第2話 ドラゴンと盗賊

# 2024/06/24 誤字脱字の訂正、文章の編集を行いました。


一応、探索魔法で周りの気配を探ってみると……


……ん?……えっ!?な、なに?……この反応。


近くに大きな気配を感じた。


これは、不味いんじゃ?逃げる?それとも戦うか?考えても仕方がない。まずは様子を見に行ってみるか。


そこには大きな洞窟があり、周りには大きな気配だけでこの洞窟の周りには、なんの気配もなく静まり返っていた。


慎重に気配を消して歩いた。


しばらく洞窟を進むと大きなドラゴンが寝ていた。


倒しても食べきれなさそうだし、見なかった事にしよ……。無駄な争いはしたくは無いし。


引き返そうとしているとドラゴンが目を覚ました。




ドラゴン「人間の子供が、こんな所に何のようだ?」


「道に迷ってしまって……」


ドラゴン「この辺りには人間の住む村は無いはずだが……?」


「冒険をしていて、たまたま洞窟を見つけたのです」


ドラゴン「この辺りの魔獣や魔物は大人の冒険者でも倒せないはずだが?」


これは……完全に不審に思われてるよな?ドラゴンは知性が高いって聞いたことがあるし。でも、正直に話しても信じてもらえるわけがないしなぁ……誤魔化すしかないか……


「偶然、出会わなかっただけです」


ドラゴン「そんなわけ無いだろう!」


そんな事を言われてもなぁ。本当に会わなかったんだけど?


ドラゴン「まぁ良い。久しぶりの客人だ相手にはならないだろうが遊んでやるか……」


「えっ?」


いきなりドラゴンの尻尾で、はね飛ばされ壁に激突し洞窟の壁に穴が空いたが、かすり傷もなく無事だった。


ふぅ〜ん……さすが能力値全て最大だな。あの攻撃を受けても無傷か。


ドラゴン「多少は手加減をしたが無傷だと?貴様は本当に人間なのか?」


「人間のハズですが……」


なんか面倒になってきたな……って、ドラゴンが言葉を話すのか!?今更だが、驚いた。俺に翻訳スキルがあるのか、ドラゴンが本当に話しているのか分からないけど。


ドラゴンと対峙していても不思議と恐怖心は無く落ち着いていられ会話も出来ていた。


話して分かってもらえそうにないし……仲良くできれば話し相手になってくれれば楽しく過ごせたかもな……。これ以上、話をしていても仕方ないし倒すか。


ドラゴンに攻撃が通じるか分からないけど、さっき試した攻撃をドラゴンの肩に野球ボールくらいの弾丸で……撃つ!


見事にドラゴンの体を貫通しドラゴンから出血した。


ドラゴン「なんだと!何をした!!……」


「ただの攻撃ですけど?」


ドラゴン「ドラゴンにダメージを与えられるどころか肉体に傷を付けれる人間などいるものか!」


ドラゴンには莫大な魔力があり、その魔力が鱗や表皮に魔力が流れていて物理的、魔法攻撃をも通さずにバリアの代わりをしている。だが、そらの攻撃はレベルの差があり過ぎてドラゴンの魔力を上回り簡単に貫通してしまった。


