24ページ目.たとえばこんなラヴ・タトゥー

「あたしなら、相手の女の子とどんなことしたいかな〜」


 海野うんのさんはミニスカートからすらりと出ている足を組んで考え始めた。


「あの……、別に今日じゃなくてもいいから……」


 わたしは海野さんに無理をさせないようにと気をつかう。


 そんなわたしの気づかいを知ってか知らずか、

 海野さんはポンと膝を叩き、


「そうだ! こんなのどう? お互いの体の服で隠れてるところに相手の名前をペンで書いて、一日学校で過ごすの。もし、他の子に見つかったら、二人はただならぬ関係だとバレてしまうっていうスリルを楽しむの! 名付けて秘密のラヴネーム・タトゥー!」


 と楽しげに言った。


「はぁ」


 わたしは体から空気が漏れるような返事をした。


「ダメかな?」


 海野さんが尋ねてくる。


「あっ、いやっ、すごくいいアイデアだと思う。わたしじゃ思いつかないし、ぜひ使わせてもらおうかと……」


「マジ!? あたしのアイデアが絵になるなんて楽しみ! できたらすぐ見せてよ!」


 海野さんは目を輝かせて言った。


 どうせわたしひとりじゃアイデアが浮かばなかったところだから……、海野さんの知恵を拝借しようかな。


 と、そんなやり取りを交わして、隣の席の海野さんとわたしは親交を深めた。


 でも一応、このアイデア、阿舞野あぶの先輩にも伝えておいた方がいいよね。


 先輩も続きを楽しみにしてるって言ってくれてたし。

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