第15話 規格外の杖。

#2024/06/30 誤字脱字の訂正、文章の編集を行いました。



「ティナ、魔石って何に使うの?」


ティナがこてっと首を傾げた。


なにその仕草可愛いんですけど。ティナさん


まぁ何を今さらって感じだと思うけれど。


ティナ「魔石に魔力を貯められますね。そしてその貯めた魔力を使えますね」


「うん」


ティナ「魔石の特性を利用をした武器や防具もあります。他にも魔道具とか色々と使われていますね」


ウ~ン……魔石を使わず銃とか作っちゃったけど?チート過ぎだったかも?


「他にはないの?」


ティナ「ウ~ン……」


頬に手を当てて首を傾げる……いやだから、その仕草可愛すぎだからっ!


ティナ「それくらいですかね?」


逆に聞かれても困ります。


それだけだったら要らないかなぁ……


「それだけだったら売るだけかな」


ティナ「ごめんなさい。そんなに私は詳しくないです」


「十分、助かったよ。ありがと」


気が付くと皆、寝ていた。


「あれ?また起きてるの2人になっちゃったね」


ティナ「ホントだ」


「起こすと悪いから外で話す?もう寝る?」


ティナ「それじゃ外で話そうか」


「紅茶でも飲む?」


ティナ「そんな高い物あるのですか?!飲みたいです」


ティーポットにお湯を満たして紅茶の葉を入れて茶漉しで濾してコップに注いだ。


あ、外にテーブルも椅子もないや。外に出てテーブルと椅子を魔法で作って設置した。


うん。よし!


ティナ「無駄に凄いですね」


「無駄って余計じゃない?」


ティナ「あ、すみません」


「良いんだけどー」


ティナ「そういう魔法は、どこで覚えたのですか?」


「えっと……自力?独学かな」


ティナ「は?えっと……あり得ないと思うんですけれど?本とか読んでとかでしょうか?」


「あ、そんな感じ……かな」


ティナ「師匠とかはいないんですか?」


「いるよ。ティナがいるじゃん!」


ティナ「え?あーそうでした。って、まだ何も教えていないのですが!」


え!ノリツッコミ!?。やるなティナさん


そんな会話をしていたらアリアが起きてきた。


アリア「あ、ズルいのです!!」


「え?何が!?」


アリア「そらと一緒に居るのがなのです!」


ティナ「良いでしょー?」


アリア「わぁー!ティナがいじめるのですぅっ!」


ティナ「あはは。アリアが良くズルいズルいって言うからー」


「うん。良く言ってるよね」


アリア「言ってないのです!」


「ティナ魔王っているの?さっきの悪者達が言ってたんだけどさ」


ティナ「遥か昔に居たみたいですけど、もう居ないですよ」


「魔王って召喚とか出来るの?」


ティナ「人間には無理ですね。魔族にも無理ですよ。メリットもないですし」


「なら放っておいて大丈夫だね」


アリア「難しい話しはイヤなのです!」


「じゃあ皆で寝ようか疲れたし」


アリア「はい。なのです」


ティナ「そうですね。」



翌日……


ギルドに入ると、いつもと違い大騒ぎをしていた。何事かと思い受付嬢に聞いた。


受付嬢「昨夜、少し離れた場所で魔物の群れが暴れて森や山を破壊して消えたんですよ!」


あーそう言う事になっているのね。実際は魔物の群れは、一切暴れていないんだけど……破壊行為をしたのはドラゴンです!


で、命令したのは俺ですけど……


「そ、そうなんだ?他に被害は?」


受付嬢「幸いにも近くに民家や村は無かったので大丈夫ですが、また魔物の群れが現れるんじゃないか?ってこの状態なんですよ」


「そうだ、ボク近くの森に魔物が出たので討伐したんだけど買い取りしてくれるかな?30体だけなんだけど」


受付嬢「は、はい。30体もですか……」


魔石を渡した。


受付嬢「えっ!!デカ!……失礼しました。随分と大きいのですが……」


「大きい魔物もいましたね」


受付嬢「この辺には生息していない魔物のようですね。昨夜の魔物の群れの一部でしょうか……」


「そうかもしれませんね。それじゃお願いしますね」


受付嬢「鑑定に時間が掛かるかもしれません。いえ、時間が掛かります!お時間を頂けますか?」


「はい。急ぎでは無いので大丈夫です」


周り「あいつが昨夜の魔物を殲滅したんじゃないか?」


周り「あんな魔石を見た事が無いぞ!」


周り「さすがS級だな」


その通りなんですけれど……なにか?