「次は頭を狙って終わりにしますね。ドラゴンって美味しいのかな……?」


その言葉を聞き知能の高いドラゴンは、こ食物連鎖の絶対なる頂点捕食者に君臨していたドラゴンがたった今、捕食される側になったという事を理解した。


ドラゴン「やめてくれ!!我の敗けだ!降参する、いきなり攻撃して悪かった!!許してくれ」


「そう?もう攻撃して来ないのなら良いよ。ボクは帰るから」


ドラゴン「感謝する。我に出来る事が、あれば言ってくれ協力をしよう」


「今のところないよ。またね」



洞窟を出て家に帰ってきた。


夕方になり部屋にはベッドしかなく料理するにも外で焚き火などで料理するしかない。


もちろん水道やキッチンもない。


この生活ものんびりしてて良いんだけど……毎日焚き火で料理ってのもなぁ〜ツライよな。明日にでも作ろうかな。


今日はウサギのような物を捌き串に刺して焼くだけだ。


塩もないし……コショウもない。


味は不味くもなく美味しくもないが物足りない。


アイテムボックスに入っていたパンを食べて終了だ。


やる事もなく暗くなってきたので、ベッドに入り眠った。



翌朝……


魔法でブロックを作り運び積み上げていくが高くなるにつれキツくなってきた。


魔法で物体の移動を考えた。イメージで移動が出来るかも?と試すと簡単に出来たが、後で考えたら部屋をイメージで作れるな……


無駄な時間、労力だったが、物体の瞬間移動が出来るようになったから良いかな。


浴室も、ついでに作った。


2階の高さに給水タンクを取り付け魔法で水を入れ貯水式で水を汲みに行かなくてもよくなる。


配管をキッチンと風呂場と外にも繋いだ。


外のは獲物の解体時に使うかも?と用意しておいた。


1時間ほどで作業が終了してしまった。



探索魔法で猟でもしようと思い調べると、近くの叢に昨日のウサギの気配がして距離が近いので、人差し指の先に箸のような短い矢をイメージで撃つ……


あれ?外したか。誰も見ていないし、居ないのに恥ずかしい……。格好をつけて矢で獲物が獲れれば格好良いと思ったのに。余計な事は、しない方がいいかな。


ウサギは気付いた様子はなく同じ場所に潜んでいたので、慌てて指先に小さい弾丸をイメージして撃ち獲物を確保した。


これは思った場所に当たり捕獲が出来て命中率は、かなり高く破壊力もあるのでお気に入りだ。


中で破裂も出来るので殺傷力も高いが獲物に使うと可食部分が少なくなるから戦闘用かな?魔物や魔獣用なのかな?それっぽい気配を感じるけど見た事は、今のところ無い。



またもや時間が出来たので拠点の周りの探索でもしよう。


ドラゴンの居た方角の反対側を探索魔法で探ってみると。これって……10キロ先に人らしき気配が集まっていて、何かの拠点かな?


人数は8人ほど集まっていた。


こっそり見に行ってみようかな……?初めての人で緊張するな……


家だとしたら8人家族で大家族だな。それか仕事場?


探索魔法の精度を上げて目標地点のイメージした。


瞬間的に移動が出来るようになった。


この世界ではイメージが重要みたいだね。


気配を消し、何の集まりだかを調べてみる。


人相が悪そうな3人中に居て出入口の外に2人。


縛られた子供が3人発見……助けるべきか?


後で面倒事にならないかな……?ここの法律や常識知らないしなぁ。元いた世界なら違法だけど……これが合法で奴隷商だったら、商品を略奪した俺が悪者になっちゃうしな。


助けるにしても……俺は捕縛魔法は、まだ使えないし。


俺が習得してる魔法は殺傷力が非常に高い魔法だけだな。


子供を捕らえてるし、悪者そうだし討伐しちゃっても良いかな?それに俺が許せないと思うし……バレなきゃ良いよね!誰も見てないし。


悪者を討伐するにしても人を弾丸で撃つのは抵抗あるなぁ。


人助けと言っても人殺したらこの世界の事は分からないので、助けた子供に自分が殺したと報告されても困るし。


狙撃して外した時に気付かれて騒がれても困るし確実な方法で誰が殺したのか分からない方法を考えた。


あ、探索魔法を人体にかけて、心臓を転移させれば確実だけど……一気に5人の心臓が無い死体が出来るけど、まぁ……あり得ないけど良いか。


でも…… 検死とかあったらヤバイな?


