PM11：00

第1話

今日も仕事で帰りが遅くなる。

遅くなるのは、ここ最近は、いつもの事。

遅く帰っていい事なんて、

帰りの電車が混んでない事くらいかな

最寄り駅で降りてから、家に向かってとぼとぼと歩く

冷蔵庫には、まだいろいろ

食材が残っているんだけど、

今日は仕事で疲れたから、

夕飯を作る気力が沸かない。

かと言って、

どこかで食事をしていくのすら、

億劫（おっくう）に思う。

結局、

コンビニで何かを買って済ませてしまう。

以前は、ラーメンを食べて帰るのが、好きだったんだけどなぁ

今は、そんな気にもなれない。

ラーメンを食べるのって、

結構元気がいるのよね。

そんな事じゃ、いけないと思いながらも

ついつい、楽な方へ流されてしまう。

やっぱり、私には癒しが足りないのかなぁ

あぁ、

どこか辺鄙（へんぴ）な温泉宿にでも行きたいなぁ

温泉に入って、

湯上りにのんびりして、

美味しいごはん食べて、お酒のんで・・・

仕事の愚痴とかじゃなくて、

楽しい事について語りたいなぁ

今度お金が入ったら、

ちょっと奮発（ふんぱつ）して

服か、コスメでも買っちゃおうかなぁ

家に帰って、シャワーを浴びて、食事を済ます。

今日の夕食は、

コンビニの総菜二品とサラダ

あとは、レモンチューハイ

最近は、甘くないのが売っているから嬉しい

お酒を飲んだせいか、

それとも、

食事をして少し元気になったせいか

ベランダに出て星を見てみる。

そういえば、星を見るなんて、

最近なかったなぁ

今日は月も綺麗で、

見える星も何となく多い気がする。

こんな星空を見ていると、

やっぱりあなたの事を考えてしまう

ねぇ、覚えてる

私達が付き合いだした頃の事。

私はあなたに「お互い干渉しあわない関係がいい」だなんて

ヨーロッパ映画をこじらせちゃったような事言っちゃったわね。

あなたは、それに付き合ってくれて、

なるべく干渉しないようにしてくれたけど、

でも、結局、

私はあなたの事が気になるし

、

あなたに放っておかれると、

寂しくなってしまう。

これって、あなたとの関係だけじゃなくて、

仕事でも友人関係でも同じ事だった

自分の憧れた事や、

目指したい事には、

当然のように、私自身の努力や我慢が必要なのに

それが出来ない事に言い訳をして

誰かが用意してくれるのを待ってるだけ

そんなんじゃ、いつまでたっても、

自分の理想なんて手に入らないのにね。

でも、

それが分かっていても、なかなか出来ない。

仕事や友人関係や恋人関係や

そういったものが、一杯一杯になっちゃうと、

もう全部なくしてしまって、

暫く何もせずに一人になりたいと思うけど、

人寂しくなると、あなたが居てくれてよかったと思ってしまう

でも、

あなたが居てくれて良かったと思う反面

あなたを逃げ場にしている自分が

情けなくなるの。

だから、少しの間、

あなたに連絡しないなんて言っちゃったのね。

ホント、面倒くさいわよね、私って

やっぱり、私達は

別れた方がいいかもしれないわね。

いや、私達という言い方はズルいかな。

あなたは悪くないもの

今回も、全部私の勝手な我儘だし

別れたら、別れたで、

また寂しくなって、

別れた事を後悔するんだろうなぁ

あなたは優しいし

私は寂しがり屋

そこまで分かってても、

やっぱり別れた方がいい

そんな気がする

さて、今日はもう寝ようかな

明日、あなたに連絡するわね。

おやすみなさい