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 心配になった僕は夢先輩に連絡をとる。

少し待って返ってきたメールには

『今は1人にさせて』

とだけ書いてあった。あまり深堀するのも良くないと想いそっとスマホの自分の机の上に置いてベットで寝っ転がった。


「少し大事な話があるから来て」


母の呼ぶ声が聞こえる。重い足を引きずりながらリビングへと向かう。気づけば父も帰ってきていてテーブルに座っていた。母が話を切り出す。


「大事な話だからよく聞いてほしい。私達は今まで刑務所にいたの」


「...」


「過去にひき逃げをして2人の人を殺してしまった」


「もう罪はしっかり償って反省してるから許して欲しい」


心の中から湧き出てきたのは怒りと絶望だった。


「僕はもう両親とは暮らしたくない。二度と姿を現さないで欲しい」


「そうなるのも分かってた。でも自業自得だからね。親として何もしてあげられなくてごめんね」


僕は何も応えず自分のベットの中に潜り込む。ただひたすらに枕を叩きながら泣いた。恵まれない自分が嫌になった。



 その日から1週間僕はバイトを休んだ。ずっとベットの上にいた。知らない間に両親は家を出て言っているみたいだ。物音のしない家が寂しさを感じさせる。

ある日、インターホンがなった。

「また帰ってきたのか」

そんな事を思いながら外を見ると夢先輩の姿が見えた。そういえばあの日以来連絡を取り合っていない。


「お邪魔します。」


閑散とする家の中に案内する。


「ご両親はまたどこかに?」


「いや、その事なんだけど、殺人犯だったらしい」


「どういうこと?」


「過去にひき逃げをして刑務所にいた。最近それで帰ってきた」


「そうなんだ。大変だったね」


「全くだよ。そういえばバイト行かなくていいの?」


「うん。色々あってクビになっちゃったから」


「そうなの?」


「うん。ごめんね、急に」


「いいよ全然」


「じゃまたね」


「ばいばい」

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