第23話 黄金のカブトムシ ○

 10階層に戻って来た僕は、再び死角になった横穴を見つけ身体を潜り込ませた。周りの様子を確認し、安全が確保できたので早速進化するぞ。もう、進化先は決めているのだ。


 僕はステータスを開き、進化先のサンダービートルの名前を念じた。


 いつものように身体が輝き……


種族 サンダービートル(変異種)

名前 なし

ランク C

レベル  1 

体力    200/200

魔力    300/300

攻撃力   190

防御力   250

魔法攻撃力 350

魔法防御力 350

敏捷    180


スキル

特殊進化

言語理解

詠唱破棄

アイテムボックス Lv17

鑑定 Lv16

思考加速 Lv16

生命探知 Lv17

魔力探知 Lv17

敵意察知 Lv16

危機察知 Lv10

体力自動回復 Lv14

魔力自動回復 Lv17

光魔法 Lv16

水魔法 Lv19

風魔法 Lv10

土魔法 Lv10

雷魔法 Lv10 New!

時空魔法 Lv9

重力魔法 Lv9

猛毒生成 Lv16

麻痺毒生成 Lv12

睡眠毒生成 Lv12

混乱毒生成 Lv12

痛覚耐性 Lv12

猛毒耐性 Lv16

麻痺耐性 Lv12

睡眠耐性 Lv12

混乱耐性 Lv12

幻惑耐性 Lv7

水耐性 Lv10 New!

雷耐性 Lv10 New!

瘴気 Lv12

飛翔 Lv10

硬化 Lv10

雷纏 Lv10 New!


称号

転生者 

スキルコレクター

進化者

大物食いジャイアントキリング

暗殺者

同族殺し


 むむむ、レベル1になったのにステータスがほとんど下がっていない。というか、下がっていないどころか上がっている項目まであるぞ。

 それに、新しいスキルを4つも覚えたようだ。雷魔法と耐性2つは鑑定するまでもないが、よくわからないのは"雷纏"か。どれどれ、『身体に雷の鎧を纏い触れた者を感電させる』とな。

 そう言えばさっきから、バチバチいいながら身体の周りを小さな雷が駆け巡っている。これはこれで格好いいのだが、音もうるさいし目立って仕方がない。どうにか消せないかな?


 僕は身体から溢れる魔力のようなものを押さえるように意識すると、身体を纏っている雷も次第に小さくなり消えていった。よかった、任意で出したり消したりできるようだ。


 ところで先ほどより随分と明るくなった気がする。地下迷宮ダンジョン内は基本的に地面や天井がほんのりと輝いているので、真っ暗になることはない。階段は別だけど。この横穴もボヤッと明るかったんだけど、今は何だか照明が当たっているかのように輝いている。そして、その照明はというと……僕の身体かい!


 どうやら洞窟の明かりが僕の身体に反射して、光り輝いているように見えているようだ。そっと自分の脚を見てみると――


 金色に輝いていた……


 おおう、銀色のカブトムシから金色のカブトムシになってしまった。もう、ひっそり暮らすのは難しいかもしれない。


 僕は金色に輝く身体で横穴から這いだした。基本ステータスは相当に高いが、上げれるレベルはしっかり上げておかねばならない。まずはもう一度15階層まで降りて、B,Cランクの魔物を中心に狩っていこうと思う。


 せっかくなので、新しく覚えた"雷纏"をオンにし雷を纏った。すぐに身体の周りをバチバチと雷が迸る。その状態のまま、高速で飛行していくと……出会った魔物はすれ違うだけで感電し倒れてしまった。Dランク程度の魔物なら、"雷纏"に触れただけで死んでしまうみたいだ。随分楽なレベル上げだ。

 ちなみにこの"雷纏"オンにしておくと、威力に応じた魔力を常に消費している。半径1mくらいに影響を与える範囲なら、魔力の回復速度と同じくらいのようで現に今の僕は魔力の回復が止まっている。これ以上、その範囲を広げれば、魔力が減っていくだろう。


 さらに飛翔スキルも上がっているので、戻ってくるときよりも早く15階層へ着くことができた。道中の魔物を倒したことで、レベルも20まで上がっている。そう言えば、進化したことにより全てのスキルのレベルが1ずつ上がっていて、未だに使えない"時空魔法"と"重力魔法"がLv9になった。10まで上がれば何かが変わるのではないかと密かに期待している。

