコーガンを託され、世界を救う戦いに身を投じる少年の名である。

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