設定賞
設定賞は『赤ずきんとオオカミくんはハッピーエンドを果たしたい!(作者:加峰椿)』です。
作品リンク→https://kakuyomu.jp/works/16817330658423594157
○愚弟・評
童話を下敷きにするというある種のテンプレでありながら、調理の仕方によって綺麗にダークファンタジーとして成立している。
圧倒的な文章に文章賞、いや大賞を与えたい気持ちもあった。しかし良くも悪くも我が道を進んでいる文章には読者を置いてけぼりに瞬間があった。そこで、独自の世界観を築いているという点において設定賞が相応しいとの結論に至った。
やはり注目したいのは『譚訂』というワードだ。これひとつで作品の方向性がビシッと決まる、そんな造語だ。背後に滲む物語、設定、それら全てを内包する厚みを持った単語である。
物語の伝え方が拙いとは思ったが作者曰く三年前の作品らしい。末恐ろしい。
どうか書き続けて完結させてほしいと一読者として思うばかりである。
○小山・評
厨二病……それは僕たちの心に潜む闇……。
本作は童話系のダークファンタジー作品に当たる。
この手の本当は怖い童話というモチーフは中高生向けのエンタメとして想像以上に市場を獲得しているのだ。
大賞に、という話もあったのだが設定の面白さやキャラの掛け合いの外連味に反して、文章があまり読者の方を向いていない点が気にかかった。
突飛な設定や展開が続くのは良いことではあるのだが、それに関する説明が不十分な箇所が多く、突飛なだけではなく理解も妨げがちである。
モチーフがとても面白いのは確かなのだから、それに伴って設定賞に見合う作品だろうという話になった。
まぁ色々書いたけれど、「譚訂」というワードを出せた時点でこの作品は大勝利している。話を直す探偵なのだから「譚訂」以外の表現はあり得ないのだが、ではそれを思いつけるかといえば僕には全く無理な話だ。
正直そのワードセンスにすっかり痺れてしまったので、ファンにならないという選択肢は存在しなかった。
ブラッシュアップするか次の作品にいくかはわからないが、今後が非常に楽しみである。
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