その時、俺は……。

「それで直也君とは昨日メールで、痴漢する約束をしたんです。場所と日付と時間帯と本人の写メも貰ったのに。自分は間違えて、貴方に痴漢してしまいました。本当、すみませんでした……!」


 痴漢男はそう言って頭を下げると土下座した。


『だいたいお前、謝るならその変な格好なんとかしろよ! マスクとサングラスとダサいコートと帽子を脱げ!』


「あっ…!」


「変装して痴漢するなんて、卑怯だぞ!」


そう言って掴みかかると、男の変装姿を暴いた。すると、俺はそこで固まった。


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