受付嬢「1週間ほど掛かるかもしれません」


「分かりました」


依頼でも見てくかな……


んー良いのがないなぁ〜。ん?ワイバーンの討伐か……美味しいのか?そもそも食えるのか?


受付嬢に依頼受ける事を伝えた。


受付嬢「ワイバーン討伐は難易度は高いです。討伐対象が飛行していますので、ですが魔術士が多いパーティなので相性が良いかもしれないですね。お気を付けてください」


「行ってくるね」

 

帰宅して依頼を受けたと皆に伝えた。


「ワイバーン討伐に行くよ」


ティナ「帰ってきて第一声がワイバーン討伐って何なんですか!」


アリア「お出掛けなのです!」


エル「はーい、はぁーい!わたし行くよぉ〜」


ブロッサム「ご一緒しますわ」


ティナ「分かりましたよ!ご一緒致します」


依頼のあった村の近くに転移をして牧草地にやって来た。ワイバーンは家畜を拐っていくみたい。


「この辺で隠れて待ってれば現れるんじゃない?」


ティナ「普通の魔法は、なかなか当たりませんよ。距離がありますから避けられてしまいますし、距離があるので魔法の威力も落ちてしまいます」


今回は、何かのアニメでやっていた黄色い円盤を投げて切断する攻撃を試してみたいだけだったりする。


射撃だけだとつまらないし……


「大丈夫だよ」


探索魔法で周りを探ってみた。


もう少ししたらこっちを通るはずだ。


イメージをしておく……そろそろかな?円盤が現れそれをワイバーン目掛けて投げた。


追尾も追加してあるのでワイバーンを追尾をしてワイバーンの首を切断した。


うん。射撃と同じでつまらないね。


一応、魔石は回収しておく。


「エルも射撃してみれば?」


エル「良いの?」


「順番に撃って見れば良いよ」


少し………ズルをしよう。ズルと言っても討伐で格闘技のスポーツじゃないし、スキル、魔法を使い有利に戦えるなら使っても問題ないだろ。更に言うなら魔石の回収をすれば一瞬で終わるし。


近くに居るワイバーンを牧草地にの叢に転移をして隠れて待った。


「ワイバーンが来たよ」


接待ハンティングってやつだな……


人数分を繰り返して練習をしていると、ティナが難しい顔をして聞いてきた。


ティナ「おかしくないですか?こんなに都合良く現れます?」


「そんな日も有るんじゃない?」


ティナ「ギルドに何て報告するんです?」


「丁度ワイバーンの群れが現れた……って」


ティナ「そらさんが、行く討伐は必ず群れになっていますよ!おかしいですよ!」


「じゃ……魔石を1個だけ提出で良い?」


ティナ「そうして下さい……でも4、5個なら……」


恐いですよ。それにワイバーンの4、5個って十分に群れだと思いますが。ティナさん


心配をして言ってくれてるのは分かってるから嬉しいけどさ。


討伐したワイバーンを地中に転移させて証拠隠滅というか放置すると腐敗して迷惑だろうしな。まぁ……放置しても低級の冒険者が素材集めや食料にしてるらしいし、残りは猛獣やら獣の動物が食べて土に変えると思うけど。


「この前に行った湖にいこうか?時間があるし」


アリア「わーい。なのです!」


エル「うん。行く」


ブロッサム「またですの?ご一緒しますけれど」


ティナ「湖?何しに?」


「湖に遊びにだよ」


湖に転移してきた。


「やっぱりキレイだな~」


アリア、エルは服を脱ぎだし下着姿になり湖で遊び出した。


「ブロッサムとティナは遊ばないの?」


ティナ「!!……え?」


一応、安全確認で探索魔法で周りを探っておいた。


……異常なし!人影なし!結界を張っておく。


ブロッサム「私は遠慮しておきますわ」


ティナ「せっかくだし入ってみようかな……」


えっ?!からかって言っただけなのに?恥ずかしそうにしながら下着姿になりエル達の方に向かった。


毎回恒例だが下着が透けてますよ!!エルさん。ティナさん。


下着と言ってもブラは付けてはいないのでTシャツなので胸が透けてるし、綿のパンツも透けているし……透けてる感じがエロい!


