第6話 片鱗

 

 …取り払われた、銀色のベールの下に、鎮座ましましていたのは、”体長”が1メートル弱ほどの、メタリックに光り輝く一匹の「龍」だったのだ!

 一見は例の「AIBO」を連想させる、ドラゴンを模した形態のロボットだった。

 が、それは全体的に普通のロボット以上に精巧で、緻密で、何か現代美術のオブジェを思わせるようないかにも「美しい」造形をしていたのだ。

 生き物のように息づいている小さな「龍」は、外面からキラキラとプリズムかホログラムのような輝かしい光彩を放っていた。

 もしかしたら本当に「生きている」のかもしれなかった。

 それは最先端の特殊なテクノロジーの粋を凝らしたsomething else 、一見しただけではうかがい知れない、底知れない潜在的なパワーを秘めた、人類には未知の構成物であることが、一目瞭然だったのだ。


「これこそが、わが社が開発したドリームメーカー・アンドロイドの「レインボードラゴン」です!」

…アスク氏は誇らしげにこう宣言して、聴衆を眺め渡した。


<続く>

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