第9話 すいちゃんが蜜ちゃんを好きな理由
弟は私とすいちゃんを見て言った。
『すいさんは姉ちゃんのどこが好きなんですか?僕にとって姉ちゃんはいつも本を読んだり、音楽聴いたり自分の世界を持っていて凄いなくらいしか分からないので。あと、お母さんとよくぶつかります。それくらいです』
すると、すいちゃんはノンアルコールのビールを飲みながら言った。
『私と蜜ちゃんが会った日は雨の日だったの。傘もささずに泣きながら歩く女の子がいてね。それが、蜜ちゃんだった。私は居ても立っても居られなくて、声をかけて私の家に迎え入れたの。そしたら、急に元気になってまるでワンコみたいだった。その姿が今でも忘れられないな。私はあの日、蜜ちゃんを見つけられて良かったと思ったの。もしかしたら、あの日出会わなかったら蜜は消えていたかもしれないから』
すいちゃんにとって蜜ちゃんはワンコみたいな存在だった。
それだけを弟の豊は脳内でメモったのだった。
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