そんなティナが近寄ってきて誘ってくる。


ティナ「そらさんも一緒に遊びませんか?」


そんな透けてる格好で近付かれると困るんですが!手を掴まれ服のまま湖の中に連行され水の掛け合いや押し合ったり、じゃれあってたらティナが抱き付いてきた。


いやいや胸がモロに当たっていますが!!ティナさん


嬉しいですけど困りますよ!困りますが…天国ですか……ここは。


エル「なにニヤニヤしてるのぉー!そらぁ〜!!」


ティナも気付いたらしく顔が赤くなっていて可愛い。


ここは天国でも危険だ!!湖から出てブロッサムの元に避難してきた。


ブロッサム「楽しそうでなによりですわね……」


と言われジト目で見られた。が、どこに行っても気まずいのですが!いや……気にしたら負けだ!


気にせず女の子達を鑑賞する事に集中して過ごして癒やされた。久しぶりにのんびりと過ごせたかな……


帰ってきた子達を魔法で下着や髪の毛を乾かして帰宅した。


アリアがフィオに自慢話を聞かせ、話を聞きフィオがむくれていた。


今度一緒に釣れていく事を約束すると、可愛いほっぺを膨らませた。


フィオ「やくそくっ!」


まだ怒っているようです。



翌日……


ティナと2人でギルドに来た。


受付嬢にワイバーンの討伐完了の報告と魔石を提出をした。


受付嬢「やっぱり相性が良かったのですね。魔石は買い取りで良いですか?」


「魔石は何か使い道が有るんですか?」


ティナの説明と殆ど同じだったが魔術士の杖に付けると魔法が倍増する効果があるらしい。


それは俺には関係なさそうかな?余ってる魔石を使って杖を帰ったら作ってティナに杖をプレゼントしよう!


受付嬢「魔石は、どうしますか?」


「売ります!」


受付嬢「鑑定結界出ましたので、こちらが報酬です」


革袋を渡された。


「ありがと」


受付嬢「討伐お疲れ様でした」



帰宅した……


さっそく外で1人でコッソリとドラゴンの魔石を加工する、超希少なドラゴンの魔石だけど……俺にはそこまで魅力を感じない。


随分と大きくバスケットボール8個分の大きさだったので加工しなければ使えないので便利なスキルで野球ボールの大きさに分離をさせキレイな球体にした。


イメージして作ったミスリル製の杖に魔石を嵌め込んだ。


魔力との相性が良いって聞いた事があった気がするし、物理攻撃も高そうで軽くて持ち運びにラクそうだ。


ちなみにミスリル製だと言うことは秘密でバレたら絶対に怒られそうな気がする。


さっそく的にファイアーショットを軽い気持ちで撃っただけだが的が大破した。


おぉ倍増されているね……かなり魔力を抑えたと思うんだけど。それにファイアショットって爆発ってしないよな?


