第17話ふわふわ

あなたの写真を見ながら、ふと考える。


そういえば、言われるがままに口紅を付けてみたり、可愛い服を着て歩いてみたり。


あなたの卒がない言葉に、あたしは何の躊躇いもなく動かされていた。


楽しかったな……


あなたの写真を机に伏せ、あたしも同じように顔を伏せてみる。


声が聞きたい。

けどもう。

あなたから離れると決めたから。


でも、寂しいな……


顔を上げ、窓越しから見える月に想いを託す。


“ふわふわした気持ちが混じった夜を越える力を下さい”と。


ふぅっと息を吐いたあたしは、誰もいない暗い部屋で1人微笑む。


“なんだ、高い壁は笑顔1つで乗り越えられるのか”


そんな簡単なことにようやく気付いたあたしは、次に出会う人には最高の笑顔で迎えようと誓った。


その人が次に会う人に笑顔で触れ合えるように……


令和3(2021)年11月2日5:11~5:30作成


Mのお題

令和3(2021)年10月22日

「羊文学 夜を超えて」

※曲を聞いて物語を作るお題です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る