 ついでに他の魔法のスキルもレベルが上がっていて、水魔法はあと1上がれば第2階位の魔法を覚えることができる。光魔法は第3階位の"シャイニングレイン"を覚えた。"シャイニングアロー"を上空から何百本と降らせる、範囲型殲滅魔法って感じだ。土魔法と風魔法も第4階位を使えるようになったし、雷魔法も覚えたてなのに風魔法や土魔法と同じレベルだった。どういう仕組みかはわからないけど、地味にありがたい。


 僕はしばらく15階層でレベルを上げていたのだが、35を超えたあたりから上がり方が鈍くなっている。ランクが上がって必要な経験値が増えたのと、強くなりすぎたせいか魔物が僕と出会うなり逃げ出してしまうのが原因だ。仕方がないので、何とか40まで上げてこの地下迷宮ダンジョンでのレベル上げは終わりにしよう思う。




 

 結局、この地下迷宮ダンジョンには1週間ほどお世話になった。出る時はどうしようかと思っていたけど、入る時より簡単に出ることができた。衛兵さんが地下迷宮ダンジョンに入ろうとしている冒険者をチェックしている隙に出られたから。ちょうど逆光で光り輝く僕の身体が隠されていたのも幸いした。


 地下迷宮ダンジョンから出た僕は、一旦木の上に身を隠した。この地下迷宮ダンジョン以外の情報がないかを探すためだ。


 僕がそっと聞き耳を立てていると、色々なところでちょっとした広がっている噂話があった。何でも階層をまたぐ魔物が現れたとか、魔物同士が戦っていたとか何とか……


 なんと恐ろしい……


 そんな魔物に狙われたら逃げ切れないじゃないか。大抵の魔物は階層をまたぐことができないから、危なくなったら違う階層に逃げようと思っていたのに。

 でも、滅多に出ない魔物のようだから、出会わないことを祈っておこう。


 それから2,3日かけて情報を集めたけど、次はここから南にあるヴェルデリン王国の王都を目指すのがよさそうだとわかった。なぜなら、王都の西には天国への扉ヘブンズドアーという地下迷宮ダンジョンがあるからだ。天国への扉ヘブンズドアーは地下40階層以上からなると言われている地下迷宮ダンジョンで、未だに最下層まで踏破されていないらしい。


 天国への扉ヘブンズドアーという名前には一攫千金を期待できるという意味と、死亡率が高いという2つの意味合いがあるようだ。そこの下層ではAランクの魔物がウロウロしているとか。


(よし、次は王都……というか天国への扉ヘブンズドアーでレベル上げをするか)


 王都への道のりは馬車で1週間ほどかかるそうだ。今の僕なら休まず飛んで2日くらいかな。


 僕はここウェーベルの街に別れを告げ、王都目指して飛んで行くのだった。


種族 サンダービートル(変異種)

名前 なし

ランク C

レベル 40 

体力    278/278

魔力    417/417

攻撃力   268

防御力   328

魔法攻撃力 467

魔法防御力 467

敏捷    258


スキル

特殊進化

言語理解

詠唱破棄

アイテムボックス Lv18

鑑定 Lv17

思考加速 Lv17

生命探知 Lv18

魔力探知 Lv18

敵意察知 Lv17

危機察知 Lv12

体力自動回復 Lv15

魔力自動回復 Lv18

光魔法 Lv17

水魔法 Lv20

風魔法 Lv11

土魔法 Lv11

雷魔法 Lv11

時空魔法 Lv9

重力魔法 Lv9

猛毒生成 Lv17

麻痺毒生成 Lv13

睡眠毒生成 Lv13

混乱毒生成 Lv13

痛覚耐性 Lv13

猛毒耐性 Lv17

麻痺耐性 Lv13

睡眠耐性 Lv13

混乱耐性 Lv13

幻惑耐性 Lv8

水耐性 Lv11

雷耐性 Lv11

瘴気 Lv13

飛翔 Lv11

硬化 Lv11

雷纏 Lv11


称号

転生者 

スキルコレクター

進化者

大物食いジャイアントキリング

暗殺者

同族殺し

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