ティナを呼びプレゼントをした。


ティナ「え?何で?もらって良いの?」


「いつもお世話になってるからね」


ティナ「あ、ありがと!!始めて……プレゼントを頂きました……」


「さっそく使ってみて」


大きめな的を用意をした。


ティナ「魔法は何が良いですかね?」


「ファイアーショットとかじゃない」


ティナ「はい!」


ティナ「ファイアーショット!」


的が大破した。


ティナ「……え?!なんで?」


「受付嬢が魔石で倍増するって言ってたじゃん」


ティナ「ちなみにだけど何の魔石なんですか?」


「ドラゴンだけど?」


ティナ「え?!討伐したの?」


「まぁそんな感じ」


 ティナ「毎回そんな規格外な事ばっかりやって大丈夫なんですか?前にも言いましたがドラコンって、そもそも、この世界で討伐出来る存在じゃないんですけど……」


「気を付けます」


ティナ「この杖なんだけど普段使う勇気はないです。規格外過ぎです!!私まで規格外扱いされてしまいますよ」


「だったら威力を落とす練習をすれば?」


ティナ「何ですか、その普通の人と逆を行く練習は!」


「せっかく作ったからさティナに使って欲しいなーって思って」


ティナ「人目に付かない所だったら良いですけど」


「だったら竜の谷の付近でも探索する?人は居なさそうだし」


ティナ「なに言ってるんですか!私が死んじゃいますよ」


「その杖を使ってれば余裕じゃないかな?ボクは前衛で剣を使うから!後衛はティナに任せたよ」


ティナ「何で勝手に決めてるんですか!」


転移で竜の谷の森の中に来た。


ティナ「勝手に連れてこられていますし……」


中級クラスの魔物のが数体近くに気配がするが、今回は楽しむので探索魔法は使わない予定。


「探索をしに行くよ」


ティナ「ホントに行のですか!?」


魔物の居そうな場所へ進んでいくとティナが仕方が無さそうに付いてきてくれている。


突然、オーガが剣で襲い掛かってくるのを剣で受けた。


「ティナ魔法攻撃よろしく!」


殺さないように防戦して時間を稼いだ。


ティナ「え、あ、はい!」


慌てティナだったがアイシクルショットを放ち多数当たり余裕で討伐できた。


「ティナ楽勝だったね。じゃあ次行くよ!」


ティナ「まだ行くんですか?」


低級クラスの魔物は剣で倒していくと途中に中級クラスの魔物も出たが勢い余って数体倒してしまった。


「ごめん。ティナの獲物倒しちゃった」


ティナ「私の獲物のじゃないですし。獲物なんか探してませんよ!」


竜の谷に近付くにつれ魔物が強くなってきた。


途中でドラゴンに遭遇してティナが呆然として動かなくなった。ドラゴンが俺に頭を下げ動きを止め敬意を示していた。


ドラキンの教育なのかな?


「ティナ大丈夫だから先に進むよ」


ティナが我に返り歩き出して俺に付いてきた。


ティナ「どこまで行くんですか?」


上級クラスの大型の魔物が襲ってきたので剣で防戦し時間を稼ぐとティナがヤル気が出てきたのか叫んできた。


ティナ「攻撃するから退いて!」


多数のファイアーショットを浴びせ倒した。


「強い魔物も余裕で倒せるねー」


ティナ「そんな訳が無いでしょう!普通は、そこそこ人数のいるパーティで連携してやっと倒せる魔物ですよ!」


「うん。うん。それをティナが倒せた訳ですね?」


ティナ「え?私を変な道に引き込まないでください!!ちゃんと責任とってくださいね」


自分が言った事に気付き顔を赤くして慌てて訂正をしてきた。


ティナ「変な意味じゃないですからね!!勘違いしないでくださいね」


「ボクのせいじゃないですよ。ティナの実力です」


意地悪を言ってみた。


なんとなく違う返事が返ってきてガッカリしているティナ。


ティナ「魔族ってバレないように必死に隠してたのですよ……」


「何で隠すの?」


ティナ「魔族ってバレるとパーティに入れてもらえないですし。宿にも泊めてくれなくなります。偏見と差別とか大変なのですよ」


「じゃあ、もう大丈夫じゃん。正式にパーティに入ってるし。宿もあるし、偏見も差別もないでしょ?」


涙ぐむティナ


ティナ「うん。そうですね……」


急に抱き付かれて戸惑う俺。


抱き着かれて嬉しくて、感触が気持ち良いんだけど……魔物に囲まれているんですけど……ティナさん。


慌てて結界を張った。


しばらく堪能し……じゃなくて、ティナが落ち着くのを待っている間に魔物の数を減らしておいた。


落ち着いた頃にティナにさり気なく伝えた。


「あ、魔物に囲まれそうだよ」


ティナ「……ホントだ!!不味いですよ」


「どうする?」


ティナ「崖の壁まで走り抜けて壁を背に戦いましょう。退路は無くなりますが……私が、どうにかします」


「うん。それで行こう」


ティナ「ファイアーボールで道を作ります!」


大きなファイアーボールで魔物と木が無くなり道が出来て、そこを2人で走り抜け壁に着き作戦通りに俺が前衛をしてティナが後衛をやった。


中級クラスの魔物が5体。上級クラスの魔物が1体が襲い掛かってくる。


ティナが土魔法で両サイドに壁を作った。これで、俺が目の前の魔物だけに集中していれば良くなったが退路は無くなった。


俺が防戦をしティナが魔法で、どんどんと倒していく。


「やっぱりティナは強いね!!」


ティナ「ありがと」


忘れずに魔石を回収してティナに渡した。


ティナ「要らないよ。そらが持っててください」


「ティナが倒した魔物だからティナが持っててよ」


ティナ「じゃー1個だけ貰うね」


転移で帰宅した。


チート能力無い方が楽しかったかも。


ティナは魔物に囲まれて焦っていて、転移で逃げれる事や俺の能力の事を忘れていたみたい。


誤魔化してみたがジト目で見られた。きっと気のせいだ……ティナはジト目で見てくるような女の子じゃないハズだ……

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