一国の姫(女性ひとり読み)

Danzig

第1話


(姫が殿様に謁見している。)



え?

父上、それはどういう・・・・



そ、そんな・・・・



嫌でござります。


嫌と言ったら、嫌でござります。

わらわはそんな所には嫁ぎとうはござりませぬ


父上は日頃申されていたではございりませぬか

嫁になど行かぬでも良い、ずっとこの城におればよいと

わらわはその言葉を信じておりました

なのに何故・・・



父上!



それに先程のお話、

あれでは、わらわは人質と同じではござりませぬか



何故、わらわが人質などに・・・・


(事情を話し始める殿様)


え?

父上、それは真なのですか?

そんなに今この国は危ういのですか?



そんな事・・・・わらわは何も・・・・


も、もし・・・

わららが、そこに嫁げば、この国は救われるのでございますか?


左様でござりますか・・・・



わ、わらわは・・・・

わらわは、父上とは離れとうはござりませぬ

しかし、わらわも一国の姫

わらわ一人の命でこの国が救われるのでしたら

わらわは人質にでも何にでもなりましょう



父上・・・・



わかりました

では、父上の仰るように致します


父上様

不束者(ふつつかもの)ではございましたが

長い間・・・

わらわをお側に置いてくださいまて、

真にありがとうござりました・・・・



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