知らない事を考えても仕方ないか……


んーでも心臓を取るのは、やっぱりやめておこうかな……


取った心臓をどうする?そう思うと気味が悪ので止めておいた。


取るのは止めて心臓の中に転移で小石でも入れとくか。うん。これにしよう!


悪党全員の心臓の中に、その辺に落ちている小石を心臓の中に入れて一瞬で始末した。


子供を3人助けた……で、どうしよう……?


ここで解放しても町や村へ、たどり着く前に死ぬか、また拐われるだろうし……


村や町につれていくのか?


場所も知らないし面倒だし目立つ。


幸いにも言葉は通じるみたいで良かったし、情報収集して本人達の意見も聞くか。


道に迷っていたら家の前で人が倒れていたから知らせに入った事にしよう。



「あのーすみません。外で人が倒れていますよー。誰かいませんか~?」


子供達と目が合った。


「大丈夫ですか?」


と聞いたが大丈夫なわけないか。


「助けましょうか?」


口が塞がれていたので必死に首を縦に振っている。


ナイフを取り出す振りをして、アイテムボックスから取り出しロープを切り解放してあげ少し事情を聞いてみた。


子供達は3人とも女の子で10歳で奴隷として売られたわけではなく各地で拐われてきたらしい。


なので、この辺の土地勘は、ないのでココで解放されても困るらしい。


一応、毎日少しではあるが食事は出ていたらしい。


金髪のショートヘアーで金色の目の娘はエル。


セミロングヘアーの茶色い髪で茶色の目の娘はステフ。


セミロングヘアーの薄紫色で薄紫色の目の娘はブロッサム。


ここで、ゆっくりしていると悪党の仲間が来るかもしれないし、死体のある場所に長居はしたくないので移動をしながら考えた。


うぅ~ん……家に連れて帰るか……徒歩だと2、3時間の距離だし歩くか!


一応、探索魔法で周囲に人が居ないか確認……異常無し!


「ボクは、近くの町や村は知らないので送り届けるのはムリなのでボクの家にきます?それか、ここでお別れか……」


女の子達「「「家に行きたいです!!」」」


アイテムボックスから水袋を出し女の子達に水分補給をさせてから歩き出す。


「2、3時間歩きますけど大丈夫?途中で休憩しても良いし」


女の子達「「「大丈夫です」」」


問題なさそうなので歩き続けた。


歩きついでに魔法の事など軽く聞いてみた。


「遅くなりましたが、そらと言います。山の中に住んでいるので人に会う事がなくて気になるんですが魔法って使えます?」


エル「魔法は使えます!」


ステフ「魔法は苦手です…」


ブロッサム「ある程度は…使えますわ」


「どの程度使えるんでしょう?」


エル「学校のクラスでは普通くらいでした」


ステフ「生活魔法くらいです」


ブロッサム「治癒魔法なら使えますわ」


うぅーん…エルとステフは程度が分からない。


あと、どうして拐われたのか聞いておくか?


話したくもないかも知れないからな…


そのうちで良いかな。


しばらく歩いてると草むらが、あったのでバッグを隠してある風にアイテムボックスからバッグを取り出し背負う。


2、3時間歩くんだし夕飯の、おかずを獲ろう。


「狩りはできる?」


女の子達「「「出来ません…」」」


んーどこまで魔法を見せて良いものか……


あ、ウサギの気配……


指先からの狙撃!


女の子達「「「ぇ…!何魔法?」」」


呆然としてる雰囲気……


気にしないでおこう気にして狩りを遠慮していると夕飯がなくなる。


最終奥義の心臓の転移でも使えば目立たないし確実だけど。


ハンティングが面白いだけだったので、つい・・・ね。


最後の方はエルが獲れた獲物を拾うのを手伝ってくれた。


元気で良い子だ!


道中ウサギの3匹と鳥2匹を確保した。


他にも大型の獣が居たけどさらに引かれそうだったので自重しました。


持ち帰るのも大変なので……


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